米海軍;バイデン新政権下で初めて南シナ海における「航行の自由作戦」実行【米・中国メディア】(2021/02/07)
2月6日付
『ユーラシア・レビュー』オンラインニュース:「バイデン新政権下で初めて、米軍艦が南シナ海でFONOP作戦を実行」
米海軍は2月5日、南シナ海における一方的な海洋活動を牽制するため、バイデン新政権下で初めて、同海域において国際法に則った自由航行を実践したと発表した。
FONOP作戦を実行したのは、ミサイル駆逐艦“ジョン・S・マケイン(1994年就役、母港は横須賀基地)で、南シナ海北部のパラセル諸島(西沙)海域を航行した。...
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2月6日付
『ユーラシア・レビュー』オンラインニュース:「バイデン新政権下で初めて、米軍艦が南シナ海でFONOP作戦を実行」
米海軍は2月5日、南シナ海における一方的な海洋活動を牽制するため、バイデン新政権下で初めて、同海域において国際法に則った自由航行を実践したと発表した。
FONOP作戦を実行したのは、ミサイル駆逐艦“ジョン・S・マケイン(1994年就役、母港は横須賀基地)で、南シナ海北部のパラセル諸島(西沙)海域を航行した。
米海軍は声明の中で、“「海洋法に関する国連条約(UNCLOS、注1後記)」は、広い範囲に分散しているパラセル諸島を、どの一国も囲い込むことを認めていない”とし、“すなわち、UNCLOSの第7条に基づき、同諸島海域には直線基線を設けることは許されない”とした。
その上で、同声明では、“中国が1996年に同諸島海域に独断で引いた直線基線(注2後記)は、同条にて認められる範囲を遥かに逸脱した海域を、中国の内海、領海、排他的経済水域、そして大陸棚と主張するもの”だと糾弾した。
そして、“米海軍としては、当該直線基線は何ら国際法上で認められるものではないため、航行の自由を実践することで、この非合法措置に抗議するもの”だと強調した。
一方、同日付中国『チャイナ・デイリィ』:「中国、米軍艦による西沙諸島海域への不法侵入を非難」
人民解放軍(PLA)は2月5日、米海軍のミサイル駆逐艦が西沙諸島の中国領海内に不法侵入したとして非難した。
PLA南部戦区報道官の天軍李上級大佐(ティェン・ヂュインリ)は、米海軍ミサイル駆逐艦“ジョン・S・マケイン”が2月5日、中国側の了解なく西沙諸島の中国領海内に侵入したとして、PLA海軍及び空軍がすぐさま同艦を監視するために追尾したと発表した。
同報道官は更に、米艦の航行は、一方的な制海権に基づく悪巧みであり、中国の主権及び安全保障を脅かすものだと非難した。
その上で、南シナ海における平和、友好、協調に則った良好な環境を故意に混乱させることは断固許されない、とも強調した。
(注1)UNCLOS:海洋法に関する包括的・一般的な秩序の確立を目指して1982年4月に第3次国連海洋法会議にて採択され、同年12月に署名開放、1994年11月に発効した条約。通称・略称は、国連海洋法条約。国際海洋法において、最も普遍的・包括的な条約であり、基本条約であるため、別名「海の憲法」とも呼ばれる。
(注2)直線基線:領海(12カイリ=約22キロメートル)の範囲を測定する際に基となる線のことで、干潮時の海面と陸地が接する低潮線や、湾の入り口などに引かれる。UNCLOSで定められており、領海の外側にある接続水域や、経済的活動の管轄権を持つ排他的経済水域、大陸棚を測る際にも基準となる。
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在米中国大使館;中国側が米新政権高官との協議要請との米メディア報道を否定【米・中国メディア】(2021/01/24)
ジョー・バイデン大統領(78歳)就任前から、対中政策はどうなるのかと種々憶測報道がなされている。その一環で、ある米メディアが、“昨年12月に中国側から、トランプ政権が強行した関税賦課措置をはずすための協議を申し入れた”と報じたが、この程、在米中国大使館が改めて事実無根と否定するコメントを発表した。
1月24日米
『ニューズマックス』(1998年設立の保守系メディア):「中国、バイデン政権高官との協議要請との報道を否定」
在米中国大使館は1月23日、トランプ政権の4年間で起きた米中間の緊張関係を弱めるべく、中国側がバイデン新政権高官との協議を申し入れたとの報道を否定するコメントを発表した。
『ザ・ヒル』(1994年設立の政治専門紙)報道によると、“在米大使館は1月23日付声明で、当該報道は事実無根であり、メディアは、米中関係について、事実に即した報道を心掛けるべきだと表明した”という。...
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1月24日米
『ニューズマックス』(1998年設立の保守系メディア):「中国、バイデン政権高官との協議要請との報道を否定」
在米中国大使館は1月23日、トランプ政権の4年間で起きた米中間の緊張関係を弱めるべく、中国側がバイデン新政権高官との協議を申し入れたとの報道を否定するコメントを発表した。
『ザ・ヒル』(1994年設立の政治専門紙)報道によると、“在米大使館は1月23日付声明で、当該報道は事実無根であり、メディアは、米中関係について、事実に即した報道を心掛けるべきだと表明した”という。
この直前の1月22日、『ウォールストリート・ジャーナル』紙が、中国側は、中国共産党の政策を討議・決定する機関である党中央政治局委員会(計25名)メンバーの楊潔篪(70歳)を米国に派遣し、バイデン新政権高官と協議させたいとの意向を表明したと報じていた。
同紙は更に、崔天凱駐米大使(68歳、ツイ・ティアンカイ)が12月、習近平国家主席(67歳、シー・チンピン)からジョー・バイデン次期大統領に宛てて祝辞が送付されて間もなく、米政府に申し入れたと報じている。
しかし、中国大使館声明で、当該報道を否定した上で、米中双方は多くの不一致事項について“お互いに歩み寄るべきだ”と強調している。
トランプ政権下では、貿易紛争に加えて、南シナ海での領有権問題で緊張が高まっていたが、直近でも、マイク・ポンペオ国務長官(57歳)が、新疆ウィグル自治区においてウィグル族に対して集団虐殺が行われたと宣言したことで、分断が決定的となっていた。
これに対抗して中国は、“嘘をついて騙そうとしている”ポンペオ氏及び他27人の米高官に対して制裁を科すと発表している。
しかし、アントニー・ブリンケン国務長官候補(58歳)は、ポンペオ氏の意見に賛同すると表明している。
なお、バイデン大統領は、中国とはもっとうまくやっていきたいと発言しているものの、トランプ政権が科した制裁関税賦課についてすぐさま撤回する考えはないとしている。
1月23日付中国『チャイナ・デイリィ』紙:「中国大使館、米国高官との協議希望との報道に反論」
米『ウォールストリート・ジャーナル』紙は、崔中国大使が米政権高官宛に、両国高官による協議の場を設けることを提案する書簡を送ったと報道したが、大使館はすぐさま当該記事を全面否定した。
中国大使館声明によると、“報道内容は事実無根で、同大使はそのような書簡を送付したことはない”という。
更に、“メディアは事実に即した報道をすべきである”とした上で、“米中双方は、協力姿勢で臨み、両国間の健全かつ安定した関係構築のため、不一致点についても真摯に協議していくべきだ”と付言している。
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