バングラデシュ、国の独立支援から現下の原発建設援助のお陰もあってこれまでロシアへの恩義貫くも、ついに西側諸国の軍門に【米メディア】(2023/05/01)
バングラデシュ(1971年パキスタンより独立)は、独立戦争時の支援はもとより、現下で進められている原発建設に当たってのロシア援助に恩義を感じており、西側諸国が国連総会でロシアの戦争犯罪を糾弾する場面でも、棄権することでロシアへの消極的支持を貫いてきた。しかし、ウクライナ戦争開戦後1年余りが経過した現在、国際社会からの孤立が強まるロシアをみて、これ以上親ロシアの立場を貫くことは国の将来にとって得策でないと判断したのか、この程公式に、ウクライナ軍事侵攻を正面から非難する声明を出した。
4月29日付
『ユーラシア・レビュー』オンラインニュースは、訪日中のバングラデシュ首相が遂に、親ロシアから西側諸国の軍門に下り、ウクライナ軍事侵攻を公式に非難する声明を出したと報じている。
訪日中のシェイク・ハシナ首相(75歳、2009年就任)は4月27日、岸田文雄首相(65歳、2021年就任)との共同声明の中で、ウクライナ戦争が明らかな国際法及び国連憲章に違反するものだと言及した。
専門家によれば、この声明は明らかに、ロシアを直接非難することは避け、傍観者の立場を取るという従来のバングラデシュの姿勢を転換することを意味するという。...
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4月29日付
『ユーラシア・レビュー』オンラインニュースは、訪日中のバングラデシュ首相が遂に、親ロシアから西側諸国の軍門に下り、ウクライナ軍事侵攻を公式に非難する声明を出したと報じている。
訪日中のシェイク・ハシナ首相(75歳、2009年就任)は4月27日、岸田文雄首相(65歳、2021年就任)との共同声明の中で、ウクライナ戦争が明らかな国際法及び国連憲章に違反するものだと言及した。
専門家によれば、この声明は明らかに、ロシアを直接非難することは避け、傍観者の立場を取るという従来のバングラデシュの姿勢を転換することを意味するという。
バングラデシュはこれまで、1971年にパキスタン(当時の西パキスタン)からの独立戦争に当たって、米国が西パキスタンを支持していたのに対して、インド及びロシアが同国を支援したお陰で独立できたことに、とても恩義を感じてきていた。
また、昨今のロシアとの関係から、ロシア支援による原発の建設プロジェクト推進や、エネルギー資源等の交易より、反ロシアに舵を切ることはできない状態であった。
そこで、西側諸国が昨年3月及び今年2月、国連総会において、ウクライナ軍事侵攻したロシアを非難するそれぞれの決議案を提出した際、いずれも棄権するという立場を取っていた。
同首相は当時、“1971年の独立戦争時、米国がパキスタン(当時の西パキスタン)を支援するため第7艦隊を派遣してきたが、ロシアは我々の側について助けてくれた”とし、“従って、その恩に報いる必要がある”と、ロシア非難決議に賛成票を投じることを止めた理由を語っている。
同首相は、“戦争の原因は複雑で、単純にどちらか一方を糾弾することはできない”とも付言していた。
しかし、専門家によれば、“長引くウクライナ戦争のせいで、世界的な物流供給網が頓挫してしまい、バングラデシュの経済にも深刻な影響を及ぼしている”とし、“従って、今回の訪日を通じて、日本側の支援を仰ぐ必要に迫られたと考えられる”とする。
バングラデシュとしては、敵対する米中どちらに付くことはせず、うまくバランスを持って関係を継続したいと考えていたが、今回、中国と対峙するためにアジア太平洋地域でパートナーシップを強化するとする日本との間で、冒頭で言及した共同声明を発信することに合意したことから、中国とも距離を置くことにしたことを意味する。
同声明の中では、“両国は、海洋法に関する国連条約(国連海洋法条約、UNCLOS、注後記)を支持し、これに反する一方的な現状変更は、地域の平和と安定を棄損するため、真に反対する”と言及されている。
すなわち、バングラデシュは、東シナ海の尖閣諸島において中国と領土問題を抱える日本側説明に納得し、同じく南シナ海における中国の一方的海洋活動にも反対する立場を取ったことになる。
ハシナ首相は4日間にわたる訪日を通じて、日本との防衛協力関係強化を望んでいたことが覗える。
外交問題専門家も、今回の両国共同声明によって、バングラデシュが明らかに外交政策を変更(すなわち、中ロと距離を取って日米に接近)しようとしていると分析している。
(注)UNCLOS:海洋法に関する包括的・一般的な秩序の確立を目指して1982年4月に第3次国連海洋法会議にて採択され、同年12月に署名開放、1994年11月に発効した条約。世界の大洋に面した主な非締結国として、米国、トルコ、ペルー、ベネズエラがあるが、深海底に関する規定以外の大部分の規定が慣習国際法化しているため、これら非締約国も事実上海洋法条約に従っている。国際海洋法において、最も普遍的・包括的な条約であり、基本条約であるため、別名「海の憲法」とも呼ばれる。
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中国、フィリピンのマルコス政権に対して台湾問題に口を挟まないよう警告【米・フィリピンメディア】(2023/04/18)
フェルディナンド・マルコスJr.大統領(65歳、2022年就任)は、前大統領程あからさまな嫌米・親中政策を示さないばかりか、むしろ米比軍の共同軍事演習「バリカタン(注1後記)」を最大規模で実施する程、親米に舵を切ろうとしている。そこで、中国としては、台湾問題に何かと内政干渉してくる米国を警戒して、フィリピン政権に対して、台湾問題に余計な口を挟まないよう強く警告している。
4月17日付米
『ユーラシア・レビュー』オンラインニュース(2009年設立)、フィリピン
『マニラ・ブルティン』紙(1900年創刊の英字紙)等は、中国が、フィリピン政権が従来より親米政策を強化していることを懸念して、フィリピンに対して、台湾問題に口を挟まないよう警告したと報じている。
駐フィリピンの黄渓連大使(ファン・シーリアン、55歳、2019年就任)は4月14日、フィリピン政府に対して、同政府が米軍のフィリピン軍基地への追加アクセスを認める決定をしたことを問題視するも、それ以上に、これを契機に(米国の指図で)台湾問題に関与してくることは“絶対に認めない”と警告した。...
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4月17日付米
『ユーラシア・レビュー』オンラインニュース(2009年設立)、フィリピン
『マニラ・ブルティン』紙(1900年創刊の英字紙)等は、中国が、フィリピン政権が従来より親米政策を強化していることを懸念して、フィリピンに対して、台湾問題に口を挟まないよう警告したと報じている。
駐フィリピンの黄渓連大使(ファン・シーリアン、55歳、2019年就任)は4月14日、フィリピン政府に対して、同政府が米軍のフィリピン軍基地への追加アクセスを認める決定をしたことを問題視するも、それ以上に、これを契機に(米国の指図で)台湾問題に関与してくることは“絶対に認めない”と警告した。
同大使が、在フィリピン中国大使館と中比相互理解協会(APCU、1974年設立)が共同で開催した第9回中比連携フォーラムに出席して発言したもので、台湾統一のためには戦争も厭わないことも改めて強調した。
同大使は、フィリピン南部ミンダナオ島での「モロ紛争(注2後記)」を例に挙げて、“フィリピンがミンダナオ問題で第三国の介入を認めなかったのと同様、中国は台湾問題に他国がとやかく言うことを決して容認しない”とも言及している。
同大使がかかる警告を発したのは、米比両政府が今月初め、1999年締結の「訪問軍協定(VFA、注3後記)」を補完する形で成立した「防衛協力強化協定(EDCA)」に基づき、米軍に追加で4つのフィリピン軍基地へのアクセスを認めていたことが原因と考えられる。
そのうちの3つが、台湾至近のフィリピン北部のフィリピン軍基地であり、もう1つが、中比間で領有権問題となっている南シナ海至近のパラワン島在の基地であるからである。
更に同大使を驚愕させたのは、米比両軍が、2023年バリカタン軍事演習をこれまでの最大規模で4月11~28日の間に実施しているからである。
ただ、中国側懸念を予測したかのように、フェルディナンド・マルコスJr.大統領は4月10日、EDCAに基づき米軍に対して追加でフィリピン軍基地へのアクセスを認めたが、決して軍事行動を起こすためのものではないと明言している。
すなわち、同大統領は、“中国側の懸念は過度だと言わざるを得ず、フィリピンは基地を如何なる軍事行動にも供させないし、単にフィリピン軍にとって必要となった場合を想定しての協定だ”とした上で、“フィリピンは攻撃されない限り、如何なる軍事行動も起こすつもりはないので、何の心配もないだろう”と発言している。
(注1)バリカタン:フィリピン公用語のタガログ語で“心を一つにして、協同して”の意で、1998年の米軍基地閉鎖を契機に始まった、米比両軍の年次軍事演習の名称。
(注2)モロ紛争:1969年から2019年まで続いたフィリピンのミンダナオ島での反乱。1935年のミンダナオ島およびスールーのフィリピン連邦領土への統合開始時に持続した再定住政策によって生じた周辺化により、1969年までにフィリピン政府とイスラム教徒のモロ族の反政府グループの間で政治的緊張と軍事的行動が勃発したもの。
(注3)VFA:1951年締結の米比相互防衛条約(MDT)に基づき、フィリピン国内で活動する米軍人の法的地位を定めるために1998年に締結された協定。冷戦後の1990年代前半に駐留米軍がフィリピンから撤退して以降、VFAはMDTに基づく合同演習や、2014 年に締結されたEDCAに基づき、米軍によるフィリピン軍基地の利用、そのための施設整備など、米軍の個々の活動を根拠づける重要な協定となっている。
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