なお、サッシャ・ルチオ二氏は、ロシア出身で現在はカナダ国籍を持ち、米国の
『タイムズ誌』でAI分野における最も影響を与えた100人の専門家の1人として知られている。 また、長年、チャットGPTやミッドジャーニーのようなプログラムの研究に携わっている。
モントリオールでの人工知能に関する会議「オール・イン」の席上、ルチオ二氏は「インターネットで生成AIを使って探索する時、予想以上のエネルギーを消費する。...
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なお、サッシャ・ルチオ二氏は、ロシア出身で現在はカナダ国籍を持ち、米国の
『タイムズ誌』でAI分野における最も影響を与えた100人の専門家の1人として知られている。 また、長年、チャットGPTやミッドジャーニーのようなプログラムの研究に携わっている。
モントリオールでの人工知能に関する会議「オール・イン」の席上、ルチオ二氏は「インターネットで生成AIを使って探索する時、予想以上のエネルギーを消費する。」と落胆の感を表した。すなわち、AIの基になっている言語モデルは数十億のデータを駆動する膨大な計算能力を必要とし、そのためには強力なサーバーが必要となる。さらに、ユーザーの要求に答えるために消費されるエネルギーが膨大となるという。ルチオ二氏によると、例えば、検索エンジンが、ある国の首都を探すために、情報を抽出するのに対し、生成AIでは新しい‘情報を創り出す’ことが求められ、そのためにエネルギー消費過多となる、と説明している。
国際エネルギー機関(IEA)によると、2022年にデーターセンターでAIと暗号通貨を合わせた機能のために消費された電力量は、約460TWhで、世界での電力生産量の2%に相当するという。さらに、グーグルAIで2019年に比べて、生成AIでの温室ガス発生量の2023年の増加割合は、+48%、マイクロソフトAIで2020年に比べて、2023年の増加割合は、+29%となると予測している。
ルチオ二氏は、各ユーザーに生成AIが使える事例と使えない事例を説明する必要があると考えており、使える場合でのコストについても説明する必要があるという。ちなみにルチオ二氏の最新の研究では、AIを使用して高分解能の映像を作る場合には、携帯電話のバッテリーを充電するのと同じくらいの電力量しか消費しないという。さらに、ルチオ二氏は、益々多くの企業が、AIを多くの形態(普通のロボット、オンライン検索)での組み合わせで一般使用を図っていく上で、節度あるエネルギー消費を呼びかけている。
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