新型コロナウィルス感染流行に関し、かつてロシアは、世界最大の国土を有し、また、ウィルス禍発症地の中国と長い国境で接しているにも拘らず、欧州他国に比べて感染者が異常に少なかった。しかし、検査が不適当とか隠蔽体質等と非難されたためか、直近の日本同様、日々の新たな感染者が急増している。そこで、自国内の感染は抑えられたと宣言している中国は、感染の逆輸入は許すまじと、ロシアとの国境封鎖に踏み切った。そのため、帰国できなくなったロシア出稼ぎ中の中国人たちが、感染防衛のための自主隔離に入っている。それは、武漢方式と言われる隔離対策で、情報に疎く危機感に乏しいロシア人住民からウィルスを移されないようにと、集合住宅の敷地から一歩も出ないという徹底したものである。
4月17日付米
『ロイター通信』:「ロシア在住中国人、多くは帰国したものの、逃げ遅れた中国人はウィルス感染に怯えながら自主隔離」
ロシアにおいて、直近の新型コロナウィルス感染流行の拡大はすさまじい。
そこで、現地在住の中国人の多くは帰国の途についた。
しかし、帰国の機会を逃した中国人は、例えば『ロイター通信』が電話インタビューした、ロシア極東ハバロフスクで衣料品商を営む男性(50歳)は、徹底した自主隔離でウィルス感染に備えているという。...
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4月17日付米
『ロイター通信』:「ロシア在住中国人、多くは帰国したものの、逃げ遅れた中国人はウィルス感染に怯えながら自主隔離」
ロシアにおいて、直近の新型コロナウィルス感染流行の拡大はすさまじい。
そこで、現地在住の中国人の多くは帰国の途についた。
しかし、帰国の機会を逃した中国人は、例えば『ロイター通信』が電話インタビューした、ロシア極東ハバロフスクで衣料品商を営む男性(50歳)は、徹底した自主隔離でウィルス感染に備えているという。
中国東北部の綏芬河(ソイフェンホー、黒竜江省東端)出身の同氏は、中国人オーナーの集合住宅に住んでいるが、4月1日以降、およそ500人の中国人住民とともに率先して自主隔離しているという。
武漢方式と言われる隔離対策で、集合住宅敷地内からは一歩も外に出ないという徹底ぶりで、必要品はインターネット注文で取得し、それ以外の物資は中国人オーナーがまとめて発注し、各戸の玄関に配達してもらい、また、運動不足解消のためには、ソーシャルディスタンスを保ちながら駐車場内を散策するというものである。
この背景には、中国政府が、海外からの帰国者による感染持ち込みを防ぐ措置として、特にロシアでの感染拡大を懸念して、4月以降ロシアとの国境を封鎖し、また、航空便の往来も差し止められたために、帰国する機会を失ってしまったことと、更には、国外はもとより国内の情報も十分知らされていないと思われるロシア人住民が、ほとんど危機感を持たずにマスクなし外出、ハグ、キス等々を繰り返しているため、それら地元住民からウィルスを移されることを避けるためでもあるという。
なお、衣料品商の男性によれば、ハバロフスク市当局からは一切コンタクトはなく、現地の中国領事館から訪ねてきてくれる領事館員に頼っていると証言している。
一方、ロシア国内在住の中国人約15万人のほとんどは、国境封鎖前に帰国の途についている。
そのうちの一人、ロシア北西サンクトペテルブルグでツアーガイドをしていた女性(33歳)は、『ロイター通信』の電話インタビューに答えて、3月末、ロシア国内での感染拡大による医療崩壊を懸念して、同市からノボシビルスク経由ウラジオストックまで空路移動した上で、他の中国人とともに3時間かけて綏芬河までバス移動したという。
職業柄、何度も旅行・移動していた彼女としても、このときばかりは、国境の“中国税関”の看板を見て初めて歓喜したという。
そして綏芬河市内のホテルで14日間の隔離、検疫検査で陰性の結果を得た上で、故郷の中国南西部成都(チェンドゥ、四川省)に戻っている。
なお、ロシアでは4月16日現在、一日で3,448人の感染者が確認されて合計2万7,938人まで膨れ上がっている(編注;4月17日には更に4,070人増えて3万2,008人となっている)。
中国国営メディア『環球時報』(中国政府宣伝媒体『人民日報』子会社)は、ロシアが新型コロナウィルス感染食い止めに失敗したと報じたが、ロシア大統領府のドミートリィ・ペスコフ報道官は4月15日、“根拠のない批判には全く同意できない”と表明している。
一方、同日付中国『チャイナ・デイリィ』:「習国家主席、ロシア支援を約束」
習近平(シー・チンピン)国家主席は4月16日夜、ウラジーミル・プーチン大統領と電話会談し、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、ロシア向けに医療用品等を提供すると表明した。
同主席は、ウィルス禍の初期段階で、中国が最も困難な状況にあった際、ロシアが常に支援してくれていたことは忘れないと言及した。
また、同主席は、ロシア在住の中国人に対するロシア政府の支援に感謝するとも付言した。
なお、会談で両首脳は、ウィルス禍を政治利用する動きに対して、共同して断固として立ち向かっていくことで同意した。
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今週初め、エスパー国防長官と魏国防部長(大臣に相当)が東南アジア国防相会議の機会を捉えて直接会談した。しかし、特に南シナ海問題では、双方がそれぞれこれまでの主張を繰り返すだけで終わった。そのためもあってか、同会談開催後まもなく、米国は戦艦2隻を続けて南シナ海の中国主張領海内を航行させ、同海域における中国の軍事拠点化を牽制した。これに対して中国側も、不測の事態を避けるため余計な挑発行為を止めるよう警告している。
11月22日付米
『ロイター通信』:「米軍艦が再び南シナ海の中国主張領海内を航行したと中国が反発」
米軍第7艦隊の報道官レアン・モムセン司令官は11月21日、『ロイター通信』のインタビューに答えて、沿海域戦闘艦“ガブリエル・ギフォーズ”が11月20日に、南シナ海南沙(スプラトリー)諸島のミスチーフ礁の12海里(約22キロメーター)内を航行したことを明らかにした。
同報道官によれば、同海域の自由な権利関係や国際法に則った海及び空の航行の自由を再確認するため、“航行の自由作戦”を実施したとした。...
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11月22日付米
『ロイター通信』:「米軍艦が再び南シナ海の中国主張領海内を航行したと中国が反発」
米軍第7艦隊の報道官レアン・モムセン司令官は11月21日、『ロイター通信』のインタビューに答えて、沿海域戦闘艦“ガブリエル・ギフォーズ”が11月20日に、南シナ海南沙(スプラトリー)諸島のミスチーフ礁の12海里(約22キロメーター)内を航行したことを明らかにした。
同報道官によれば、同海域の自由な権利関係や国際法に則った海及び空の航行の自由を再確認するため、“航行の自由作戦”を実施したとした。
更に同報道官は、同様の理由で駆逐艦“ウェイン・マイヤー”が11月21日に、西沙(パラセル)諸島内を航行したとも言及した。
中国国防部は11月22日、これら米軍艦の中国主権領海内航行を承知しており、領海から退去するまで追尾したと表明した。
更に、中国人民解放軍(PLA)南部戦区報道官は、米軍に対して不測の事態を避けるためにも、かかる無謀な挑発は止めるべきだとの声明を発表した。
なお、今週初め、バンコク(タイ)で開催された東南アジア国防相会議の機会を捉えて、マーク・エスパー国防長官と魏鳳和(ウェイ・フォンホー)国防部長が会談している。
ただ、エスパー長官が、中国は自国主張を強制かつ脅迫を以て押し通そうとしていると非難すれば、魏部長の方は、南シナ海で軍事力をひけらかして無用な挑発をすることを即刻止めるべきだと反論したに留まり、何ら両国間関係の改善はみられなかった。
同日付中国『チャイナ・デイリィ』:「中国領海内侵入の米軍艦に非難声明」
PLA南部戦区報道官の李華民(リー・ホァミン)上級大佐は11月22日、2隻の米軍艦が立て続けに南沙諸島及び西沙諸島の中国領海内を、中国政府の許可なく航行したとして厳重に抗議したと表明した。
同報道官はまた、米軍艦を戦闘機及び軍艦でそれぞれ追尾し、領海から即座に立ち去るよう警告したとも付言した。
米軍はこれまで何度も南シナ海において、中国主権を脅かす行為を実施しており、その度に中国側は、無用な衝突を回避するためにも挑発行為を慎むよう求めている。
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