新型コロナウィルス;初期段階で重大感染症と突き止めた湖北省医師が中国政府を擁護【米・中国メディア】(2020/04/21)
猛威を振るう新型コロナウィルス(COVID-19)については、米国を筆頭に、初期段階での中国政府及び世界保健機関(WHO)の対応のまずさが感染流行をもたらしたと責任追及している。これに対して中国側は、問題が深刻化している国々への医療品等の提供、また、医療従事者の派遣等で追及の矛先を逸らそうとしている。そしてこの程、最初にCOVID-19の危険性について警鐘を鳴らした武漢市の呼吸器専門医(後に省政府から勲功賞受賞)が、初期段階からの地元政府や中央政府保健局の対応について称賛していると中国メディアが報じた。ただ、最初に警鐘を鳴らして懲罰を受けた医師(後に死亡)や、担当病院の隠蔽を告発した医師が所在不明になっていること等から、当該呼吸器専門医の証言をどこまで信じてよいか疑問は残る。
4月20日付
『ニューズウィーク』誌:「COVID-19の危険性を最初に発信した武漢市専門医、初期段階での政府の対応は“大変迅速”だったと擁護」
COVID-19に関し、国際社会が中国当局の隠蔽等について非難の声を上げているが、最初に同ウィルスの危険性について警鐘を鳴らした地元医師が、初期段階からの政府関係者の対応に問題はなかったと擁護する発言をしている。
湖北省立中国・西洋医療統合病院の呼吸器専門の張集賢(チャン・シーチャン)医師が、中国国営メディア『CGTN(中央テレビ国際版)』の4月18日番組でコメントしたもので、12月26日の段階でCOVID-19の危険性を疑って関係当局にはたらきかけた同医師は、初期段階での地元政府関係者の対応は迅速だったと証言した。...
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4月20日付
『ニューズウィーク』誌:「COVID-19の危険性を最初に発信した武漢市専門医、初期段階での政府の対応は“大変迅速”だったと擁護」
COVID-19に関し、国際社会が中国当局の隠蔽等について非難の声を上げているが、最初に同ウィルスの危険性について警鐘を鳴らした地元医師が、初期段階からの政府関係者の対応に問題はなかったと擁護する発言をしている。
湖北省立中国・西洋医療統合病院の呼吸器専門の張集賢(チャン・シーチャン)医師が、中国国営メディア『CGTN(中央テレビ国際版)』の4月18日番組でコメントしたもので、12月26日の段階でCOVID-19の危険性を疑って関係当局にはたらきかけた同医師は、初期段階での地元政府関係者の対応は迅速だったと証言した。
同医師は、診断した患者の病状から重い感染症を疑い、武漢疾病予防管理センターに事態報告したところ、即座に調査チームが12月27~29日に派遣され、集団感染の可能性等につき綿密な調査が始められたと言及した。
国際社会から、初期段階での中国当局の隠蔽等の嫌疑がかけられている件について、同医師は、患者の病状、ウィルスの特定、感染の度合等々、詳細な知見が得られる前に、悪戯に公表することは、必ずしも適当ではないとも付言している。
更に同医師は、2003年時に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)の際も担当したが、“今回のCOVID-19について、初めはここまで感染力が強く、あっという間に感染流行となるウィルスだとは思いもしなかった”とも証言している。
なお、武漢市がCOVID-19による死者数を少なく報告していると国際社会から非難されていたためか、同市当局は先週、死者数を50%も上積みした数値を公表した。
また、ドナルド・トランプ大統領およびマイク・ポンペオ国務長官が、中国当局の透明性に欠ける対応を非難し、その結果世界流行をもたらしたと責任追及しているが、中国国営メディアも当局高官も、米国こそが自身の流行食い止めに失敗した責任逃れをしていると反論している。
一方、同日付中国『チャイナ・デイリィ』:「中国は根拠のない非難で国際社会に誤解されることを望まず」
中国はCOVID-19に関し、米国が目下悲惨な目に遭っていることを十分理解し、同情もしている。
従って、中国での感染再燃の恐れや医療用品の国内での必要性が高いにも拘らず、米国はもとより世界の国々へ、できる限り支援の手を差し伸べようと努めている。
かかる状況下、中国としては、根拠のない誹謗中傷によって、国際社会に誤解されることがないよう切望する。
今は、政治闘争とか誰かに責任転嫁をする場合ではなく、国際社会が一致してCOVID-19根絶に向けて協同すべきときである。
従って、COVID-19が中国で最初に見つかったからと言って、中国発症だと決めつけるべきではなく、あくまでも、科学的調査の結果に委ねるべきである。
今日現在、COVID-19がどこから来たのか、科学的研究による結論は出ていない。
にも拘らず、“中国ウィルス”と、全く不適切な呼称が用いられることは容認できない。
例えば、AIDS(後天性免疫不全症候群、1981年以降に流行)が初めて米国で報告された際、“米国エイズ”と呼んだ人はいるだろうか?
また、H1N1ウィルス(豚インフルエンザ)が2009年に北米で発症し、世界流行になった際、“米国ウィルス”と呼ばれただろうか?
今年になって、米国におけるインフルエンザの感染率及び死亡率は大変高かった。
従って、世界のメディアは、米国においてはインフルエンザとCOVID-19の違いをよく理解されていないのではとの疑問の声を上げていた。
また、『ニューヨーク・タイムズ』紙の4月8日報道によると、2月中旬頃にニューヨークで流行していたウィルスは、遺伝子分析の結果、欧州由来のものだとされている。
以上より、今は誰かをヒステリックに責めるのではなく、多くの人の命を救うために世界がひとつになって、COVID-19根絶に最善を尽くすべきときである。
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ロシア出稼ぎ中の中国人労働者、国境封鎖のため帰国できず、自主隔離してロシア人からのウィルス感染防衛に苦心【米・中国メディア】(2020/04/18)
新型コロナウィルス感染流行に関し、かつてロシアは、世界最大の国土を有し、また、ウィルス禍発症地の中国と長い国境で接しているにも拘らず、欧州他国に比べて感染者が異常に少なかった。しかし、検査が不適当とか隠蔽体質等と非難されたためか、直近の日本同様、日々の新たな感染者が急増している。そこで、自国内の感染は抑えられたと宣言している中国は、感染の逆輸入は許すまじと、ロシアとの国境封鎖に踏み切った。そのため、帰国できなくなったロシア出稼ぎ中の中国人たちが、感染防衛のための自主隔離に入っている。それは、武漢方式と言われる隔離対策で、情報に疎く危機感に乏しいロシア人住民からウィルスを移されないようにと、集合住宅の敷地から一歩も出ないという徹底したものである。
4月17日付米
『ロイター通信』:「ロシア在住中国人、多くは帰国したものの、逃げ遅れた中国人はウィルス感染に怯えながら自主隔離」
ロシアにおいて、直近の新型コロナウィルス感染流行の拡大はすさまじい。
そこで、現地在住の中国人の多くは帰国の途についた。
しかし、帰国の機会を逃した中国人は、例えば『ロイター通信』が電話インタビューした、ロシア極東ハバロフスクで衣料品商を営む男性(50歳)は、徹底した自主隔離でウィルス感染に備えているという。...
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4月17日付米
『ロイター通信』:「ロシア在住中国人、多くは帰国したものの、逃げ遅れた中国人はウィルス感染に怯えながら自主隔離」
ロシアにおいて、直近の新型コロナウィルス感染流行の拡大はすさまじい。
そこで、現地在住の中国人の多くは帰国の途についた。
しかし、帰国の機会を逃した中国人は、例えば『ロイター通信』が電話インタビューした、ロシア極東ハバロフスクで衣料品商を営む男性(50歳)は、徹底した自主隔離でウィルス感染に備えているという。
中国東北部の綏芬河(ソイフェンホー、黒竜江省東端)出身の同氏は、中国人オーナーの集合住宅に住んでいるが、4月1日以降、およそ500人の中国人住民とともに率先して自主隔離しているという。
武漢方式と言われる隔離対策で、集合住宅敷地内からは一歩も外に出ないという徹底ぶりで、必要品はインターネット注文で取得し、それ以外の物資は中国人オーナーがまとめて発注し、各戸の玄関に配達してもらい、また、運動不足解消のためには、ソーシャルディスタンスを保ちながら駐車場内を散策するというものである。
この背景には、中国政府が、海外からの帰国者による感染持ち込みを防ぐ措置として、特にロシアでの感染拡大を懸念して、4月以降ロシアとの国境を封鎖し、また、航空便の往来も差し止められたために、帰国する機会を失ってしまったことと、更には、国外はもとより国内の情報も十分知らされていないと思われるロシア人住民が、ほとんど危機感を持たずにマスクなし外出、ハグ、キス等々を繰り返しているため、それら地元住民からウィルスを移されることを避けるためでもあるという。
なお、衣料品商の男性によれば、ハバロフスク市当局からは一切コンタクトはなく、現地の中国領事館から訪ねてきてくれる領事館員に頼っていると証言している。
一方、ロシア国内在住の中国人約15万人のほとんどは、国境封鎖前に帰国の途についている。
そのうちの一人、ロシア北西サンクトペテルブルグでツアーガイドをしていた女性(33歳)は、『ロイター通信』の電話インタビューに答えて、3月末、ロシア国内での感染拡大による医療崩壊を懸念して、同市からノボシビルスク経由ウラジオストックまで空路移動した上で、他の中国人とともに3時間かけて綏芬河までバス移動したという。
職業柄、何度も旅行・移動していた彼女としても、このときばかりは、国境の“中国税関”の看板を見て初めて歓喜したという。
そして綏芬河市内のホテルで14日間の隔離、検疫検査で陰性の結果を得た上で、故郷の中国南西部成都(チェンドゥ、四川省)に戻っている。
なお、ロシアでは4月16日現在、一日で3,448人の感染者が確認されて合計2万7,938人まで膨れ上がっている(編注;4月17日には更に4,070人増えて3万2,008人となっている)。
中国国営メディア『環球時報』(中国政府宣伝媒体『人民日報』子会社)は、ロシアが新型コロナウィルス感染食い止めに失敗したと報じたが、ロシア大統領府のドミートリィ・ペスコフ報道官は4月15日、“根拠のない批判には全く同意できない”と表明している。
一方、同日付中国『チャイナ・デイリィ』:「習国家主席、ロシア支援を約束」
習近平(シー・チンピン)国家主席は4月16日夜、ウラジーミル・プーチン大統領と電話会談し、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、ロシア向けに医療用品等を提供すると表明した。
同主席は、ウィルス禍の初期段階で、中国が最も困難な状況にあった際、ロシアが常に支援してくれていたことは忘れないと言及した。
また、同主席は、ロシア在住の中国人に対するロシア政府の支援に感謝するとも付言した。
なお、会談で両首脳は、ウィルス禍を政治利用する動きに対して、共同して断固として立ち向かっていくことで同意した。
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