日本最大手・世界第4位の王子製紙(1910年創業)がこの程、少子高齢化社会に即応して自社製品の紙オムツを乳幼児用から高齢者用に切り替えることになった、と英国メディアが速報している。
3月27日付英国
『ジ・インディペンデント』紙、
『BBCニュース』は、王子製紙が少子高齢化社会に即応して乳幼児用から高齢者用紙オムツ生産に転換することになったと速報している。
日本は先進国の中で、少子高齢化が最も早く進んでいる。
具体的には、政府公表データによると、2023年の出生数は75万8,631人と、データの残る1899年以来初めて80万人を下回った2022年(76万6千人)より更に▼5.1%減少し、最低値を更新した。...
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3月27日付英国
『ジ・インディペンデント』紙、
『BBCニュース』は、王子製紙が少子高齢化社会に即応して乳幼児用から高齢者用紙オムツ生産に転換することになったと速報している。
日本は先進国の中で、少子高齢化が最も早く進んでいる。
具体的には、政府公表データによると、2023年の出生数は75万8,631人と、データの残る1899年以来初めて80万人を下回った2022年(76万6千人)より更に▼5.1%減少し、最低値を更新した。
1970年代に約200万人で推移していたものの、以降は減少の一途を辿ってきている。
この結果、『NHK』報道によると、現在の総人口1億2,500万人のうち、15歳以下は僅か12%弱となっている一方、65歳以上の高齢者は約30%になっているという。
更に、人口減少が続くとみられていて、2065年までには総人口が約8,800万人と、45年間で30%も減少すると予想されている。
かかる背景もあって、王子製紙は3月27日、今年の9月を以て乳幼児用紙オムツ生産を止め、高齢者用紙オムツ生産に切り替えることにしたと発表した。
同社によると、2001年に最高7億枚を売り上げた乳幼児用紙オムツは現在4億枚まで大幅減少しているという。
同社広報担当は、“乳幼児用紙オムツの需要は、出生率の大幅減少と相俟って大きく減少している”とし、“今後は需要増が見込める高齢者用紙オムツ生産に切り替え、介護施設・老人ホーム他の公共施設向け供給に注力していく”と言及した。
なお、同社が工場を保有するマレーシア及びインドネシアでは、乳幼児用紙オムツの需要が底堅いため、現地生産を継続するとしている。
(参考;日本衛生材料工業連合会集計データによると、日本全体では、乳幼児用紙オムツは2017年の159億6,300万枚から減少を続け、2022年には99億7,600万枚と、直近10年で40%近くも減少。一方、大人用は右肩上がりで増加して2022年には20億600万枚と、直近10年で1.5倍強の生産量)
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政府は昨年12月、「防衛装備移転三原則と運用指針の改正」(注1後記)を行った。その勢いを駆ってか、国際協力機構(JICA、注2後記)が、東南アジア諸国連合(ASEAN、1967年設立)のうち中国と領有権問題を抱える4ヵ国向けに、向こう十年で無人機やレーダーシステム等の防衛装備品を提供する計画を策定していると米メディアが報じている。
2月15日付
『ラジオ・フリー・アジア(RFA)』(1996年開局の短波ラジオ局、米議会出資)は、日本がASEAN 4ヵ国に対して、中国対峙のための海上安全保障支援を行うと報じている。
『NHK』等の報道によると、JICAがASEAN加盟国のインドネシア・マレーシア・フィリピン・ベトナムに対して、向こう十年にわたって南シナ海における海上安全保障強化のための支援計画を策定しているという。
上記4ヵ国はいずれも、南シナ海において中国との間で領有権問題を抱えていることから、東シナ海で同様の問題を抱える日本にとって、中国対抗という共通認識があり、かつ、日本としては最優先順位の協定先と考えられている。...
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2月15日付
『ラジオ・フリー・アジア(RFA)』(1996年開局の短波ラジオ局、米議会出資)は、日本がASEAN 4ヵ国に対して、中国対峙のための海上安全保障支援を行うと報じている。
『NHK』等の報道によると、JICAがASEAN加盟国のインドネシア・マレーシア・フィリピン・ベトナムに対して、向こう十年にわたって南シナ海における海上安全保障強化のための支援計画を策定しているという。
上記4ヵ国はいずれも、南シナ海において中国との間で領有権問題を抱えていることから、東シナ海で同様の問題を抱える日本にとって、中国対抗という共通認識があり、かつ、日本としては最優先順位の協定先と考えられている。
支援の具体案としては、無人機・レーダーシステム・監視船及びその他防衛機能機器の提供とされている。
JICAが策定している支援計画は来年3月には明らかにされる見込みで、その調査・検討の一環で、先月にはフィピンとインドネシアに専門家等を派遣しており、また4月にはマレーシアとベトナムにも派遣する予定である。
かかる報道に関し、国際基督教大学(1953年設立の私立大)教養学部のスティーブン・ナギ教授は『RFA』のインタビューに答えて、“日本は、南シナ海における安全保障を強化する一環で、これらの国々に船舶の提供、防衛機能強化や訓練等を今後も継続していこう”とコメントした。
同教授は更に、“日本の防衛重視の自衛アプローチと日米同盟の重視は、南シナ海でより強い地位を持てるよう、東南アジア諸国の能力を個別に強化する方が良いと日本政府が考えていることを意味する”とも分析している。
また、米NGO国際危機グループ(1995年設立)アジア担当のフォン・レトゥ副局長は、“ASEAN加盟国から最も信頼の高い日本は、同地域における安全保障分野で更に重要な役割を担おうとしている”とコメントしている。
なお、日本はこれまで、上記4ヵ国と以下のような提携を行っている。
● フィリピン
・岸田文雄首相(66歳、2021年就任)が昨年11月に訪比した際、6億円(400万ドル)相当の沿岸監視レーダー設備を提供することで合意。
● マレーシア
・昨年12月に東京で開催された日本・ASEAN交流50周年記念サミットにアンワル・イブラヒム首相(76歳、2022年就任)が出席した際、4億円(260万ドル)相当の海洋装備品・救助船の提供を記した安全保障支援協定に署名。
・更に、両国関係を包括的戦略パートナーシップに格上げ。
● インドネシア
・90億5千万円(6,020万ドル)相当の日本製大型巡視船をインドネシア沿岸警備隊に供与することを記した覚書を締結。
● ベトナム
・2020年に、6隻の海上巡視船を建造するための資金3億4,800万ドル(約522億円)を融資することで合意。
・昨年には、両国関係を包括的戦略パートナーシップに格上げ。
(注1)防衛装備移転三原則と運用指針の改正:以下6項目について改正-①ライセンス生産の装備品・完成品の輸出、②戦闘機のエンジン・翼等の輸出、③5類型(救難・輸送・警戒・監視・掃海)ならば条件付きで殺傷能力のある武器を搭載しての輸出、④ウクライナ以外でも侵略受ける国向けへの防弾チョッキ等の輸出、⑤他国と共同開発の装備品・維持整備の部品や技術の第三国への輸出、⑥民間の装備品修理について米軍以外の装備品も対象。
(注2)JICA:外務省所管の独立行政法人で、1974年前身設立(2003年、国際協力事業団から改称)。日本国政府の政府開発援助を執行する実施機関として、対象地域や対象国、開発援助の課題などについての調査や研究、JICAが行う政府開発援助事業(ODA)の計画策定、国際協力の現場での活動を行う人材の確保や派遣、事業管理、事業評価などの役割を担う。
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