10月8日付米
『ジ・エポック・タイムズ』(
『AP通信』記事引用):「フィリピン、南シナ海での米国との合同パトロール中止を公表」
「●フィリピンのデルフィン・ロレンザーナ国防相は10月7日、南シナ海における米軍との合同パトロールも共同軍事演習も中断する考えであると米国側に通知したと公表。
●更に同相は、同国南部のイスラム過激派の監視活動のために駐留している米兵107人も、フィリピン軍側で体制が整い次第、帰国してもらう考えであるとも通知。
●また、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領は同日、米依存度を見直す一環で、毎年米軍と28回も実施している共同軍事演習も、今行われている訓練を以て最後として、自身が大統領任期中の今後6年間は実施しないと表明。
●米国務省のジョン・カービー報道官は、フィリピン政府から何ら正式な連絡を受けていないが、仮にかかる話が本当になると、米政府の意に反して、米比関係の終焉を迎えかねないと懸念表明。」
同日付米
『AP通信』:「ドゥテルテ氏就任100日間でのお騒がせ発言、行動」
「●ドゥテルテ大統領就任後100日が経過したが、同大統領による麻薬犯罪撲滅のための超法規的措置(容疑者殺害許可)を非難したバラク・オバマ大統領、欧州連合(EU)、その他代表に対して真っ向から反発。
●更に、これまで65年間も継続してきた米比同盟関係を解消し、中ロとの連携に重点を移すとの考えを表明。」
同日付英
『メール・オンライン』(
『ロイター通信』記事引用):「フィリピン財務相、米国よりも中国からの投資誘致に注力と発言」
「●カルロス・ドミンゲス財務相は10月8日、ドゥテルテ大統領は、これまでの対中国政策を見直し、今後数ヵ月内に数十億ドル(数千億円)のインフラ投資を中国から誘致すべく対応していく考えであると明言。
●すなわち、同大統領が10月19~21日の初の訪中の際、マニラ~南農村部間を結ぶ鉄道建設、発電事業等の開発計画について、中国側と協議する予定。
●また同相は、国際通貨基金(IMF)の発表では、フィリピンの経済成長率は、2016年6.4%、2017年6.7%と高い水準にあり、海外からの投資先として“黄金の時期”を迎えている国として魅力があるはずともコメント。
●一方、米格付け会社スタンダード&プアーズは先月、ドゥテルテ新大統領の内政や外交手腕が不明瞭かつ未知数であるため、今後2年間での格付け上方修正は難しいと表明。」
同日付ロシア
『RT(ロシア・トゥデイ)』テレビニュース:「フィリピンのドゥテルテ大統領、米国に対して“フィリピンを玄関マットのように粗末に扱うな”とクレーム」
「●ドゥテルテ大統領は今週初め、オバマ大統領のような愚か者は地獄に落ちろ、と暴言を吐いていたが、10月8日には、自身が大統領任期中は、フィリピンを玄関マットのように粗末に扱わせないし、また、今後米国とは話すつもりはなく、中国訪問を繰り返すとも発言。
●一方、米軍との合同パトロール中止や、フィリピン駐留米兵の撤退の考えを米側に通知したとするロレンザーナ国防相は、米側から得られなくなる5,000万~1億ドル(約52~103億円)の防衛費補助については、フィリピン国会に捻出するよう求めることになると表明。」
同日付中国
『中央テレビ』:「フィリピン、南シナ海における米軍との合同演習・パトロー
ルを中止と発表」
「●ドゥテルテ大統領がこれまでほのめかしていたとおり、フィリピンはこの程、南シナ海における米軍との合同演習やパトロールを中止する旨米側に正式通知。
●米比両軍は現在、中国海南(ハイナン)島250キロメーター沖のザンベール州北西部で合同上陸作戦訓練を展開中であるが、同大統領はこれが最後になると表明。」
一方、10月9日付フィリピン
『マニラ・タイムズ』紙:「ドゥテルテ氏、米CIAを名指し
で挑発」
「●ドゥテルテ大統領はダバオ市で10月7日に行った演説で、米国がフィリピンを玄関マットのように粗末に扱わせることはもとより、米中央情報局(CIA)を使って自分を追放させることも許さないと挑発。
●同大統領は9月にも、CIAに命を狙われているとも発言。
●更に同大統領は、自身の麻薬犯罪撲滅政策を批判している米大統領、国連事務総長、EU代表らに、余計な口出しはしないよう警告の書簡を送ったとも表明。」
10月下旬に来日予定のドゥテルテ大統領に対して、対中政策の一環で巡視船などを提供し
ている日本としては、難解な同大統領取扱説明書をどう読み解いて対応していくことにな
るのか、非常に注目されるところである。
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【時流】及びGlobal iで詳報されているとおり、日米を中心として、G7伊勢志摩サミット、シンガポール・ダイアローグ(アジア安全保障会議、更に、米中戦略・経済対話を通じて、中国の南シナ海における海洋活動について集中砲火を浴びられた腹いせか、中国はここへきて、フィリピンに国際仲裁裁判所(PCA)提訴取り下げを強要し、米軍偵察機には戦闘機をニアミスさせ、更に、東シナ海尖閣諸島に軍艦を派遣と、立て続けに逆襲に出ている。
6月8日付米
『ジ・エポック・タイムズ』オンラインニュース:「米国、中国戦闘機が米軍機の飛行妨害と非難」
「・米国太平洋軍司令官は6月7日、中国人民解放軍の戦闘機“成都(チョンドゥ)J-10”2機が、東シナ海の国際空域を飛行中の米軍偵察機“RC-135”の進路を妨害したと発表。
・今年5月に続いて2度目のニアミスで、昨年に米中も署名した“海上衝突回避規範(CUES)”に違反するものと非難。」
同日付英
『UKニュース』:「東シナ海上空で、中国戦闘機が米軍機に“危険な”異常接近」
「・米国太平洋軍司令官が、国防総省から中国に対し、外交・軍事上チャネル経由厳重に抗議したと発表。
・これに対して中国国防部は、調査中としながらも、米国は事態をいつも大袈裟にしようと画策していると反論。」
一方、同日付ロシア
『スプートニク・インターナショナル』オンラインニュース:「中国、
南シナ海に最新鋭の深海研究所を建設計画」
「・中国は南シナ海に様々な設備を建設中だが、6月7日の情報では、深海探査等に資するための深海研究所を建設する計画。
・深度9,800フィート(約2,900メーター)に構える予定で、未開発の深海資源の探査、採掘等に当る。
・中国社会科学院の東南アジア地域担当の徐(シュウ)主任研究員は、他国を標的とするものでなく、あくまで民生用の施設であり、他国が深海研究に同様の設備を保有していることと変わりないと説明。」
また、6月10日付フィリピン
『ザ・マニラ・タイムズ』:「(中国の)灯台が領有権争いのある諸島に建設」
「・中国国営メディア
『新華社通信』は6月6日、中国がミスチーフ礁とファイアリークロス礁に築いた人工島の上に、今年中にそれぞれ1基ずつ灯台を建設すると発表。
・この発表は、6月10日から沖縄東方で開催される、日米インドの合同演習に先駆けたもので、中国側の抵抗の表れ。
・なお、両礁は中国が軍事拠点化の中心と位置付け、滑走路を建設済みで、また、ファイアリークロス礁には、最新鋭設備が整った病院も建設中。」
一方、同日付中国
『新華社通信』:「駐米中国大使館、南シナ海に関わるウォール・ストリート・ジャーナル社説を非難」
「・駐米中国大使館の朱海権(チュー・ハイクァン)報道官は6月9日、
『ウォール・ストリート・ジャーナル』の社説は“無謀で憂慮すべきもの”とする書簡を同紙に送付。
・同紙の6月3日社説では、米軍がしばしば航行の自由作戦に基づき軍艦等を南シナ海に派遣しているのは、中国がフィリピン提訴のPCA裁定を拒否するとしているためで、必要な行為と主張。
・中国側は、フィリピンによる一方的なPCA提訴であることから拒否しているもので、また、南シナ海の中国の主権は国連海洋法条約(UNCLOS)発効以前の権利であり、UNCLOSの取決めが許容する範囲内で活動しているものと主張。
・更に、米軍の航行の自由作戦は南シナ海の安定を反って損なうものと反論。」
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