米国:共和党やトランプ大統領候補に相反しメラニア夫人は中絶支持を表明(2024/10/04)
米大統領選挙の共和党候補ドナルド・トランプ氏の妻メラニア夫人が、出版予定の回想録で、共和党の立場に反して中絶の権利への支持を示しているという。米国では圧倒的多数が中絶権利を支持しているとされる中、発言の影響力が注目されている。
10月4日付
『ロイター通信』:「メラニア夫人、ドナルド・トランプ氏に反して中絶権利支持表明」:
ドナルド・トランプ米大統領候補の夫人メラニア・トランプ氏は3日、動画を通じて、女性の「個人の自由」の権利に「妥協の余地はない」とのメッセージを発信した。これは共和党の大統領候補であるトランプ氏が掲げる中絶の権利に対する立場に相反する主張となる。
11月5日の総選挙を前に、中絶問題は女性票獲得への大きな障害となる争点で、トランプ候補と副大統領候補のバンス上院議員が、共和党の強硬な反対姿勢を和らげようとしている中での表明となる。...
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10月4日付
『ロイター通信』:「メラニア夫人、ドナルド・トランプ氏に反して中絶権利支持表明」:
ドナルド・トランプ米大統領候補の夫人メラニア・トランプ氏は3日、動画を通じて、女性の「個人の自由」の権利に「妥協の余地はない」とのメッセージを発信した。これは共和党の大統領候補であるトランプ氏が掲げる中絶の権利に対する立場に相反する主張となる。
11月5日の総選挙を前に、中絶問題は女性票獲得への大きな障害となる争点で、トランプ候補と副大統領候補のバンス上院議員が、共和党の強硬な反対姿勢を和らげようとしている中での表明となる。
来週発売される回顧録の宣伝で「X」に投稿された動画で、「個人の自由が基本的原則であると私は信じており、間違いなく、個人の自由である女性の出産はすべての女性の基本的権利であることに妥協の余地はない」等と述べている。
元モデルで前ファーストレディだったメラニア夫人は、現選挙陣営には殆ど参加せず、以前にも度々謎めいた声明を発表している。2018年の国境視察時には「私にはどうでもいい」とのスローガンが書かれたジャケットを着ていたがそれについての説明もなかった。
しかし今回報じられた回顧録の抜粋では、中絶の権利への立場をやや明確に表明しており、本には「個人の自由という女性の基本的権利により、女性は希望すれば妊娠を終わらせる権利を持っている」と書かれているという。
トランプ氏は、夫人と相談しこの問題について「例外を許さない人もいれば、別の見方をする人もいる」ので「メラニア氏の思いに従って書くように」と述べたという。
トランプ氏は2022年、中絶権判例を覆すきっかけとなった3名の最高裁判事を任命しているが、今年共和党予備選に勝利してからはやや中立的立場を取っている。各州に規制する自由があると主張し、先月の集会では、自身が大統領に選出されれば女性は「中絶についてこれ以上悩まなくていいだろう」とも発言している。
民主党のカマラ・ハリス候補は、中絶支持を強調しており、憲法上の権利復活を公言している。米国の世論調査では常に国民の大半が中絶権利を支持しているとされる。
10月3日付英『Guardian』:「メラニア氏、突然の中絶権容認の意図は?」:
メラニア・トランプ夫人が中絶の権利を支持しているとするニュースは、衝撃と困惑をもって受け止められている。
ドナルド・トランプ候補が、有権者へ中絶権を守るとの説得を続ける中の夫人による支持表明となった。夫人の支持は吉と出るかのか否か。メラニア氏の啓示は、ハリス氏への投票に二の足を踏みつつも、中絶の権利には賛成しており、まだ誰に投票するか決めていない有権者を説得させるものだとも考えられる。
一方、中絶の権利に関し20年以上世論調査を行ってきたTresa Undem氏は、訴求効果は非常に小さいとする。夫人の個人的意見にかかわらず、トランプ候補の政策を覆すような大きな影響はないと考えられる。最高裁判例が変わる訳でもなく、トランプ氏とメラニア夫人の関係があまり好ましくないというのも良い影響を与えないとする。
メラニア氏の中絶支持表明は、トランプ氏の忠実な支持層である中絶反対派の反感を買うものであったとみられ、トランプ氏が中絶支持を匂わせることにも既に抵抗は生じていた。
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環境活動家の犠牲者は南米最多(2024/09/10)
世界では、天然資源採取産業や森林破壊、汚染、土地の横領を暴こうとする人々が暴力や脅迫にあっており、特に、気候変動への反対活動で中心的な先住民族が標的となることが年々増えているという。
9月10日付
『Yahooニュース』(AFP通信):「2023年、土地・環境保護活動家約200人が犠牲に」:
10日、NGO監視機関グローバル・ウィットネスが発表した報告書によると、2023年に世界の土地や環境保護活動家で殺害された人はおよそ200人となり、コロンビアで前年同様最多となったという。
南米は、昨年196人と全体の85%を占めており、活動家にとって最も危険な地域で、大半は、コロンビア、ブラジル、ホンジュラス、メキシコに集中している。...
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9月10日付
『Yahooニュース』(AFP通信):「2023年、土地・環境保護活動家約200人が犠牲に」:
10日、NGO監視機関グローバル・ウィットネスが発表した報告書によると、2023年に世界の土地や環境保護活動家で殺害された人はおよそ200人となり、コロンビアで前年同様最多となったという。
南米は、昨年196人と全体の85%を占めており、活動家にとって最も危険な地域で、大半は、コロンビア、ブラジル、ホンジュラス、メキシコに集中している。
コロンビアでは、1カ国としては2012年の統計開始以来最多となる79人の殺人が報告されている。今年、生物多様性条約を議論するCOP16会議の開催国となっているコロンビアでは、人権活動家に対する暴力や社会主義指導者が増加しているという。また、ホンジュラスでの犠牲者は18人で、人口に対する割合で最も高くなっている。
アジアをみると、17人でフィリピンが引き続き最も危険な国となっている。また、アジア地域では誘拐が増加傾向にある。
アフリカでの犠牲者は4人と少ないが、情報が正確でない可能性もあるため、実際の数はもっと多いとみられる。
その他の地域では、政府や企業が環境活動の抑制をねらい法を悪用する場合も増えており、英国や米国の法がEU諸国での抗議活動に「極めて厳しい監視レベル」を敷く可能性も指摘されている。
同日付英『Guardian』:「昨年、環境抗議で約200人の犠牲」:
南米は、鉱山の採掘や森林伐採からエコシステムを守る活動による死者数が最も多い地域となっている。
NGOグローバルウィットネスによる最新の統計によると、昨年の環境活動家の死者数は少なくとも196人で、コロンビアが3分の1以上を占めているという。鉱山プロジェクトに反対する活動家らが、犯罪組織に標的とされ、2023年には環境保護活動家は、2日に1人殺害されたこととなる。土地・環境を守る活動による犠牲者は、コロンビア、ブラジル、メキシコ、ホンジュラスが最も多く世界の70%を占めていた。
しばしば殺人の直接的犯人を挙げるのは難しい場合もあるという。統計によると、昨年では、鉱山関係が最も大きな要因で、25人の死者が出ているという。死亡者の43%は先住民で、約90%は男性だった。2012年のグローバルウィットネスによる統計開始以来延べ2106人となる。
コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領は、環境活動家への暴力に対する取り締まりを表明しているが、同国では麻薬密輸やコカ栽培問題が横行しており、統計をみると効果はこれまで現れていないようである。
グローバルウィットネスは、コロンビアに対し、10月コロンビアのカリで開催されるCOP16生物多様性サミットで、環境活動家の保護を重視するよう求めている。
昨年ブラジルでは死者が前年の34人から25人に減少した。犠牲者の半数以上は先住民族で、ボルソナロ元大統領政権下でピークとなっていた。
アジアで最も多いのはフィリピンで17人、インドが5人、インドネシアが3人だった。殺人以外に、環境活動家の失踪や誘拐も多く報告されている。
世界のどこでも、天然資源採取産業や森林破壊、汚染、土地の横領を暴こうとする人々が暴力や脅迫にあっており、特に、気候変動への反対活動で中心的な先住民族が標的となることが年々増えているという。
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