米議事堂乱入事件の重要容疑者である元警察官に有罪判決【欧米メディア】(2022/08/13)
既報どおり、昨年1月6日発生の米議事堂乱入事件の容疑者は770人余りに上り、有罪判決が下された230人のうち、禁固刑は127人で他は微罪とされている。そしてこの程、重要容疑者とされていたバージニア州警察の元警察官に対して、懲役7年3ヵ月の有罪判決が下されている。
8月12日付
『ロイター通信』は、「元警察官、米議事堂乱入事件の主導的役割を演じたと認定されて7年超の禁固刑」と題して、バージニア州警察の元警察官が非番の時にワシントンDCに赴き、議事堂乱入事件発生の主導的行動を取ったと認定されて、これまで有罪判決を受けた容疑者の中で最も重い刑が下されたと報じている。
米司法省報道官は8月11日、昨年1月6日に発生した議事堂乱入事件に関わったバージニア州警察の元警察官に対して、7年3ヵ月の禁固刑が科せられたと発表した。...
全部読む
8月12日付
『ロイター通信』は、「元警察官、米議事堂乱入事件の主導的役割を演じたと認定されて7年超の禁固刑」と題して、バージニア州警察の元警察官が非番の時にワシントンDCに赴き、議事堂乱入事件発生の主導的行動を取ったと認定されて、これまで有罪判決を受けた容疑者の中で最も重い刑が下されたと報じている。
米司法省報道官は8月11日、昨年1月6日に発生した議事堂乱入事件に関わったバージニア州警察の元警察官に対して、7年3ヵ月の禁固刑が科せられたと発表した。
同州ロッキーマウント署(南西部フランクリン郡)勤務の警察官だったトーマス・ロバートソン被告(49歳、逮捕・起訴後解雇)で、公務執行妨害、犯行全面否認等6件の容疑で訴追されていた。
エリザベス・アロイ連邦検察補佐官は、コロンビア特別区連邦地裁のクリストファー・クーパー裁判官(55歳、2014年就任)に対して、非番だったとは言え警察官でありながら議事堂乱入という重大事件に関わったことを理由に、同被告を懲役8年(同事件容疑者の中で最も重い刑)に処するよう申し立てていた。
今回下された有期刑は、今月初めに極右反政府民兵組織“スリーパーセンターズ”(2008年米・カナダで活動開始)のメンバーだったガイ・ルフィット被告(49歳)に対して下されたのと同刑期となった。
ロバートソン被告の弁護士は、刑期を15ヵ月以下とするよう申し立てていたが、事件発覚後に逮捕・起訴されるまでの間にも、銃の“武器庫”を作るかのように立て続けに銃を購入していたこと等から、情状酌量の余地は全くないと判断されたものとみられる。
連邦捜査局(FBI、1908年設立)が、同被告の自宅からM4ライフル(軍用小銃)や作りかけのパイプ爆弾も押収していた。
また、アロイ検察補佐官は、同被告が1月6日に“暴動発生を予測”して、自身及び議事堂に同行した同僚警官のジェイコブ・フラッカー被告用に、ガスマスク、軍用食料、水、大きなこん棒まで準備していたと糾弾している。
なお、共犯者のフラッカー被告は司法取引に応じて、犯行を全面否認しているロバートソン被告と共謀したことを証言していることから、8月16日に判決が言い渡される直前の審理の際に、アロイ検察補佐官からは、6ヵ月の保護観察処分という減刑申し立てがなされている。
同日付『ニューヨーク・デイリィ・ニュース』は、「1月6日の議事堂乱入事件の重要容疑者の元警察官に7年超の禁固刑」として、これまで裁かれた当該事件の容疑者の中で最長の禁固刑が下ったと報じている。
起訴状によると、ロバートソン被告及びフラッカー被告の2人は、ワシントン記念塔(議事堂の約1.8キロメートル西方)の前でトランプ支持者らの演説を聴いた後、議事堂に向かって行進する集団に加わったという。
同集団は、2020年大統領選におけるジョー・バイデン候補の勝利に関わる議会承認手続きを止めさせようとして、議事堂に乱入する事件を起こした。
その際、同被告らは議事堂警察官等の制止を振り切って、議事堂に乱入して狼藉をはたらいたという。
特に、ロバートソン被告は、議事堂警察官らの公務を妨害するため、大きなこん棒を用いたとする。
更に、同被告は、議事堂乱入前後に動画撮影していた携帯電話を破壊して、証拠隠滅を図ったとされた。
閉じる
中国メディア;米連邦捜査局によるトランプ前大統領私邸の家宅捜索を契機に昨年の議事堂乱入事件同様の暴動発生の恐れと報道【米・中国メディア】(2022/08/12)
米連邦捜査局(FBI、1908年設立)によるドナルド・トランプ前大統領(76歳)のフロリダ州別邸の家宅捜索について、同前大統領はもとより共和党も、今秋の中間選挙を控えての民主党一派による政治的な策謀だと非難している。かかる報道を受けて、中国メディアは、昨年1月6日に発生した米議事堂乱入事件と同様、狂信的なトランプ支持者らによる暴動が再び発生する恐れがあると報じている。
8月10日付米
『ブライトバート』オンラインニュース(2005年設立の保守系メディア)は、「中国メディア、FBIによるトランプ私邸の家宅捜索を契機に昨年1月6日発生の議事堂乱入事件と同様の暴動発生の恐れ、と報道」と題して、世論分断が続く米国において、再び1/6 議事堂乱入事件と同様の暴動発生の恐れがあると、中国国営メディアが報じていると伝えた。
中国国営メディア『環球時報』は8月9日、FBIによるドナルド・トランプ前大統領私邸の家宅捜索を契機にして、昨年1月6日の議事堂乱入事件と同様の暴動が発生する恐れがある、と嬉々として報じている。...
全部読む
8月10日付米
『ブライトバート』オンラインニュース(2005年設立の保守系メディア)は、「中国メディア、FBIによるトランプ私邸の家宅捜索を契機に昨年1月6日発生の議事堂乱入事件と同様の暴動発生の恐れ、と報道」と題して、世論分断が続く米国において、再び1/6 議事堂乱入事件と同様の暴動発生の恐れがあると、中国国営メディアが報じていると伝えた。
中国国営メディア『環球時報』は8月9日、FBIによるドナルド・トランプ前大統領私邸の家宅捜索を契機にして、昨年1月6日の議事堂乱入事件と同様の暴動が発生する恐れがある、と嬉々として報じている。
すなわち、同メディアは、家宅捜索が民主党による政治的策謀によるものだとの非難の声があることに触れて、このような民主主義を米国が中国に押し付けようとしている次第だと、面白おかしく論じている。
同メディアの報道内容は以下である:
●中国専門家やネットユーザーは、米国の民主主義が機能不全に陥っていて、2021年には議事堂乱入事件が発生するという大混乱が生じていることから、今秋の中間選挙を前にして、トランプ前大統領私邸の家宅捜索という前代未聞の事態を契機に、更なる無秩序な大事件が発生するのではないかと注目している。
●バイデン政権は、自国の経済問題が解決できないばかりか、ナンシー・ペロシ下院議長(82歳、2019年就任)による挑発的な台湾訪問によって引き起こされた外交問題でも困窮している。
●国際社会は、米国の問題ある政策が絶望的で錯乱の極みとみていることから、多くの専門家は、トランプ前大統領に対する捜査が行われているにも拘らず、民主党は今秋の中間選挙で大敗すると予測している。
●中国の米国研究専門家は、米国の“与党”は“いつも司法権や法執行機関を武器にして野党勢力を取り締まろうとしている”と分析している。
中国では、絶対的権力者の習近平国家主席(シー・チンピン、69歳)にとって不都合とされた共産党幹部は次々に“汚職罪”に問われ、表舞台から姿を消してしまうという現実がある。
にも拘らず、悲しいかな『環球時報』は中国専門家の分析を引用して、次に共和党が多数党となったら、民主党側を政治的に訴追するという報復手段に出ようから、“終わりなき政党間の争いに明け暮れる”ことによって、米国は“機能不全の国”に留まってしまうだろう、と批評している。
8月9日付中国『環球時報』(1993年設立、中国共産党機関紙『人民日報』傘下の英字紙)は、「FBIによるトランプのフロリダ州別邸の家宅捜索を契機に、米国の政党間闘争が更に悪化して“米国の政治制度は機能不全に”」として、米国の民主主義を揶揄する報道をしている。
米FBIは8月8日、トランプ前大統領が“ホワイトハウスから国家機密文書を勝手に持ち出した”容疑で、同氏のフロリダ州別邸を家宅捜索した。
このニュースを受けて、中国の専門家やネットユーザーは、今秋の中間選挙を前にしての前代未聞の事態を慮り、2021年に議事堂乱入事件が発生する程米国の民主主義は機能不全に陥っていることから、再び無秩序な大混乱が発生するのではないかと危惧している。
中国社会科学院(1977年設立の最高学術機構)の米国研究専門家の呂翔氏(ルー・シャン)は『環球時報』のインタビューに答えて、“民主党勢力は、トランプの議事堂乱入事件への関与の有無、及びトランプ・オーガナイゼーションの税不正問題の2つの事態について調査を進めていたはずだが、これに進展がなかったのか、国家機密文書の不正持ち出しという新たな容疑でトランプを取り調べようとしていることに少々驚いた”と語った。
しかし、同氏は、共和党勢力が2016年の大統領選時に民主党のヒラリー・クリントン候補の電子メール問題を追及したように、今回の民主党勢力のトランプ追及行為は、多分に今秋の中間選挙を睨んでの政治的策謀だと考えられる、とした。
ただ、同氏によると、これが一種の選挙戦術と考えられるのは、追及した政党が選挙で勝利を収めるや否や、当該問題の調査はいつのまにか脇に押しやられ、次回の選挙まで蒸し返されないのが常であるからだ、と分析している。
また、匿名希望の国際関係専門の中国専門家は、米国では両政党間の闘争が激しく、今回のように与党が“司法権及び法的執行機関”を武器に使って、反対政党を取り締まろうとするのが常である、として、この結果、政党間闘争が益々激化することが懸念される、とコメントした。
更に同専門家は、“政党間の闘争が更に激しくなり、ある日突然両党の議員同士が議事堂内で本当に殴り合いを始めることになっても自分は大して驚かないだろう”とも付言している。
閉じる
その他の最新記事