米ハリウッド、AI懸念でゲーム会社にストライキへ(2024/07/26)
全米の映画俳優組合は26日からゲーム会社に対するストライキを開始するという。ゲームのキャラクターを演じる声優らの不利益にならないよう、生成AI(人工知能)からの保護を目的とし交渉している。昨年にもハリウッド俳優らのストライキでAIが争点となっていた。
7月25日付米
『CNN』(ロイター通信):「ハリウッドのゲームパフォーマーがAIや給与をめぐりストへ」:
ビデオゲーム声優やモーションキャプチャー俳優は、AI関連保護を求め交渉が決裂しストライキに入るとしており、ハリウッドでは再び業務が滞るおそれが出ている。
映画俳優組合(SAG-AFTRA)は25日、翌日26日からゲーム業界者の「インタラクティブメディア協定」のストライキを呼びかけるとした。...
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7月25日付米
『CNN』(ロイター通信):「ハリウッドのゲームパフォーマーがAIや給与をめぐりストへ」:
ビデオゲーム声優やモーションキャプチャー俳優は、AI関連保護を求め交渉が決裂しストライキに入るとしており、ハリウッドでは再び業務が滞るおそれが出ている。
映画俳優組合(SAG-AFTRA)は25日、翌日26日からゲーム業界者の「インタラクティブメディア協定」のストライキを呼びかけるとした。
これまで数ヶ月にわたり、アクティビジョン、エレクトロニック・アーツ、エピックゲームズ等、大手ゲーム会社との交渉をおこなってきた。2022年11月協定が期限を迎え月ごとの延長を行ってきた。
昨年7月、映画やテレビ俳優のストではAIに対抗した不適切な安全基準への懸念が注目され、ハリウッドは63年ぶりに組合のストで業務がストップした。
交渉にはAIの搾取に対する保護の他、報酬アップや医療ケア、休暇取得も盛り込まれるという。組合は、インフレに報酬アップが追いついていないとし、キャラクターの動きのためのボディスーツを着用したり、肌にマーカーやセンサーを付けるアクション俳優の安全対策も求めている。
7月26日付『AP通信』:「ゲームパフォーマーがAI懸念をめぐりストへ」:
ハリウッドのゲーム俳優らが25日、ストライキを行うことを発表、AIからの保護をめぐりゲーム大手企業との交渉で、エンタメ業界が再び滞ることとなる。
映画俳優組合にとり二度目となるストライキは26日12:01に開始されるという。ウォルト・ディズニー、ワーナーブラザーズ等、ゲーム業界大手とは約二年交渉を重ねてきた。ゲーム業界での報酬と仕事上の安全対策面での交渉は進んでいるが、生成AI規制を巡って交渉は決裂しているという。
企業側はAIからの保護を提案してはいるのだが、組合側は「パフォーマーの定義」が問題を理解する上で重要だとしている。組合によると、企業側は動作パフォーマンスをする俳優を必ずしもパフォーマーとは捉えておらず、パフォーマーは「データ」として扱われているのだという。そして、妥当な合意や保証無しに、AIに声を真似させることで「デジタルレプリカ」を作成する可能性を指摘する。
昨年、組合員の圧倒的支持を得て、ストライキが決まった。映画企業がAIを利用するのではないかという懸念を発端とし、映画やテレビのストは4ヶ月続いた。2016年10月に始まり、2022年11月に期限切れとなった前回の交渉では、11ヶ月の交渉後、AI関連の保護は盛り込まれなかったが声優や俳優へのボーナス保障が追加された。ハリウッドの二大俳優組合が2012年に合併してから、最も大きな労働争議による停止となった。
交渉合意は、声優、スタント等俳優、コーディネーター、歌手、ダンサー、エキストラ等2500人に適用される。交渉が進む中、2月には独立プロジェクトや低予算のゲームプロジェクトもカバーした別の契約も結ばれた。
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シンガポール港沖でまたしてもタンカー衝突事故【欧米・シンガポールメディア】(2024/07/21)
6月28日付GLOBALi「
過激派フーシ派の紅海航行の商船攻撃の影響によりアジア諸港でコンテナ船異常滞留」で報じたとおり、多くのコンテナ船(原材料・精密部品・食料品・雑貨等の輸送船)が紅海を避けてアフリカ大陸南端喜望峰への大迂回を強いられたことに伴い、シンガポール等のハブ港での小型貨物等への積み替え頻発によるコンテナ船異常滞留が引き起こされている。かかる背景もあってか、シンガポール港沖で、先月に続いてまたしてもタンカー衝突事故が発生してしまっている。
7月19日付
『ロイター通信』、20日付シンガポール
『ザ・ストレーツ・タイムズ』紙は、シンガポール港沖で大型タンカー2隻の衝突事故が発生したと詳報している。
シンガポール港は、アジア最大の原油積揚げ港であると同時に世界最大のバンカーリング港(燃料補給)である。
同港では、今年に入ってからコンテナ船を含む多くの貨物船の異常滞船が発生している。
そうした中、先月の浚渫船とタンカー衝突事故に続いて、またしても7月19日早朝、大型タンカー2隻の衝突事故が発生した。...
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7月19日付
『ロイター通信』、20日付シンガポール
『ザ・ストレーツ・タイムズ』紙は、シンガポール港沖で大型タンカー2隻の衝突事故が発生したと詳報している。
シンガポール港は、アジア最大の原油積揚げ港であると同時に世界最大のバンカーリング港(燃料補給)である。
同港では、今年に入ってからコンテナ船を含む多くの貨物船の異常滞船が発生している。
そうした中、先月の浚渫船とタンカー衝突事故に続いて、またしても7月19日早朝、大型タンカー2隻の衝突事故が発生した。
シンガポール海事港湾庁(MPA、1996年設立)発表によると、衝突したのはシンガポール船籍“ハフニア・ナイル号(2017年建造)”とアフリカ大陸ギニア沖サントメ・プリンシペ船籍“ケレスI(2001年建造、船主は中国企業)”で、衝突場所はシンガポール領のペドラ・ブランカ島55キロメートル(34マイル)東沖の海上であるという。
また、前船の乗組員22人及び後船の40人のうちの14人は、MPA及びシンガポール海軍によって救出され、後船の26人は現在も本船消火に当たっているという。
前船は、総積載量7万4千トンで30万バレル(約4万7,700キロリットル)のナフサ(粗製ガソリン)を積載しており、後船は総積載量30万トンの超大型船だが積み荷は不詳である。
但し、“ケレスI”は、船舶追跡データによると今年3~4月にはイラン産原油を運送していた。
イラン産原油については、米国が昨年11月から強化した制裁下にあって、輸送に関わった船舶や関係企業が制裁対象になっている。
船舶追跡データを扱うLSEG(2007年設立)によると、“ケレスI”はイラン原油の他、同じく米国制裁対象となっているベネズエラ産原油をここ数年中国向けに輸送しているという。
更に、同社データでは、本船は7月11日以降、今回衝突したペドラ・ブランカ島沖に停泊したままとなっていた。
船舶情報全般データ提供会社ロイド・リスト・インテリジェンス(2017年設立、本拠英国)のミシェル・ワイズ・ボックマン首席アナリストは、“彼の地(ペドラ・ブランカ島沖)は、以前から米国制裁対象のイラン産原油を密かに輸送する船団が集まる場所と知られている”とした上で、“ケレスIは、イラン産原油をしばしば輸送していて、明らかに米国制裁破りをしていた”とコメントした。
また、同じく船舶追跡データを扱うKpler(2014年設立)のマット・スタンレー市場担当責任者も、“ケレスIは、イラン産原油を中国向けに輸送していることが分かっている”と追認している。
なお、船舶情報データ専門家情報によれば、米国の制裁対象となっているイラン・ベネズエラ産原油に加えて、欧米の制裁対象のロシア産原油を密かに輸送する闇の船団は850隻にも上るという。
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