米・ロシア・中国メディア;北京のスモッグ対策の本気度
昨年12月初め、北京において初めて大気汚染の警戒警報のうち「赤色警報」(4段階の最も危険なレベル)が出され、学校は休校、屋外の工事現場操業停止、市内への車の乗り入れ制限等々、首都機能が麻痺する状態となった。中国政府は国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)で、2030年までに大気汚染や地球温暖化の原因となる二酸化炭素排出量を減少に転じさせると発表しており、また、大気汚染が原因で、中国全体で毎年160万人が死亡していると言われていることから、首都北京を筆頭に、スモッグ対策が喫緊の課題となっている。直近の北京当局の対策について、各国メディアが報じている。
2月21日付米
『ロイター通信米国版』の、「北京当局、スモッグ対策のため、通気回廊を建設」と題した報道記事:
「・国営
『新華社通信』の2月21日報道によると、北京市政府は今後、スモッグ対策の一環で通気用の大回廊を建設すると発表。
・風が通りやすいように、公園、河川、湖、高速道路、低階層ビル地区等を繋げて、幅500メーター以上の大回廊を5つ、また、それより規模の小さい回廊も併せて建設。...
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2月21日付米
『ロイター通信米国版』の、「北京当局、スモッグ対策のため、通気回廊を建設」と題した報道記事:
「・国営
『新華社通信』の2月21日報道によると、北京市政府は今後、スモッグ対策の一環で通気用の大回廊を建設すると発表。
・風が通りやすいように、公園、河川、湖、高速道路、低階層ビル地区等を繋げて、幅500メーター以上の大回廊を5つ、また、それより規模の小さい回廊も併せて建設。
・同政府は、2020年までに大気汚染レベルを2013年比40%削減する目標を掲げており、環境保護課の幹部は2月19日、直近2年で大気汚染レベルは改善していると発言。
・なお、同政府は今年、大気汚染対策の一環で、スモッグ発生原因とされる2,500余りの工場を閉鎖予定。」
同日付ロシア国営
『ロシアTV』の、「スモッグを吹き飛ばすため、北京に通気回廊建設」と題した報道:
「・幅500メーターの大回廊の通気孔のひとつは北の郊外から南に通し、幅80メーターの複数の通気孔に繋げ、夏はヒート・アイランド現象の原因となる熱気を、また、冬は大気汚染の原因となる微小粒子状物質PM2.5(注後記)を吹き飛ばすための設備。」
2月22日付中国
『東方日報(上海)』(
『新華社通信』記事引用)の報道記事:
「・国家環境保護部(省に相当)の発表では、北京地区では昨年のPM2.5濃度が規制値並みになったのは186日で、一昨年より僅か14日増えたのみ。
・平均濃度は1立法メーター当り80.6マイクログラム(μg)と、平年より6.2%改善。」
一方、同日付米
『Yahooニュース』(
『ロイター通信』記事引用)の、「北京当局、赤色警報発令の基準値を上げる」と題した報道記事:
「・
『新華社通信』の報道によると、北京市環境保護課は3月末より、赤色警報発令の基準値を、500μg超が1日、300μg超が2日間、200μg超が4日間続く場合に変更と発表。
・現在の基準値は、200μg超が最低3日間続く場合としているが、米国においては“健康被害が深刻”となるレベル。」
(注)PM2.5:大気汚染の主原因となる、1立法メーター当り2.5μg以下の微小粒子状物質で、発生源は車の排気ガス、工場の粉塵・煤煙、石炭燃焼時の煤煙等。呼吸器系の健康被害をもたらすことから、それぞれ以下の指針を設けて削減に努めている。
・世界保健機構:指針(理想値)1日平均25μg以下、年平均10μg以下
暫定目標1 75μg 、 35μg
暫定目標2 50μg 、 25μg
暫定目標3 37.5μg 、 15μg
・日本、米国: 35μg 、 15μg
・欧州連合: 25μg 、 -
・中国:一級基準(都市部) 35μg 、 15μg
二級基準(半農半牧畜地) 50μg 、 35μg
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米・ロシア・中国メディア;与党自民党にスキャンダルが目白押し
2月19日付
Globali「自民党、丸山議員の“黒人・奴隷”発言に対するメディアの反応」で触れたとおり、与党自民党にまたも失言が飛び出した。今年に入って自民党においては、閣僚・議員の失言・失態で辞任、辞職、そして発言撤回と、スキャンダルが目白押しと、なっていると、海外メディアも自民党のタガの緩みを批判している。
2月19日付米
『ブルームバーグ』オンラインニュースの、「女性問題、金銭授受、人種差別発言、そして放射線量失言問題;日本の政権政党のスキャンダルが目白押し」と題した報道記事:
「・安倍首相の2007年第一次政権時は、スキャンダルに見舞われて1年未満の短命に終わった。第二次政権では3年間、スキャンダル発生防止策ができていたと思われたが、直近でまたスキャンダルの嵐。
・2月17日の丸山参議員の人種差別発言(参院法制審査会委員辞任)、2月初めの宮崎衆議員の女性問題(議員辞職)、1月末の甘利前経済再生担当相の金銭授受問題(閣僚辞任)、2月7日の丸川環境相の放射線量科学的根拠なし発言(発言撤回、陳謝)、2月8日の高市総務相の放送局の電波停止命令の可能性発言(撤回の必要なしと表明)等々。...
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2月19日付米
『ブルームバーグ』オンラインニュースの、「女性問題、金銭授受、人種差別発言、そして放射線量失言問題;日本の政権政党のスキャンダルが目白押し」と題した報道記事:
「・安倍首相の2007年第一次政権時は、スキャンダルに見舞われて1年未満の短命に終わった。第二次政権では3年間、スキャンダル発生防止策ができていたと思われたが、直近でまたスキャンダルの嵐。
・2月17日の丸山参議員の人種差別発言(参院法制審査会委員辞任)、2月初めの宮崎衆議員の女性問題(議員辞職)、1月末の甘利前経済再生担当相の金銭授受問題(閣僚辞任)、2月7日の丸川環境相の放射線量科学的根拠なし発言(発言撤回、陳謝)、2月8日の高市総務相の放送局の電波停止命令の可能性発言(撤回の必要なしと表明)等々。
・安倍首相は2月18日、自民党の谷垣幹事長と会談し、失言・失態は野党から攻撃の的になるし、政権党として足をすくわれないように注意喚起するよう指示。」
同日付米
『ニューズウィーク』誌の、「安倍首相、丸山議員によるオバマ大統領が奴隷の子孫発言を批判」と題した報道記事:
「・安倍首相は2月19日、丸山議員のオバマ大統領を奴隷の子孫だとする失言を厳しく批判。
・更に、国会議員は国民の信任を得て選出されている以上、政治家としての自己規律を持って行動する必要があるとも苦言。」
同日付中国
『シナ(新浪)ニュース』の、「自民党議員のオバマ大統領奴隷発言問題で政権側火消し」と題した報道記事:
「・丸山議員のオバマ大統領に関わる問題発言を受けて、野党は2月18日、参議院に丸山氏の議員辞職勧告決議案を提出。
・菅官房長官は、丸山議員は自らの発言に責任を持って(国民の信頼を得られるよう)説明責任を果たす必要があると表明。」
2月18日付ロシア国営
『ロシアTV』の、「日本の政治家、オバマ大統領が黒人奴隷の子孫と呼んだことで窮地」と題した報道記事:
「・丸山議員は参院憲法審査会の席上、オバマ大統領が黒人奴隷の子孫と呼んだだけでなく、仮定の話として、もし日本が米国の51番目の州になった場合、人口比により多くの議員を選出できるので、日本出身の大統領が選ばれる可能性もある、とも発言。
・これらの失言に対して、野党から辞職勧告を求められただけでなく、与党自民党トップからも大目玉。」
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