日本ではスポーツ活動中に子どもに体罰:国際人権団体報告書
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチは、日本で子どもがスポーツ活動中に暴力に遭っているという調査報告書を発表。50競技以上にわたるスポーツ経験者からの回答をもとに、スポーツ選手がコーチから竹刀で殴られたり、水分補給を禁じられたり、性的嫌がらせを受けている等の実態を明らかにしている。
7月20日付仏
『フランス24』 (ロイター通信)は「日本の児童アスリートが殴られ虐待されている、とヒューマン・ライツ・ウォッチの報告書」との見出しで以下のように報道している。
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)の報告書によると、日本ではスポーツの練習中に、子どもが身体的や言葉の虐待を受けており、時に性的虐待もあるという。月曜、「数えきれないほど殴られて」という表題で67ページに及ぶ報告書が公表され、日本のスポーツにおける身体的体罰の歴史、 50種のスポーツで800人以上の人からの体験談を掲載。...
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7月20日付仏
『フランス24』 (ロイター通信)は「日本の児童アスリートが殴られ虐待されている、とヒューマン・ライツ・ウォッチの報告書」との見出しで以下のように報道している。
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)の報告書によると、日本ではスポーツの練習中に、子どもが身体的や言葉の虐待を受けており、時に性的虐待もあるという。月曜、「数えきれないほど殴られて」という表題で67ページに及ぶ報告書が公表され、日本のスポーツにおける身体的体罰の歴史、 50種のスポーツで800人以上の人からの体験談を掲載。同書はパンデミックにより来年に延期となった東京五輪の開幕予定の今週に合わせて公表された。
HRWのMinky Wordenディレクターは声明で、「日本では何十年もの間、子どもたちがトロフィーやメダル獲得のためと言われ、虐待を受けてきた。」と述べている。
24歳以下の回答者381人の内19%はスポーツ活動中に、叩く、殴る、平手打ち、蹴る、地面に倒される、物で叩かれる等の経験があると回答。ある強化選手は、「コーチは私がランニング中真剣に走っていなかったと言い、皆の前で顔を叩かれた。血が出ていたがコーチは叩くのをやめなった。」と回想。18%が子どもの時スポーツ活動中に暴言の虐待を受けたと回答、5人は性的暴行や嫌がらせ受けたと回答している。
2013年、内部調査により、10%以上のアスリートがいじめやハラスメントを受けている判明した後、日本オリンピック委員会(JOC)はスポーツ協会における暴力をなくす対策を講じることを約束し、コーチによる女性アスリートへの身体的虐待が発覚したのを受け柔道連盟への補助金も打ち切った。しかしながら、それ以後も十分な対策が取られていないとし、HRWは日本スポーツ協会やJOCなどの組織に対し、オリンピック開催を契機として変革改善を進めるよう求めている。
同日付米国『ワシントンポスト』 は「日本のアスリートが広範囲で虐待を受けている、とヒューマン・ライツ・ウィッチ」との見出しで以下のように報道している。
ヒューマン・ライツ・ウィッチが日本のアスリートがスポーツ訓練中に、身体的、性的、言葉の虐待を受け、その結果、うつ病、自殺、身体的障害、生涯に渡るトラウマとなっていると報告している。
今月、イギリスでも同様の報告が見られた。英メディアによると、体操選手が10歳の時にコーチに食器棚に閉じ込められたという。韓国では、22歳のトライアスロン選手が、コーチスタッフの虐待を訴えたあとに、遺体で見つかっている。どちらも、競争の激しいエリート選手の世界でのプレッシャーが問題ではないか、政府やスポーツ協会が問題に対し十分な対処をしているかのとの疑念が生じている。
しかし、ヒューマン・ライツ・ウィッチが公表した日本における虐待の深刻さ、根深さは、オリパラ五輪に向かう日本政府にとり厄介なものである。調査では、選手らが受けた、殴る、蹴る、剣道の竹刀等の物で叩く、水を与えない、首を絞める、むちで叩く、性的が虐待や嫌がらせ等を報告している。コーチによる体罰は、日本のスポーツ界で長い間伝統となってきた。体罰は、大会で素晴らしい功績を残し、自己を鍛錬するのには必須であると認識されてきた。コーチや親、選手でさえもスポーツにおける体罰が価値があるものだと間違った信念を持っている場合もある。
2012年大阪のバスケット選手の男子高校生がコーチからの度重なる体罰に苦しんだ末に自殺。数ヶ月後、日本の五輪柔道チームのヘッドコーチが15人のアスリートがロンドン五輪に向けた準備期間に体罰を受けたと訴えたため辞任。日本では児童虐待は違法であり、今年政府は組織的体罰禁止を法制化している。政府とスポーツ協会は、近年、スポーツ界の虐待問題に取り組んでおり、罰則のない曖昧なコンプライアンスは出来つつある。HRWは、政府は虐待禁止を法制化し、スポーツ団体もコーチの教育訓練を強化し、苦情報告の仕組みを整える必要があるとしている。
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香港で言論統制か、民主派の本が貸出停止
香港の公立図書館では、有名な民主活動家らの著作物が撤去され貸出停止となり、検閲に回されているという。先月末に施行された、国家転覆や分離活動、テロ行為等を取り締まる「国家安全維持法」による言論の弾圧だと懸念が広がっている。
7月4日付仏
『フランス24』 (AFP通信引用)は「民主派著書が香港の図書館から消える」との見出しで以下のように報道している。
香港の著名な民主派活動家らが書いた本が、香港の公立図書館から消え始めていることが分かったという。これは中国により国家安全維持法が施行されたことによるもの。現在閲覧できなくなっている著作物の中には、香港で最も著名で若い活動家Joshua Wongのものや、有名な民主派議員Tanya Chanのものも含まれている。...
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7月4日付仏
『フランス24』 (AFP通信引用)は「民主派著書が香港の図書館から消える」との見出しで以下のように報道している。
香港の著名な民主派活動家らが書いた本が、香港の公立図書館から消え始めていることが分かったという。これは中国により国家安全維持法が施行されたことによるもの。現在閲覧できなくなっている著作物の中には、香港で最も著名で若い活動家Joshua Wongのものや、有名な民主派議員Tanya Chanのものも含まれている。これまで言論の自由があった香港では、警察による独立自治運動家らの逮捕以来、既に懸念が広がっていた。Wongは。Facebook上で「白色テロの恐怖が広がっており、国家安全維持法は根本的に言論に罪を負わせるための道具だ」と主張し同法により撤去されたと考えているとしている。図書館では、少なくともWong、Chan、そして香港の学者Chin Wanが書いた3冊の著書が貸出禁止となっている。
本の撤去を受け、アカデミック上の自由の維持への懸念も広がっている。香港にはアジア有数の大学があり、中国ではタブーとなるトピックも議論したり執筆したりできるキャンパス文化がある。しかし、若者が率いた大規模な民主化デモの後、中国は香港に対し一層の愛国的教育を求める姿勢を明確にしてきた。
同日付香港『サウスチャイナ・モーニングポスト』 は「国家安全法:香港の図書館で検閲のため地方主義や民主活動家らの本を撤去」との見出しで以下のように報道している。
香港の図書館から民主主義提唱者らの著書、少なくとも9冊が検閲のため撤去され貸出停止となっている。弁護士協会のフィリップ・ダイクス会長は、この動きに警鐘を鳴らし、当局は情報閲覧の権限の制限に当たらないか判断する必要があるとしている。香港の公立図書館を管轄しているレジャー文化サービス省は、書名を伏せて新法へのコンプライアンスに抵触しないか精査しているとしている。
活動家Joshua Wong Chi-fungの中国語の著書や、地方主義者Horace Chin Wan-kan、立法会議員Tanya Chanらの本が対象。Horace Chinは香港で最も有名な地方主義者で、香港は中国からの影響拡大に対抗するため、独自のアイデンティティを形成すべきと主張している。彼の著作6冊は、「香港国」シリーズで、ペンネーム Chin Wan で書かれた。Joshua Wongは最近になりデモシスト党の解散を発表し、「私の本は香港の逃亡犯条例反対運動よりずっと以前に書かかれたものだが、新法のもとに今検閲されようとしている。」として自身の著書2冊を見直すと述べていた。弁護士のHorace Chin Chanも、政府は新法は遡って適用されないとしているのに、何故彼女の2014年の著書「My Journeys for Food and Justice」が検閲対象なのか疑問なのだという。
中国と香港当局は、国家安全法はマイノリティを対象とし、言論の自由や集会は守られると強調していた。
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