反米で協調している中国、ロシア、イランであるが、次期大統領として望む人物は異なる模様である。この程、米防諜部門幹部が明らかにしたところによると、中国とイランはジョー・バイデン民主党候補の当選を、一方、ロシアはドナルド・トランプ大統領の再選を狙って、種々水面下で画策しているという。
8月7日付米
『ニューヨーク・ポスト』紙:「米防諜部門トップ、中国・イランがバイデン氏に、ロシアはトランプ氏に肩入れして種々画策と証言」
米トランプ政権の防諜部門トップが8月7日、中国及びイランがジョー・バイデン民主党候補に、一方ロシアはドナルド・トランプ大統領に肩入れして水面下で画策していると警鐘を鳴らした。
米国家防諜・安全保障センター(2001年設立)のウィリアム・エバニーナ長官(53歳)が上院公聴会で述べたもので、民主党議員から外国政府の選挙介入事態についての突っ込んだ質問に答えた。...
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8月7日付米
『ニューヨーク・ポスト』紙:「米防諜部門トップ、中国・イランがバイデン氏に、ロシアはトランプ氏に肩入れして種々画策と証言」
米トランプ政権の防諜部門トップが8月7日、中国及びイランがジョー・バイデン民主党候補に、一方ロシアはドナルド・トランプ大統領に肩入れして水面下で画策していると警鐘を鳴らした。
米国家防諜・安全保障センター(2001年設立)のウィリアム・エバニーナ長官(53歳)が上院公聴会で述べたもので、民主党議員から外国政府の選挙介入事態についての突っ込んだ質問に答えた。
同長官は、投票に先駆けて“中国、ロシア、イランがそれぞれ影響を行使すべく画策している”と証言した。
同長官は更に、“中国は、トランプ政権による様々な対中国政府圧力に嫌気している”とし、“特に、直近の香港政策に対する批判、中国動画共有サービスのティックトック使用禁止措置、南シナ海における国際法上の非難、更には次世代移動通信システム5Gでの世界席捲政策への警戒等々より、中国政府としてはトランプ大統領の再選を望んでいない”と言及した。
また、同長官は、“一方ロシアは、何かにつけてトランプ大統領の方を好んでいる”とし、“バイデン民主党候補は、オバマ政権下での副大統領時代、ウクライナ政策でのロシア批判やロシア国内反プーチン派を支持していたことから、明らかに「反ロシア体制派」だとみている”と付言した。
そして同長官によると、“親ロシア派のウクライナ政治家アンドリー・デルカック議員が、バイデン候補及び民主党の勢いを削ぐ活動をしている一方、ロシア政府と関係の深い俳優らがトランプ大統領支持をソーシャルメディアやロシアテレビで盛んに訴えている”という。
一方、イランについては、明らかにトランプ氏を嫌っているが、同時に米国内の不和を駆り立てていると言及している。
8月8日付英国『ザ・ガーディアン』紙:「米防諜部門トップ、米大統領選に先駆けてロシア、中国、イランが影響力行使を画策していると発言」
エバニーナ長官が8月7日にリリースした声明によれば、ロシアはトランプ氏を、中国はバイデン氏を支持する一方、イランは米国の大混乱を画策しているという。
同長官によると、“ロシアはバイデン候補を「反ロシア派」と位置付けて何かにつけて中傷している”とし、“ウクライナのデルカック議員はバイデン氏についての汚職疑惑を盛んに喧伝し、ロシア政府に近い俳優らがSNS等でバイデン候補に関わる偽情報を流している”といいう。
『ワシントン・ポスト』紙は過日、デルカック議員は、バイデン氏の謀議批判の急先鋒である、トランプ大統領のルディ・ジュリアーニ顧問弁護士と何度も面談している、と報じている。
同長官はまた、中国については、ロシア程露骨な活動は認められていないが、ともかくトランプ大統領の対中国非難政策(COVID-19、中国スパイ疑惑、香港問題、南シナ海問題等々)に嫌気がさしていて、中国の利益を損なうことがないよう、対米圧力を高めているとする。
一方、イランについては、反米思想をSNS等で拡散して大統領選での米国内分断を図っているという。
また、トランプ氏再選で、対イラン政策が更に厳しくなることを警戒しているともいう。
なお、トランプ大統領は8月7日、ベッドミンスター(ニュージャージー州)のトランプ氏所有のゴルフクラブで会見し、“ロシアが望んでいるのは、自身の再選だと考えている”とし、“中国は、「スリーピー・ジョー(バイデン候補を揶揄する呼称)」が勝てば米国を思い通りにできると思っているので、バイデン候補を好んでいる”と発言した。
また、“イランも自身の再選を望んでいない”とも言及した。
その上で、“自分が再選したら、イランとも北朝鮮とも核問題につき速やかに合意に漕ぎ着ける”と強調した。
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7月29日付米
『ニューヨーク・ポスト』紙:「米軍、東シナ海で中国公船と対峙する場合に日本を全面支援すると表明」
在日米軍司令官のケビン・シュナイダー中将は7月29日、東シナ海で中国公船と対峙するような事態が発生した際には、日本側を全面支援すると表明した。
同司令官は記者会見の席上、“尖閣諸島で中国側と不測な事態が発生した場合、米軍は100%日本側を支援する”とした上で、“それは年365日、一日24時間、週7日間四六時中”だと付言した。...
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7月29日付米
『ニューヨーク・ポスト』紙:「米軍、東シナ海で中国公船と対峙する場合に日本を全面支援すると表明」
在日米軍司令官のケビン・シュナイダー中将は7月29日、東シナ海で中国公船と対峙するような事態が発生した際には、日本側を全面支援すると表明した。
同司令官は記者会見の席上、“尖閣諸島で中国側と不測な事態が発生した場合、米軍は100%日本側を支援する”とした上で、“それは年365日、一日24時間、週7日間四六時中”だと付言した。
これは、中国が一方的に東・南シナ海を対象に宣言した禁漁通告の適用とされる8月1日が迫ったことが背景にある。
同司令官は、PLAが両海域で“攻撃的でかつ有害な行動”に出ていると非難した。
“特に、南シナ海では軍事拠点化を進め、周辺国に大きな脅威を与えている”と強調した。
なお、マイク・ポンペオ国務長官が今月半ば、“南シナ海で中国が一方的な海洋進出を行っていることは、明らかに国際法違反”だと、これまでになく強い口調で中国を非難する声明を発表している。
その上で同長官は、“国際社会は、南シナ海の帝王の如く勝手な振る舞いをする中国を決して許さない”とも付言している。
一方、同日付中国『新華社通信』:「中国の南シナ海に関わる方針に変更なし」
外交部(省に相当)の王文兵(ワン・ウェンビン)報道官は7月28日、“中国は常に「海洋法に関する国連条約(UNCLOS、注後記)」の下、主権の及ぶ範囲内で行動している”と表明した。
米国務長官の一方的な非難声明に応えたもので、同報道官は、“中国は、東南アジア諸国連合(ASEAN)と合意している「行動宣言(DOC、2002年採択)」に従って、ASEAN諸国と協議を続けて「行動規範(COC)」成立に向けて努力している”と強調した。
更に、同報道官は、“米国はそもそも南シナ海の権益には一切関わっていないどころか、UNCLOSも締結していない”とした上で、“悪戯に同海域の平和を乱す行動は慎むべき”だと付言している。
(注)UNCLOS:海洋法に関する包括的・一般的な秩序の確立を目指して1982年4月に第3次国連海洋法会議にて採択され、同年12月に署名開放、1994年11月に発効した条約。 通称・略称は、国連海洋法条約。国際海洋法において、最も普遍的・包括的な条約であり、基本条約であるため、別名「海の憲法」とも呼ばれる。2019年4月末現在、168の国・地域と欧州連合が批准。米国・トルコ・ペルー・ベネズエラ等が未締結であるが、深海底に関する規定以外の大部分の規定が慣習国際法化しているため、非締約国も事実上海洋法条約に従っている。
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