中国の民間シンクタンク「胡潤研究院」の報告によると、米国が現在もユニコーン企業数世界一の座を保持しているものの、中国の首都北京には、シリコンバレーよりも多い93の有望なテクノロジー企業、「ユニコーン」企業が集まっているという。
週刊金融紙
『ラトリビューン』によると、「胡潤研究院」は今年の3月末時点で、ユニコーン企業と呼ばれる成長性の高いベンチャー企業で、投資対象として評価額10億ドル以上のテクノロジー企業を世界で586社確認しているという。
同シンクタンクによると、これらの企業の評価額は合計で1900億ドル(約20兆円)に上る。
ユニコーン企業の数では、アメリカ(233)が中国(227)を抜いて世界一位であるが、93社の有望テクノロジー企業が北京に集まったことで、現在中国の首都が、シリコンバレーのあるサンフランシスコ(68)を追い抜いたという。...
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週刊金融紙
『ラトリビューン』によると、「胡潤研究院」は今年の3月末時点で、ユニコーン企業と呼ばれる成長性の高いベンチャー企業で、投資対象として評価額10億ドル以上のテクノロジー企業を世界で586社確認しているという。
同シンクタンクによると、これらの企業の評価額は合計で1900億ドル(約20兆円)に上る。
ユニコーン企業の数では、アメリカ(233)が中国(227)を抜いて世界一位であるが、93社の有望テクノロジー企業が北京に集まったことで、現在中国の首都が、シリコンバレーのあるサンフランシスコ(68)を追い抜いたという。3位は47社が集まる上海となっている。
胡潤研究院の創設者ルパート・フーゲワーフ氏は、「アメリカと中国は、両国あわせて世界のGDPの40%、世界人口の4分の1しか占めていないにもかかわらず、世界のユニコーン企業の80%以上を占めている」とコメントしている。
なお世界のユニコーン企業トップ3の座は中国企業が独占している。世界最大のモバイルとオンライン決済プラットフォーム「アリペイ」などを運営しているアント・フィナンシャル、動画共有サービスTikTokなどを運営するバイトダンス、そして配車サービスの滴滴出行だ。
アメリカの企業でランキング上位にランクインしているのは、5位に宇宙輸送のスペース X、6位にオンライン決済のストライプ、そして7位には宿泊施設のレンタル業務を行うエアビーアンドビーとなっている。
こうした中、『ルモンド』は、7月15日付の記事でシリコンバレーのアメリカ企業は中国から目をそらし、人口がそのうち中国を上回るインドに目を向けていると報じている。
例えば、5億人のインターネットユーザーを抱え、デジタルの活用と採用の面で、すでに中国に迫っているインドに対し、グーグルは今後5年間で100億ドル近く(約1兆円)を投資する意図を発表している。
グーグルは更に、石油化学を中心に、石油・ガス開発、小売、インフラ、バイオテクノロジーなどの事業を手がけるインド最大のコングロマリットであるリライアンス・インダストリーズの電話事業Jioの資本の7.7%を45億ドル(約4751億円)で取得している。
わずか数年で、4億人近くの加入者を持つ国内有数の電話事業者に成長したJioは、デジタルサービスのプラットフォームを中心としてビデオからショッピング、企業向けサービスまで開発してきた企業だ。この一社で中国のアリババやウィーチャットと同等の力を持つと言われている。
そのため、インドはまだ中国ほど裕福ではないものの、フェイスブックやインテル、シルバーレイクなど、そしてグーグルなどのテクノロジー企業が、中国テクノロジー企業との競争の中、今後有望なデジタル市場であるインドに我が先にと投資をしているという。
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中国国営メディアの一社が、中国プロパガンダ喧伝のため、米紙に対してこれまでに1,900万ドル(約20億5千万円)近くも拠出していたことが判明した。これは、米連邦「外国代理人登録法(FARA、注1後記)」に基づいて、同メディアが米司法省宛に直近で提出した報告書より明らかになったものである。
6月9日付
『ザ・デイリィ・コーラー』保守系オンラインニュース:「中国のプロパガンダ放送局、米紙に総額1,900万ドル拠出」
中国国営メディアの一社が、プロパガンダ喧伝のため、複数の米紙宛に直近4年間で、総額1,900万ドル近くの報酬を支払っていたことが判明した。
中国共産党運営の英字紙『チャイナ・デイリィ』で、FARAに基づいて直近の活動内容を報告するために司法省に提出した報告書で明らかになったものである。...
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6月9日付
『ザ・デイリィ・コーラー』保守系オンラインニュース:「中国のプロパガンダ放送局、米紙に総額1,900万ドル拠出」
中国国営メディアの一社が、プロパガンダ喧伝のため、複数の米紙宛に直近4年間で、総額1,900万ドル近くの報酬を支払っていたことが判明した。
中国共産党運営の英字紙『チャイナ・デイリィ』で、FARAに基づいて直近の活動内容を報告するために司法省に提出した報告書で明らかになったものである。
それによると、2016年11月以降2020年4月までの間、『ワシントン・ポスト』紙に460万ドル(約4億9,700万円)余り、『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙には600万ドル(約6億4,800万円)近くが支払われている。
両紙は、当該報酬の見返りとして、『チャイナ・デイリィ』紙が投稿した“チャイナ・ウォッチ”なる記事を本紙の中に綴じ込み、中国プロパガンダ喧伝に一役買っていた。
例えば、2018年9月から“一帯一路経済圏構想でアフリカ諸国と連携”とのタイトルの記事を挿入し、習近平(シー・チンピン)国家主席が推す同構想を宣伝した。
また、昨年に挿入した“関税賦課で米住宅が割高に”という記事では、米政府が中国産木材に関税を賦課することによって、結局米市民に関税分の追加負担のしわ寄せがいくとアピールした。
更に、他紙には広告掲載料として、『ニューヨーク・タイムズ』紙(5万ドル、約540万円)、『フォリン・ポリシー(ワシントンDC)』紙(24万ドル、約2,590万円)、『デモイン・レジスター(アイオワ州)』紙(3万4,600ドル、約374万円)、『CQロール・コール(ワシントンDC)』紙(7万6千ドル、約820万円)宛にも支払っている。
また、『ロスアンゼルス・タイムズ』紙(65万7,523ドル、約7,100万円)初め、『シアトル・タイムズ』紙、『アトランタ・ジャーナル=コンスティテューション』紙、『シカゴ・トリビューン』紙、『ヒューストン・クロニクル』紙、『ボストン・グローブ』紙にも、記事の掲載や投稿記事印刷費用として、合計760万ドル(約8億2,100万円)の報酬を支払っている。
以上のとおり、当該報告書から分かることは、米紙に対して総額1,860万ドル(約20億900万円)、ツイッターでの宣伝費用26万5,822ドル(約2,870万円)の報酬を支払っていたことである。
今回の報告書提出は、司法省が『チャイナ・デイリィ』紙に対して何年もの間、FARAに基づいて米国における活動報告を半年に一度提出するよう求めてきた結果、この程漸く同紙が6月1日付で提出してきたものである。
なお、米国の民主活動グループはこれまで長い間、中国政府が米メディア網を駆使してプロパガンダを喧伝していると警鐘を鳴らしてきた。
フリーダム・ハウス(注2後記)及びフーバー研究所(注3後記)は特に、『チャイナ・デイリィ』紙投稿の記事によって、米メディアへの影響力駆使に努めていると警戒を強めている。
また、最近でも、『チャイナ・デイリィ』紙初め中国国営メディアが、挙って中国政府擁護に注力している。
すなわち、新型コロナウィルス感染問題で、中国政府が米国や他西側諸国より厳しく責任追及されていることから、政府高官の意を酌んで、批判の芽を逸らさせようと躍起になっている。
(注1)FARA:1938年に可決された米国の法律で、「政治的または準政治的権能を持つ」外国勢力の利益を代表するエージェント(外国のエージェント)が、その外国政府との関係及び活動内容や財政内容に関する情報を開示することを義務付けたもの。目的は、「米国政府と米国民による、外国勢力の発言と活動の評価」を容易にすること。司法省の国家安全保障局のスパイ対策室のFARA登録ユニットによって管理されている。
(注2)フリーダム・ハウス:ワシントンDCに本部を置く国際NGO団体で、1941年にナチス・ドイツに対抗して、自由と民主主義を監視する機関として設立。毎年193の国と地域に関して、「自由度や人権状況」、「報道の自由度調査」、「インターネットの自由度ランキング」のレポート等を公開している。
(注3)フーバー研究所:1919年に、後の大統領でスタンフォード大学(1885年創立、カリフォルニア州私立大学)卒業生のハーバート・フーバー(1874~1964年、第31代大統領)が大学内部に創設した、公共政策シンクタンク。同研究所はスタンフォード大学の敷地内にあるものの、同大学に付属する研究・教育機関ではない。
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