北朝鮮、金正恩が少子化に涙の訴え(2023/12/06)
北朝鮮で開催された母親が集結する大会で、朝鮮労働党の金正恩総書記は、「出生率の低下を防ぎ、子どもの保育も母親たちと力を合わせて解決しなければならない」と演説。今年、出生率が1.79まで下落した北朝鮮でも少子化問題が懸念されていると報じられている。
12月5日付
『Yahooニュース』(英テレグラフ):「金正恩氏、少子化に涙」:
金正恩氏が北朝鮮の国家のため、北朝鮮の女性にもっと子ども産み育てるよう涙で訴えている場面が映像に捉えられている。
平壌で開かれた全国母親大会に集まった数千人の女性を前に、金氏は白いハンカチで目を拭い、「少子化を食い止め、母親らと共に、解決にむけよい教育を提供するのは我々の努めだ」と述べた。参列した多くの聴衆も涙し、北朝鮮でも少子化への懸念が高まっている中、このような大会は11年ぶりとなった。...
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12月5日付
『Yahooニュース』(英テレグラフ):「金正恩氏、少子化に涙」:
金正恩氏が北朝鮮の国家のため、北朝鮮の女性にもっと子ども産み育てるよう涙で訴えている場面が映像に捉えられている。
平壌で開かれた全国母親大会に集まった数千人の女性を前に、金氏は白いハンカチで目を拭い、「少子化を食い止め、母親らと共に、解決にむけよい教育を提供するのは我々の努めだ」と述べた。参列した多くの聴衆も涙し、北朝鮮でも少子化への懸念が高まっている中、このような大会は11年ぶりとなった。
北朝鮮は、人口傾向について殆ど明らかにしていないが、韓国の分析では、過去10年で出生率は低下しているとみられ、肉体労働や従軍に大きく依存する北朝鮮では大きな問題となっている。韓国軍合同参謀本部は、今回の演説できた朝鮮は、少子化について初めて公に認めたものとみている。
国連人口基金(UNFPA)と世界銀行によると、2020年以降、北朝鮮の女性一人あたりの出生率は約1.79~1.8人となった。北朝鮮では、戦後の人口成長を理由に1970年代から80年代にかけて行われた産児管理制度の影響で、1960年代の4.05人から1990年代には2.1人未満に減少していた。
しかしながら、これでも昨年の出生率が0.78人を記録し、高齢化する韓国の2倍以上を維持している。
北朝鮮の国営メディアによると、北朝鮮では3人以上の子をもつ世帯への特典として、住宅補助や助成金、無料の食料、医療、家庭用品、教育サービスが提供されているようである。
演説で金氏は、母たちの基本的で革新的な務めは、「社会的価値観や、共産党への忠誠心を身に着けさせること」であり、「我々のスタイル」ではない行動を悔い改め、若者への海外の影響を排除すること、国家のため労働に集中することである等と訴えた。
公の場で涙の訴えは、今回が初めてではない。2020年金氏は、パンデミックにより経済不安を招いたことを謝罪し涙した。朝鮮戦争休戦70周年を記念する7月の軍事パレードでも、目に涙を浮かべていた。
同日付英『インディペンデント』:「北朝鮮、少子化を食い止めるよう母親らに涙の訴え」:
金正恩氏は、少子化を食い止め子どもの数を増やそうと母親たちの前で涙を流した。
3日平壌で開かれた全国母親大会で、集まった女性らへの過度な演出で、目の涙を拭うのが確認されている。
演説では、「母親の皆様、少子化を未然に防ぎ、子を育てることが我々の任務である」と訴えた。また、母親の協力が必要な「社会的タスク」に国が直面しているとも述べた。
ヒュンダイ研究所の8月の報告書によると、北朝鮮では1990年代中ば、数百人数千人が死亡したとされる飢饉により出生率は大きく減少。資源と技術革新が遅れている点から、「十分な労働力が確保できないと、製造産業の復活と発展において困難に直面する」と分析されている。
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国際エネルギー機関、電気自動車需要急増と中国経済成長鈍化が相俟って化石燃料需要は2030年までに頭打ちと予測【欧米メディア】(2023/10/25)
国際エネルギー機関(IEA、注1後記)が、電気自動車(EV)需要の急増と中国経済成長鈍化が相俟って、石炭等の化石燃料に対する需要は2030年までに頭打ちとなると予測している。
10月24日付欧米
『ロイター通信』、英国
『ザ・テレグラフ』紙等は、直近で発表されたIEAレポートによると、石炭等の化石燃料に対する需要が2030年までにピークを迎えるというと報じている。
IEAはこの程、EVに対する需要急増に加えて、世界最大のエネルギー消費国の中国の経済成長鈍化によって、石炭等の化石燃料に対する需要が2030年までに頭打ちとなると予測するレポートを発表した。
ファティ・ビロルIEA事務局長(トルコ人エコノミスト、2015年就任)は、“クリーンエネルギーへの転換は世界規模で起こっていて、もう誰も止められない”とした上で、“政府・企業・投資家は、その流れを支援することはあっても阻害してはならない”と訴えた。...
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10月24日付欧米
『ロイター通信』、英国
『ザ・テレグラフ』紙等は、直近で発表されたIEAレポートによると、石炭等の化石燃料に対する需要が2030年までにピークを迎えるというと報じている。
IEAはこの程、EVに対する需要急増に加えて、世界最大のエネルギー消費国の中国の経済成長鈍化によって、石炭等の化石燃料に対する需要が2030年までに頭打ちとなると予測するレポートを発表した。
ファティ・ビロルIEA事務局長(トルコ人エコノミスト、2015年就任)は、“クリーンエネルギーへの転換は世界規模で起こっていて、もう誰も止められない”とした上で、“政府・企業・投資家は、その流れを支援することはあっても阻害してはならない”と訴えた。
レポート掲載の図表では、化石燃料に対する世界の需要が2030年までにピークを迎えると示されていて、ただ、石炭への需要は同年までに頭打ちとなるが、天然ガス・石油の需要の場合はあと二十年ほど先になるとしている。
更にIEAレポートでは、それでも依然化石燃料に対する需要は非常に高く、このままではパリ協定(注2後記)で合意された平均気温上昇を1.5C未満とすることは困難とされている。
なお、IEAの予測では、2030年までにEV需要が今の10倍以上となるとしていて、米国では新車の50%がEVとなり(2年前の予測は12%)、また、2022年の世界のEV販売台数の半分が中国で占められていたことから、中国のクリーンエネルギーに対する需要動向が大きな素因となるとしている。
すなわち、目下世界最大のエネルギー消費国となった中国において、今後の経済成長が鈍化すると見込まれることからも、化石燃料需要減退・クリーンエネルギー需要増に繋がっていくとする。
そこでIEAは、“化石燃料の需要が頭打ちになるからと言って、それらへの投資が停止されることには結びついていないが、投資継続の合理的根拠がなくなりつつあることは明白だ”と結んでいる。
一方、これに逆行する形で、石油輸出国機構(OPEC、注3後記)は今月初め、新規の原油開発プロジェクトへの投資停止との呼び掛けは“見当違い”であり、“反ってエネルギーや経済危機を引き起こしかねない”との声明を発表していた。
(注1)IEA:日・米・仏・英・伊・加・豪等29の加盟国が、その国民に信頼できる、安価でクリーンなエネルギーを提供するための諮問機関。国際と冠しているが、旧西側諸国のみで構成(よって中ロは部外者)されており、国際原子力機関(IAEA)のような国連の組織とは無関係。本部所在地はパリ。
(注2)パリ協定:第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)が開催されたパリにて2015年12月に採択された、気候変動抑制に関する多国間の国際的な協定。産業革命前からの世界の平均気温上昇を「1.5℃未満」を目指す等が合意された。
(注3)OPEC:国際石油資本などから石油産出国の利益を守ることを目的として、1960年9月に設立された組織。設立当初は、イラン、イラク、クウェート、サウジアラビア、ベネズエラの5ヵ国を加盟国としていたものの、後に加盟国が増加し、現在では13ヵ国が加盟。本部はオーストリア・ウィーン。
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