英国、ロシアのガスから脱却するため原子力発電に移行(2022/04/05)
ドイツのようにロシアのガスに依存している英国は、ガスの輸入量を減らし、高騰する価格に対処するために、原子力と洋上風力発電を中心とした新しいエネルギー戦略を推し進めていくことが明らかになった。
仏
『レゼコー』によると、クワシ・クワルテング産業エネルギー相はサンデーテレグラフ紙のインタビューで、2050年までに英国で6から7基の原子炉を新たに建設することが検討されており、既存の原発の延命や、小型原子炉(SMR)への投資も計画されていることを明らかにした。
大臣は、発電量の80%を原子力発電で賄っているフランスのモデルを強調した。「大金を要したが、そのおかげで、ドイツやイタリアなど、大陸の人々がうらやむようなエネルギーの独立を手に入れることができた。...
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仏
『レゼコー』によると、クワシ・クワルテング産業エネルギー相はサンデーテレグラフ紙のインタビューで、2050年までに英国で6から7基の原子炉を新たに建設することが検討されており、既存の原発の延命や、小型原子炉(SMR)への投資も計画されていることを明らかにした。
大臣は、発電量の80%を原子力発電で賄っているフランスのモデルを強調した。「大金を要したが、そのおかげで、ドイツやイタリアなど、大陸の人々がうらやむようなエネルギーの独立を手に入れることができた。」と述べ、英国のエネルギー供給に占める原子力の割合を15%から25%に増加することを目指すことを明らかにした。
ジョンソン首相は3月、英国の供給量の4%を占めるロシア産ガスから脱却するための新たなエネルギーロードマップを発表した。しかし、資金調達をめぐる財務省との意見の相違から、発表は何度も延期されていた。インデペンデント紙によると、1000億ポンド(約16兆円)の官民投資が必要だという。
また、採用する技術をめぐっても意見が分かれている。産業エネルギー相は、2015年に当時のキャメロン首相がモラトリアムを決定した陸上風力発電に注力したいと考えているが、ジョンソン首相は慎重な態度を取っている。当時、地元住民からの苦情や高額な補助金に対する批判を招き、保守派の政治家の反発を招いた。
米『ハフィントンポスト』によると、今回もグラント・シャップス運輸相が陸上風力発電所の増設計画を公に批判したことで、英国の将来のエネルギー戦略をめぐる内閣の分裂が勃発しているという。
エネルギー計画を担当しているクワシ・クワルテング産業エネルギー相は、陸上風力発電の大規模な拡大を可能にする方向で動いていることを示唆した一方で、運輸大臣は、3日にスカイニュースの番組に出演した際、陸上風力発電の拡大計画に強く反対していることを明らかにした。「丘の上に設置されるため、地域社会にとって目障りであり、騒音の問題も発生します。環境保護の観点から、陸上風力発電の大部分は洋上であるべきだと考えています。本当にやるべきことは他の方法を開発することです。原子力発電、洋上風力発電もあるでしょう。理にかなった場合もあるかもしれないが、陸上風力発電の大幅な拡大は望めないと思います。洋上風力発電は非常にうまく機能しており、すでに多くの電力を供給しています。」語った。
洋上風力は英国が得意とする分野である。木曜日に発表されるエネルギー戦略では、この分野の拡大も期待されている。
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仏大統領のスウェット姿、大統領選挙に向けてゼレンスキー風のイメージ戦略か(2022/03/15)
常に完璧なスーツスタイル姿で知られるフランスのエマニュエル・マクロン大統領。突如、大統領の公式カメラマンであるソアジグ・ドゥ・ラ・モワソニエール氏が、自身のインスタグラムでこれまでに見たことのなかったカジュアルなスウェット姿の大統領の写真を公開したことで、国内外で多くの反響を呼んでいる。
フランスの地方日刊紙
『ミディ・リーブル』電子版によると、インスタグラムで公開された写真は、寝不足で目の下にクマがあり、乱れた髪で、ジーンズに黒いスウェットを着た大統領であった。同紙は、マクロン大統領は、3月14日のインスタグラムで、勤勉な大統領であり国際外交官であることをアピールしていると伝えている。
写真を公開した大統領府の公式カメラマンであるソアジグ・ドゥ・ラ・モワソニエールのアカウントには、様々な見解が寄せられている。...
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フランスの地方日刊紙
『ミディ・リーブル』電子版によると、インスタグラムで公開された写真は、寝不足で目の下にクマがあり、乱れた髪で、ジーンズに黒いスウェットを着た大統領であった。同紙は、マクロン大統領は、3月14日のインスタグラムで、勤勉な大統領であり国際外交官であることをアピールしていると伝えている。
写真を公開した大統領府の公式カメラマンであるソアジグ・ドゥ・ラ・モワソニエールのアカウントには、様々な見解が寄せられている。4月の大統領選に向けて、ロシアの攻撃開始以来、SNSでTシャツと私服姿を披露しているウクライナのゼレンスキー大統領ばりのPRスタントだと見る向きもある一方で、選挙戦中の大統領が国家儀礼から離れ、「人々の日曜日の服装と同じようなカジュアルな姿」を披露したと見る向きもある。ドイツのあるネットユーザーは、「もしエマニュエル・マクロンがまだ今年の選挙で大本命でなかったら、この写真で本命になっていただろう」とコメントしている。
仏日刊紙『ルモンド』は、ツイッター上でもコメントが飛び交っていると伝えている。「これで明らかになった。彼は自分がゼレンスキーだと思っている、想像以上にひどい。」、 「スウェットが格好いいから、彼に投票することにしたよ」、「10代のパーカーを着て写真を撮るのは、80代以上とは違う層にアプローチしようとするためだ」、「英語の口頭試問で高校生風のスウェットを着た大統領。これはフェイクか?」、「マクロン大統領はパーカーとスキニージーンズでゼレンスキーのようなカジュアルっぽさを演じている。すごい演出だ!」と 様々な反応が集まっている。
海外メディアも写真に注目している。米ニュースサイト『TMZ』は、「ゼレンスキー大統領はその勇敢さで人々の心を掴んでいるが、ファッションでも勝利を収めているかもしれない、というのも、別の国の指導者が彼から服装のヒントを得ているようなのだ。」と報じている。普段のマクロン大統領はスーツに革靴、髭も剃っている。一方、常にカジュアルな姿のゼレンスキー大統領は国民の味方というイメージが強い。同ニュースサイトは、「問題は、バイデン大統領もそのうちテニスシューズとおじさん帽子でホワイトハウスにやってくるかどうかだ。」とコメントしている。
英『エクスプレス』は、マクロン大統領が4月の再選挙を控え、現在約53%の有権者が不支持を表明しているため、ゼレンスキー風のイメージに刷新しようとしているようだと主張している。デイリーテレグラフの記者エド・カミングは、「フランスのマクロン大統領は、ウクライナの非の打ちどころのないメディアキャンペーンを、判断を鈍らせるほどの羨望のまなざしで見つめていることは明らかだ。エリゼから発信される一連の奇妙な写真撮影を他にどう説明すればいいのだろうか?」と指摘している。
また、「先週、プーチンとの電話会談が失敗に終わった後、白いシャツ姿のマクロンの、執務室の椅子の背もたれをひたすら握りしめている姿、鼻梁をつまんで苦悶している姿、顔の前で手を組んで苦悩している姿と3枚の写真を目にした。マクロン氏にとっての問題は、他の指導者と同様に、政治的な写真撮影は現実世界の出来事の重圧に見合うものでなければならないということだ。多少の身だしなみや演出は許せるが、重々しさを出すのは無理がある。ゼレンスキーがその仕事にぴったりな人のように見えるとしたら、マクロンはスティーブ・ジョブズのために働く男のように見える。戦時中のリーダーよりも、ウォーハンマー(ミニチュアゲーム)のリーダーのように見える。」と指摘している。
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