『AP通信』
豪州のジョシュ・フライデンバーグ財務相(49歳、2018年就任)は3月29日、新年度国家予算発表前に、世帯支援と同時に国防予算の増額も行う意向である旨表明した。
同相は、中国の軍事力増強による強引な活動、更には直近で起こったロシアによるウクライナ軍事侵攻に伴い、“目下我が国が直面している状況に鑑み、国防予算を増額して安全保障を強固にする必要がある”と仄めかした。...
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『AP通信』
豪州のジョシュ・フライデンバーグ財務相(49歳、2018年就任)は3月29日、新年度国家予算発表前に、世帯支援と同時に国防予算の増額も行う意向である旨表明した。
同相は、中国の軍事力増強による強引な活動、更には直近で起こったロシアによるウクライナ軍事侵攻に伴い、“目下我が国が直面している状況に鑑み、国防予算を増額して安全保障を強固にする必要がある”と仄めかした。
今回言及された予算は、7月1日に始まる2022~2023年度のものであるが、スコット・モリソン首相(53歳、2018年就任)率いる与党・自由党(1945年成立の保守党)政権が4期目を目指す5月21日予定の総選挙に先駆けて発表される(編注;2013年より3期9年連続で政権維持)。
世帯支援に関しては、現下の世界原油価格高騰に伴う豪州内物価上昇に鑑み、ガソリン税を1リットル当たり0.442豪州ドル(米国の1ガロン当たり1.25米ドルに相当)引き下げるものとみられる。
同相は、“まず、世帯の支出削減に貢献する予算案を提案したい”と言及した。
ただ、豪州石油協会(1976年設立)によれば、現行の平均ガソリン価格は先週1リットル当たり0.058豪州ドル(0.043米ドル)下がって2.067豪州ドル(1ガロン当たり5.86米ドル)になっているとする。
一方、エコノミストによれば、6月30日に終わる2021~2022年度の豪州の財政赤字は、昨年12月に予想された992億豪州ドル(743億米ドル、約9兆1,390億円)に対して、700~800億豪州ドル(520~600億米ドル、約6兆3,960億~7兆3,800億円)に収まるものとみられている。
『スカイニュース・豪州』
フライデンバーグ財務相は3月29日、今晩公表する新年度予算は、世帯の支出削減に資する予算になると表明した。
キャンベラでの記者会見の場で述べたもので、同相は、“我が国の各家庭で話されている喫緊の問題について対処する意向である”と言及した。
同相は、“例えば、ガソリン価格が1リットル当たり2豪州ドル以上になっていること等、インフレーションによる家計費への圧迫について、新年度予算で然るべく対応する所存である”とも強調した。
同相は、具体的な数値を挙げていないが、今晩午後7時半に正式に発表する意向である。
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『AP通信』
3月18日にISSに到着した3人のロシア人宇宙飛行士が、ウクライナ国旗を彷彿とさせる黄地に青の宇宙服をまとっていた。
早速、ウクライナ支援を標榜するものかとの質問を浴びせられたが、オレッグ・アルテミエフ飛行士(51歳)は、言下に否定した。
同飛行士が3月19日にテレグラム(注2後記)上に投稿した文書によれば、まず宇宙服は飛行士のサイズ等に合わせて約6ヵ月前に決めて縫製されるが、偶々3人ともバウマン記念モスクワ国立工科大(BMSTU、1830年設立)出身だったので、名誉ある母校のカラーを選択したものだとする。...
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『AP通信』
3月18日にISSに到着した3人のロシア人宇宙飛行士が、ウクライナ国旗を彷彿とさせる黄地に青の宇宙服をまとっていた。
早速、ウクライナ支援を標榜するものかとの質問を浴びせられたが、オレッグ・アルテミエフ飛行士(51歳)は、言下に否定した。
同飛行士が3月19日にテレグラム(注2後記)上に投稿した文書によれば、まず宇宙服は飛行士のサイズ等に合わせて約6ヵ月前に決めて縫製されるが、偶々3人ともバウマン記念モスクワ国立工科大(BMSTU、1830年設立)出身だったので、名誉ある母校のカラーを選択したものだとする。
同飛行士は、“何ら隠された意図を以て宇宙服を着用することはない”とし、“黄地に青の宇宙服はウクライナとは無関係であり、敢えて言えば、黄色の太陽と青空だ”と表明した。
更に同飛行士は、“これから暫くISSに滞在するが、我々は常にロシア大統領とロシア国民と一緒にいる”とも付言した。
ロシア連邦宇宙局(ロスコスモス、1992年設立)のドミトリー・ロゴージン長官(58歳、2018年就任)も、BMSTUの紋章をツイッターに掲載して事態をフォローした。
ただ、同飛行士は3月18日にISSに到着したばかりのときには、黄地の宇宙服用生地の在庫が沢山あったことから、“止む無く黄地の宇宙服を着用している”と異なるコメントをしていた。
『スカイニュース』
3月18日、2月下旬のロシアによるウクライナ軍事侵攻以来初めてとなる3人のロシア人宇宙飛行士がISSに到着した。
オレッグ・アルテミエフ、セルゲイ・コルサコフ(37歳)、デニス・マトベイエフ飛行士(38歳)の3名で、黄地に青の宇宙服をまとっていた。
早速、ウクライナ国旗との関連について質問されたアルテミエフ飛行士は、“(他のロシア人飛行士を含め)別のミッションでISSに滞在するグループと異なる宇宙服をまとう必要があるが、我々用の宇宙服を準備する段階で、黄地の宇宙服用生地が多く残っていたことから、これを選択せざるを得なかった”と答えた。
しかし、ロシア国内では政府方針に異議を唱えることが取り締まられていることから、彼らも(ウクライナ国旗との関連性を)否定せざるを得なかったと疑う声が上がっている。
そこで、ロスコスモスの報道部もテレグラム上に、“今回の宇宙飛行士は3人ともBMSTU出身だったので、同校の紋章のカラーを使用したもの”だとした上で、“どこもかしこもウクライナ国旗が目に付くので腹立たしい”と投稿している。
なお、米国が対ロシア制裁に踏み切ったことから、ロスコスモス長官がISSに関わる共同プロジェクトから完全撤退すると息巻いていたが、米航空宇宙局(NASA、1958年設立)関係者はさほど深刻に捉えておらず、今回も予定どおり3人のロシア人宇宙飛行士がミッション達成のためISSに到着している。
(注1)ISS:米国・ロシア・日本・カナダ・及び欧州宇宙機関(ESA、2012年設立)が協力して運用している宇宙ステーション。地球及び宇宙の観測、宇宙環境を利用した様々な研究や実験を行うための巨大な有人施設である。1998年11月から軌道上での組立が開始され、2011年7月に完成。当初の運用期間は2024年までの予定であったが、2022年2月、NASAは2030年まで運用を継続すると発表している。
(注2)テレグラム:ロシア人技術者が2013年に開発したインスタントメッセージアプリケーション。スマートフォンのモバイルアプリケーションとして無料で利用可能。メッセージは暗号化されることでプライバシーを担保し、一定の時間が経つと消える機能もあるため秘匿性が高い。
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