豪州、記録的な暖冬【欧米メディア】
9月1日付欧米
『ロイター通信』、豪州
『スカイニュース』等は、豪州の今冬が記録的な暖冬だったと報じている。
豪州気象局(BoM、1908年設置)は9月1日、今年6~8月の全豪平均気温が1961~1990年間平均値より1.53℃高かったとし、かつ、1910年の記録する温度だったと発表した。
特に、ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州及びタスマニア州ではこれまでの最高気温を記録していた。...
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9月1日付欧米
『ロイター通信』、豪州
『スカイニュース』等は、豪州の今冬が記録的な暖冬だったと報じている。
豪州気象局(BoM、1908年設置)は9月1日、今年6~8月の全豪平均気温が1961~1990年間平均値より1.53℃高かったとし、かつ、1910年の記録する温度だったと発表した。
特に、ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州及びタスマニア州ではこれまでの最高気温を記録していた。
降雨についても同様で、全豪で1961~1990年平均降水量より4.2%少なかったという。
ただ、局地的には、西豪州北部、クイーンズランド州西部、南豪州北部及び東部においては少雨となってはいなかった。
かかる状況を受けて、BoMは追って、高温かつ乾燥した気候をもたらすエルニーニョ現象(注後記)が発生していると認めることが見込まれる。
BoMは以前、エルニーニョ現象に伴う気象状況が現れるのは今年9~11月頃と予想していた。
一方、世界気象機関(WMO、1950年設立の国連専門機関のひとつ)は7月、太平洋熱帯地域に7年振りとなるエルニーニョ現象が発生していると発表していた。
なお、BoM気候変動専門のカール・ブラガンザ気象学博士は、“今春(9~11月)の気象予報では、全国的に平年より少雨となり、かつ広範囲でより乾燥した気候になるとみられる”とコメントしている。
従って、BoMがエルニーニョ現象の発生を公に発表することになれば、政府当局は早速、ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州、クイーンズランド州及び北部準州で、危険かつ壊滅的な大規模森林火災が発生する恐れがあるとの警告を発する予定である。
(注)エルニーニョ現象:中央太平洋及び東太平洋の熱帯域で発生する海面水温が上昇しては下降する振動。その結果、西太平洋に高い気圧を、東太平洋には低い気圧をもたらし、そのために発生した偏西風によって、本来冷水海域の南米ペルー沖に赤道方面から暖かい海水が流れ込み、平均水温が1年余り平年より高い状態が続く現象。これまでの記録で、エルニーニョ発生時に地球上の平均気温が高くなり、一部地域に極端な少雨・干ばつ、また別の地域に豪雨をもたらす異常気象が発生している。
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「ワシントン大行進」60周年記念日の前乗りに数千人【米・英国メディア】
8月28日は、「ワシントン大行進(注1後記)」60周年記念日である。そこで、8月26日には前乗りの数千人が首都ワシントンDCに集結している。
8月26日付米
『AP通信』、8月27日付英国
『スカイニュース』TV等は、8月28日の「ワシントン大行進」60周年記念日の前乗りに数千人が首都ワシントンDCに集結したと報じている。
8月28日は、60年前に公民権活動家のマーティン・ルーサー・キングJr.牧師(1929~1968年)が率いた「ワシントン大行進」が行われた日である。
当日の60周年記念式典は、故キングJr.牧師が設立したNPOシンクタンク「ドラム・メジャー・インスティテュート(1961年設立)」及び人権活動家のアル・シャープトン牧師(68歳)が立ち上げたNPO団体「ナショナル・アクション・ネットワーク(1991年設立)」でそれぞれ開催される。...
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8月26日付米
『AP通信』、8月27日付英国
『スカイニュース』TV等は、8月28日の「ワシントン大行進」60周年記念日の前乗りに数千人が首都ワシントンDCに集結したと報じている。
8月28日は、60年前に公民権活動家のマーティン・ルーサー・キングJr.牧師(1929~1968年)が率いた「ワシントン大行進」が行われた日である。
当日の60周年記念式典は、故キングJr.牧師が設立したNPOシンクタンク「ドラム・メジャー・インスティテュート(1961年設立)」及び人権活動家のアル・シャープトン牧師(68歳)が立ち上げたNPO団体「ナショナル・アクション・ネットワーク(1991年設立)」でそれぞれ開催される。
そこで、前乗りの数千人が8月26日、首都ワシントンDCの国立公園ナショナル・モール(注2後記)に集結して運動の活気付けを行っている。
国際人権活動団体「世界黒人経済フォーラム」のアルフォンソ・デビッド代表(52歳、LGBTマイノリティ人権活動家)は、“故キングJr.牧師が率いた「ワシントン大行進」からの60年で、人権活動は大いに前進してきた”としながらも、“彼が言及した「夢」を実現するにはまだ道のりは長い”とコメントした。
また、60年前と変わっていることが2つある。
ひとつは、元々アフリカ系米国人(黒人)の公民権運動が主体であったが、現在はLGBTマイノリティやアジア系米国人の人権擁護活動が主要になりつつある。
もうひとつは、集会で演説を行う人の多くが女性となっていることである。
60年前は、僅か1人しか演説を許されていなかった。
なお、故キングJr.牧師の遺児である人権活動家のマーティン・ルーサー・キングIII氏(65歳)及び教職者兼弁護士のバーニス・キング氏(60歳)は8月25日、2011年に建てられたマーティン・ルーサー・キング記念碑を訪れて故人を偲んだ。
一方、8月28日当日にナショナル・モールで行われる記念式典には、ジョー・バイデン大統領(80歳、2021年就任)及びカマラ・ハリス副大統領(58歳、2021年就任)が出席する予定である。
また、ホワイトハウスによると、故キングJr.牧師の遺族らがホワイトハウスに招待されているという。
(注1)ワシントン大行進:エイブラハム・リンカーン大統領(1809~1865年)による奴隷解放宣言から100年目にあたる1963年の8月28日、首都ワシントンで黒人を中心にした二十数万人の大群衆が「仕事と自由」のために結集し、黒人差別の即時撤廃を要求して行った歴史的デモンストレーション。第二次世界大戦後、マーティン・ルーサー・キングJr.牧師を代表的指導者として急激に展開された黒人公民権運動の頂点を画した。このときのキング牧師の演説、「私には夢がある」は、不朽の名演説となった。この行進の直接的成果は、以前のものよりいっそう進んだ内容の1964年公民権法を生み出し、広範な市民的諸権利獲得を目ざす黒人解放運動に重要な足場を提供して、その後の黒人の著しい地位向上に大きく貢献している。
(注2)ナショナル・モール:東端の議会議事堂から西端のリンカーン記念堂まで約3キロメートル続く、ワシントンDC中心部にある国立公園。ワシントン記念塔・ナショナル・ギャラリー(米国立美術館)・歴史博物館・航空宇宙博物館等が建つ。
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