米副大統領、初外遊後各方面から手腕を疑問視する声
カマラ・ハリス副大統領は先週、初の外遊を行った。南部国境で急増している不法移民問題に対応するため、グアテマラとメキシコを訪れた。その際受けたインタビューでの対応に対し各方面から批判にさらされている。準備していた上での対応だったため、支持者からも手腕を疑問視する声が上がり始めている。
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『ザ・ウィーク』によると、ハリス副大統領は外遊中に応じた米テレビ局のインタビューで、南部国境を訪れていない理由について質問された。その質問に対し、「私はヨーロッパにまだ行っていませんしね。あなたが言っていることが理解できません」と回答した。ザ・ヒル紙は、この発言について、「ホワイトハウスの内外でほとんどすべての人が頭を振っていた 」と報じた。
CNNは、ハリスは初の外遊に先立ち、国境訪問に関する質問を含めて、徹底的に予習していたと報じた。...
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『ザ・ウィーク』によると、ハリス副大統領は外遊中に応じた米テレビ局のインタビューで、南部国境を訪れていない理由について質問された。その質問に対し、「私はヨーロッパにまだ行っていませんしね。あなたが言っていることが理解できません」と回答した。ザ・ヒル紙は、この発言について、「ホワイトハウスの内外でほとんどすべての人が頭を振っていた 」と報じた。
CNNは、ハリスは初の外遊に先立ち、国境訪問に関する質問を含めて、徹底的に予習していたと報じた。しかし、予習していたにもかかわらず、ヨーロッパにも行ったことがないとしか答えられなかったことで、支持者や政権関係者はより不安を感じているという。ハリスが4月に「幅広いメディア対応トレーニング」に参加しているにもかかわらず、国境問題の簡単な質問でつまずいたのは、大統領選挙戦時にも彼女が苦戦した「メッセージングの仕方」にあるのではないかとも指摘されている。
米『アクシオス』は、ハリス副大統領が外遊先のインタビューでつまずいたことで、彼女の大統領選の際の討論会での失敗は、側近ではなく彼女自身の問題だったのではないかという議論が再燃していると伝えている。
ハリスが民主党の大統領候補者の中で最初の撤退者になった要因のひとつは、優秀な側近に恵まれていなかったからだと言われてきた。しかし今、副大統領となったハリスには、国内の優秀な人材を自分のチームに引き入れるだけの裁量と権限を持っているはずだ。
ハリスは、バイデン大統領が2期目を目指さない場合に、2024年の大統領選に向けて民主党にとっての最良の選択肢として自分をアピールする絶好のポジションにいる。このような外遊や、バイデン大統領から与えられた移民問題や雇用問題の案件を主導することで、次回の選挙で最有力候補者として躍り出ることができる。
しかし、今回のグアテマラとメキシコへの外遊では、民主党候補者選びの時のようにハリスに対する否定的な記事が多いという。NBCニュースの国境に関する簡単な質問に答えられず、他のレポーターとのインタビューでも、あまり良い結果が得られなかった。
複数の元側近がアクシオスに語ったところによると、副大統領はイベントなどの準備の際に扱いが難しいことで有名だという。匿名希望の元側近は、ハリスは「非常に知的好奇心が旺盛」であり、そのためブリーフィングでは、控えているイベントやインタビューには必ずしも関係のない話題を際限なく掘り下げてしまうことが多いと指摘している。また、妹のマヤを筆頭に、限られた人たちの話しか聞かない傾向があるという。別の元側近は、「初回からうまくやってのけない人は、相手にされない。結果的に、副大統領が最も頼りにしている人が、すべての準備を主導することになってしまうが、すべての準備を同時にうまくこなすことは誰であっても無理な事だ」と指摘している。
米ロサンゼルス紙『デイリー・ブリーズ』は、ハリス副大統領は国境問題の根本原因を解決する責任者としてはそもそも適任ではないと伝えている。ハリスは、NBCテレビで「不法移民が入国を許可されていることが知れ渡っているのに、なぜ中南米の人々は、国境が閉じられているという、あなたの発言を信じることができるのでしょうか」と問われた。ハリスはこれに対して何も答えず、「この問題には非常に長い間取り組んできた」と主張した。確かにハリスは、最初はサンフランシスコの地方検事として、次に州全体の検事総長として、そして米国の上院議員として、この問題に取り組んできたという。しかし、不法移民を受け入れ、強制送還には反対する「サンクチュアリ政策」を声高に主張してきた人であるため、同紙はバイデン大統領から任された仕事には全くふさわしくない人材だと指摘している。また、ワシントンDCでは、故意に彼女が失敗するように仕組まれているのではないかという憶測が飛び交っていると伝えている。
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AP通信「軽犯罪での実名報道しない」
世界にニュースを配信しているAP通信社は、軽犯罪事件については今後、容疑者が逮捕されても実名を報道しない方針を示している。インターネット上に個人情報が長期間残り、当事者の社会復帰などの妨げとなるのが理由だという。殺人等の重罪事件については、市民の安全を考慮しこれまで通り実名報道を行うとしている。
6月15日付米国
『ザ・ヒル』は「AP通信、今後は軽罪事件での容疑者の実名報道をしない」との見出しで以下のように報道している。
AP通信社は、軽犯罪事件については今後、容疑者が逮捕されても実名を報道しない方針を示している。同社は、ネット上に実名情報が長期間保存され、当事者の求職や社会復帰の妨げとなりかねないというのが理由だという。
また読者にとり有益な情報であるか検討し、必要ないと判断される場合は、公平性を維持したうえで、追加記事には犯人確保という以上の報道はしない。...
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6月15日付米国
『ザ・ヒル』は「AP通信、今後は軽罪事件での容疑者の実名報道をしない」との見出しで以下のように報道している。
AP通信社は、軽犯罪事件については今後、容疑者が逮捕されても実名を報道しない方針を示している。同社は、ネット上に実名情報が長期間保存され、当事者の求職や社会復帰の妨げとなりかねないというのが理由だという。
また読者にとり有益な情報であるか検討し、必要ないと判断される場合は、公平性を維持したうえで、追加記事には犯人確保という以上の報道はしない。実名を非掲載とする以外にも、実名が出ている軽罪記事へのリンクも付けも行わず、(読者の目を引くように)特徴的だという基準で顔写真を掲載することはないという。
これらの措置は軽犯罪のみに適用され、殺人等の重大事件については、市民の安全を考慮し、これまで通り実名報道を行うとしている。
同日付オランダ『BNOニュース』は「AP通信が軽罪容疑者の実名報道中止へ」との見出しで以下のように報道している。
世界最大手ニュース機関の一つであるAP通信社は15日、今後軽犯罪などの報道においては実名を公表しない旨を発表した。また、見た目の理由から顔写真を掲載するのも止める方針だという。「AP通信のニュースは広範囲に配給されており、記事内で実名が報じられた容疑者が後に求職や復帰をする際に困難となる可能性がある」と標準担当副社長ジョン・ダニシェフスキー氏は声明で述べている。
軽犯罪について、追加報道がされない場合には、容疑者の実名は今後伏せて報道されることとなる。これは、詳細が特異だと判断される記事にも適用される。
容疑者の実名情報は一般的に地元住民以外には価値がないと判断される。顔写真により人物が特定できるという理由から、写真も掲載しない方針だという。また、容疑者の見た目から判断し、写真や記事を掲載することも止める。このような顔写真は、ローカル局のウェブサイトの写真ギャラリーに使用されることもあり、ニュースの価値や市民の安全という理由よりも、酷い写真だということに注目が集中する傾向があるためだという。
弁護士でテレビタレント、そして今年のニューヨーク地方裁判官に立候補しているパーソナリティのエリザオリンズは、AP通信の決定について「とても大きな動き。市民を守る弁護士として、事件が解決し何年経っても報道により人生を狂わされた人を見てきた」と述べている。
また、同日付米国『AP通信』は、「軽罪に関する報道として、裸や酔ってバーで踊り逮捕された人などの報道があるが、地域限定や全国的に関心は集めるものの、翌日には忘れられてしまう程度のものだ。だが、逮捕者の名前は容疑が取り下げられたり、釈放されてからもネット上に永久的に残っており、そのため仕事を得る機会を失ったり、クラブに所属したり起業する際に妨げとなることもある。」
「ボストングローブ紙など他の機関でも同様の動きがあり、ネット上に名前が残っている人からの要望からという場合もある。2018年の Dwyerの調査によると、ニュース機関の8割では、アーカイブから記事を削除する規定が約5年前からあるが、明文化はされておらず社内での議論も十分ではない。」としている。
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