ドイツ首相、この時期の訪中&首脳会談は”もしトラ”の場合の布石?【欧米メディア】(2024/04/15)
岸田文雄首相(66歳、2021年就任)の訪米について、外交筋の見方では、米国第一主義のドナルド・トランプ前大統領(77歳、2017~2021年在任)がもし大統領に返り咲いた場合も想定しての日米同盟関係強化にあったと言われる。そうした中、欧州連合(EU、1958年前身設立)の雄であるドイツ首相がこの程、訪中して両国首脳会談を開くことになったが、同じく“もしトラ”の場合を想定して、長期化するウクライナ戦争や激化するイスラエル・イラン対立を治めるには(米国ではなく)中国の仲介が必要と考えてのこととみる向きもある。
4月14日付
『ロイター通信』、
『AFP通信』は、ドイツ首相がこの程、中国製電気自動車(EV)の欧州輸出やウクライナ戦争継続のロシアへの支援問題を討議するために訪中すると報じている。
ドイツのオラフ・ショルツ首相(65歳、2021年就任)は4月14日、2022年11月以来就任後2度目の訪中をしている。
今回の訪中は3日間にわたるものだが、イスラエル・ハマス戦争に端を発したイスラエル・イラン間対立が激化しつつある時期のことであり、また、ウクライナ戦争を止めようとしないロシアについて中国が依然支持を継続している最中のことである。...
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4月14日付
『ロイター通信』、
『AFP通信』は、ドイツ首相がこの程、中国製電気自動車(EV)の欧州輸出やウクライナ戦争継続のロシアへの支援問題を討議するために訪中すると報じている。
ドイツのオラフ・ショルツ首相(65歳、2021年就任)は4月14日、2022年11月以来就任後2度目の訪中をしている。
今回の訪中は3日間にわたるものだが、イスラエル・ハマス戦争に端を発したイスラエル・イラン間対立が激化しつつある時期のことであり、また、ウクライナ戦争を止めようとしないロシアについて中国が依然支持を継続している最中のことである。
同首相は前者の事態について、イランによるイスラエルへのミサイル攻撃を“可能な限り強い言葉で非難した”と首相府報道官は述べている。
そして別のドイツ高官によると、ドイツとしては、緊張が高まりつつある中東の問題を沈静化させるのに中国が一役買ってくれるものと信じているという。
何故なら、中国は昨年3月、(犬猿の仲だった)イランとサウジアラビアの外交関係正常化の仲介の労を取っているし、また、『ロイター通信』報道によると、(イスラエルと戦闘状態にあるパレスチナを支援する)イエメン反政府武装集団フーシ派(1994年活動開始)による紅海通航の船舶へのロケット弾攻撃を止めさせるようイランに要求しているとされているからである。
更に、ウクライナ戦争を止めようとしないロシアへの圧力を強めるべく、ドイツとしては中国を再考させるべくはたらきかけたいと考えている。
何故なら、同首相の訪中直前にドイツ高官が4月12日、“中国の対ロシア貿易継続支援によって、ロシアによるウクライナ侵略戦争の継続を可能にしていることから、欧州内外で中国に対する信用失墜を引き起こしている”と率直に述べているからである。
また、同首相自身も出発当日の4月13日、“肝心なことは、隣国ウクライナに残忍な戦争を仕掛けるロシアを中国が支援しないことである”とSNSに投稿しているからである。
なお、同首相は4月16日、北京において習近平国家主席(シー・チンピン、70歳、2012年就任)と首脳会談を行う予定である。
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気候変動:世界での3月平均温度は記録的で、10か月続けて月最高値を示した(2024/04/10)
『フランス24チャンネル』4月9日付けでは、産業革命前の3月の普通の気温に比べて、1.68℃も高くなった。 欧州のコペルにクス気象台によると、これで連続10カ月続けて月平均温度の記録を塗り替えたと伝えている。
3月の新たな気温の記録によって、過去の10カ月は、これまで世界で記録された中で最も暑かったと結論付けられる。さらに、19世紀の化石燃料の燃焼の影響や脱森林効果や集約的農業がなかった時代の地球の気候に比べて1.58℃も高くなっている。
これまでの継続した10年間の月ごとの気温データを追跡すると、2024年3月データは、人間活動による気候温暖化現象とともに、エル・ニーニョ現象の影響が加わって自然災害が多発しているという新しい傾向を示している。...
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3月の新たな気温の記録によって、過去の10カ月は、これまで世界で記録された中で最も暑かったと結論付けられる。さらに、19世紀の化石燃料の燃焼の影響や脱森林効果や集約的農業がなかった時代の地球の気候に比べて1.58℃も高くなっている。
これまでの継続した10年間の月ごとの気温データを追跡すると、2024年3月データは、人間活動による気候温暖化現象とともに、エル・ニーニョ現象の影響が加わって自然災害が多発しているという新しい傾向を示している。その
一方では、人類は温室効果ガスの発生をくいとめることに未だに成功していない表れでもある。
なお、2023年7月が、世界で過去に測定された中で最も暑い月になったが、6月までの全ての月も、これまでの最高温度の記録を書き替えた。コペルニクス欧州気象台の気候変動サービス局(C3S)は、「4月9日火曜日、2024年3月の気温が、産業革命前(1850―1900)の普通の3月の気温に比べ、1.68℃上昇した。」と発表した。
もし、過去の12か月間で地球上の気温が、産業革命以前より1.58℃上昇したとなると、パリ合意の限界値1.5℃を超過することになる。この異常状態は、20年以内で解消されなければいけないという。
C3Sの副所長によると、「1.5℃のしきい値はすでに超えていて、異常現象が起こる前の執行猶予期間中である。」と警告した。
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