優勝したのは、フェラーリNo.51チームで、3人のドライバーは、2人のイタリア人、アレサンドロ・ピエル・ギデイとアントニオ・ギオビナッシと、1人のイギリス人、ジェイムス・カラドであった。このチームは、息詰まるデッドヒートの末、昨年度優勝したトヨタNo.8チームを制して勝利した。
イタリアのフェラーリ・レーシングクラブにとってはルマン24時間自動車耐久レースでの58年ぶりの優勝を勝ち取り派手なカムバックとなった。...
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優勝したのは、フェラーリNo.51チームで、3人のドライバーは、2人のイタリア人、アレサンドロ・ピエル・ギデイとアントニオ・ギオビナッシと、1人のイギリス人、ジェイムス・カラドであった。このチームは、息詰まるデッドヒートの末、昨年度優勝したトヨタNo.8チームを制して勝利した。
イタリアのフェラーリ・レーシングクラブにとってはルマン24時間自動車耐久レースでの58年ぶりの優勝を勝ち取り派手なカムバックとなった。とりわけ、今回は100回目の記念大会であった。
なお、過去5年間はトヨタに主導権を握られていただけにフェラーリにとっては喜びもひとしおであった。
決勝タイムの2時間前、フェラーリとトヨタの距離は30秒足らずに接近していたが、トヨタチームの平川亮がブレーキングに失敗してアルナージ・カーブの障壁に追突した。トヨタGR010ハイブリッド車は再スタートしたが、コクピットに立ち寄りボンネットの交換を余儀なくされた。そのため、フェラーリチームの独壇場となり、1965年以来のルマン24時間耐久レースでの劇的な勝利につながった。なお、3位にはキャデラックNo.2チーム、4位にはキャデラックNo.3チームが名を連ねている。
今回は、フェラーリの他にポルシェ、キャデラック、プジョーなどのレーシングクラブが復帰した大会となった。総計62台の車が参加したが、接触事故や土曜日午後の激しいにわか雨などで、1/3の車は完走できないという過酷なレースとなった。
土曜日の天気予報の悪化予想とは裏腹に、約30万人の観客がサーキットに殺到した。これは、記録的な観客数で、昨年末には全てのチケットが完売したという。
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6月12日付英
『ガーディアン』:「主要国の核兵器保有数増加、シンクタンク」:
大手シンクタンクのストックホルム国際平和研究所は、主要軍事国が保有する核弾頭の数は増加傾向にあるとし、世界は「人類史上最も危険な局面の一つに入りつつある」と警告している。
国際関係が悪化し、核による軍事威嚇が高まる中、現在世界には12,512個の核弾頭があり、そのうち9,576個は使用可能な状態にあると推定されている。...
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6月12日付英
『ガーディアン』:「主要国の核兵器保有数増加、シンクタンク」:
大手シンクタンクのストックホルム国際平和研究所は、主要軍事国が保有する核弾頭の数は増加傾向にあるとし、世界は「人類史上最も危険な局面の一つに入りつつある」と警告している。
国際関係が悪化し、核による軍事威嚇が高まる中、現在世界には12,512個の核弾頭があり、そのうち9,576個は使用可能な状態にあると推定されている。その数は昨年より86個多くなっているという。
東西冷戦により徐々に減少傾向になっていた核弾頭は一転し増加傾向を示している。同研究所は、新核弾頭のうち60個は中国が保有するものだとしている。その他は、ロシアが12個、パキスタンが5個、北朝鮮が5個、インドが4個を保有、全体ではロシアと米国がほぼ9割を所有する。
世界の核弾頭の中には解体されるものも含まれるため、3,844個がミサイルや軍用機へ配備されているとみられる。そのうち約2000個は、その殆どはロシアと米国が保有しており、すぐに使用可能な状態であるとみられる。
一方で、ロシアによるウクライナ侵攻以来、ロシア、英国、英国を含む多くの国が透明性を欠いていることから、その全容を把握するのは困難だとしている。
第3の保有国である中国は、2022年の350個から410個に増加。増加が続くとみられているが、米国やロシアを上回ることはないとみられる。中国は核兵器の数を公表したことはなく、評価の多くは米国防総省のデータに基づくものである。
次いで、フランスと英国が保有数の多い国だが、英国は2年前、保有数を225から260個へ引き上げると発表していることから、今後増加すると予測されている。
同日付『タイムズ・オブ・イスラエル』(AFP通信):「核兵器増加、中国で顕著」
12日のシンクタンクの発表によると、昨年、中国などの数カ国の核弾頭保有が増加傾向にあり、核保有国は地政学的緊張が高まる中、装備の最新鋭化を継続しているという。
世界の核保有9カ国に関する年次報告書によると、保有を認めていないイスラエルも保有数を拡大していない4カ国(米国、英国、フランス)に含まれているという。
核保有9カ国である英国、中国、フランス、インド、イスラエル、北朝鮮、パキスタン、ロシア、米国の合計核弾頭数は、2023年はじめ12,512個で、昨年はじめの12,710から減少している。
使用可能な核弾頭の数は、1980年代の7万個以上には遥かに及ばないが、上昇傾向にあるという。増加幅が大きいのは中国で、350個から410個へ増加。インド、パキスタン、北朝鮮でも増加傾向にあり、ロシアでは、4,477個から4,489個へと、やや増加している。
イスラエルの保有数については、これまで同様90個だとするが、核開発計画が不明瞭なため、非常に不透明だとしている。
報告書では核兵器増加に関して、ウクライナ侵攻は近年の出来事であり、保有国の多くは中国のようなに直接的な影響を受けた国ではないため、時間を要する核兵器増加を語るには少しずれがあるとする。
中国は経済力と影響力が増したことで、軍事強化を図ってきた。世界の大国として巨大化した中国は、今日の世界のリアリティなのである。
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