トランプ前大統領;今度は議会監視委員会によって外国要人から贈られた高価なギフト隠匿疑惑調査対象に【米メディア】
既報どおり、ドナルド・トランプ前大統領(76歳、2017~2021年在任)は、2021年1月6日発生の議会乱入事件を扇動した嫌疑や、退任後に不当に機密文書等を私邸に持ち込んだ容疑で取り調べられている。そうした中、今度は議会監視・改革委員会(HCOR、1927年設立)より、大統領時代に外国要人から贈られた高価なギフトを隠匿した嫌疑で調査対象となっている。
11月4日付
『ワシントン・ポスト』紙は、「議会監視委員会、外国要人から贈られた高価なギフトを隠匿している嫌疑でトランプを調査」と題して、大統領在任中に外国要人から贈られた高価なギフトについて、ドナルド・トランプ前大統領が不当に隠匿している嫌疑で調査されていると報じた。
匿名情報によると、議会監視委員会が、大統領在任中にドナルド・トランプ前大統領及びその家族が、外国要人から贈られた高価なギフトを隠匿している疑いで調査しているという。...
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11月4日付
『ワシントン・ポスト』紙は、「議会監視委員会、外国要人から贈られた高価なギフトを隠匿している嫌疑でトランプを調査」と題して、大統領在任中に外国要人から贈られた高価なギフトについて、ドナルド・トランプ前大統領が不当に隠匿している嫌疑で調査されていると報じた。
匿名情報によると、議会監視委員会が、大統領在任中にドナルド・トランプ前大統領及びその家族が、外国要人から贈られた高価なギフトを隠匿している疑いで調査しているという。
2人の事情通の証言によると、HCORが、当該ギフトを記録・保管しておく任にある米国立公文書記録管理局(NARA、1935年前身設立)に対して、調査協力を依頼したという。
保管リスト上では、安倍晋三首相(1954~2022年、2012~2020年在任)から贈られたゴルフクラブ、ウラジーミル・プーチン大統領(70歳、2000年就任)からの2018年サッカーワールドカップ用試合球、エジプト大統領からのホルス(古代エジプト神話の太陽神)の金メッキ首飾り、エルサルバドル大統領からのトランプ自画像、サウジアラビアから栄誉礼として贈られた6,400ドル(約94万円)相当のアブドルアジーズ・アール・サウード国王(1876~1953年、建国の祖)紋章の首飾り等が調査対象になっている。
調査に関わる匿名者の証言によると、これらのギフトは総額5万ドル(約740万円)相当であり、HCORはNARAに対して、当該ギフトは法に則って、トランプ退任時にホワイトハウスからNARAに移管されたかどうか照会したという。
トランプ側近によれば、HCORからトランプ陣営に対して、当該ギフトのリスト提出を求められているという。
HCORは今夏、キャロリン・マロニー委員長(76歳、ニューヨーク州選出の民主党議員、1993年初当選)の主導によって、同前大統領が当該ギフト類を「外国からのギフト・装飾品管理法(FGDA、1966年制定)に則って適切に処理しているか調査に着手している。
FGDAによると、大統領及び政府高官は、私費で購入しない限り、単価が415ドル(約6万1千円)以上のギフトを私的に保持することが禁じられている。
FGDAには違反に対する罰則規定はないが、倫理学専門家は状況次第で立件される可能性があるとする。
責任と倫理のための市民グループ(CREW、2003年設立、本部ワシントンDC)のバージニア・キャンター主任倫理勧告人は、“もし大統領や政府高官が、高価なギフトを法に則って連邦政府に移管していないとした場合、このような事例が過去になかったものの、立件されることにはならないとは言い切れない”とコメントしている。
マロニー委員長は今年6月、NARAのデブラ・スタイデル・ウォール局長代行(2022年就任)に宛てた調査協力要請書簡の中で、“国務省儀典局からの情報によると、2020年に前大統領及び家族が受け取ったギフトのリストを要求するのを怠っており、以降も全く必要な記録簿を入手できていない”とした上で、“彼らが受け取ったであろうギフトの贈り人・種類・価値及びどこに保管されているかについての詳細情報を提供して欲しい”と言及している。
なお、ホワイトハウスの元スタッフで、同前大統領の記録簿の整理を担当していた人物は、匿名を条件に、“前大統領は物を手元に置くことに非常に固執する人物だ”とした上で、“特に、生涯を通じて、思い出の品やギフトを自分のものとして所有することを喜びとしてきている”と証言した。
また、元大統領首席補佐官だったジョン・ケリー氏(72歳、2017~2019年在任)も、“前大統領は外国要人から贈られたギフトを常に自分で保管しようとしていた”とし、“前大統領が自分個人に宛てて贈られたものだと主張したのに対して、米国大統領に宛てられたものなので、法に則って処理する必要がある、と説いた”と述べた。
更に、“前大統領は自分のものだとの主張を頑として譲らず、何故自分で所有できないのかの理由も理解していなかった”とし、“前大統領が、(それらを自分で所有するために)私費で購入しようとする姿を見たことがない”とも言及している。
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世界遺産の氷河3分の1が2050年までに消滅
気候変動に関する国際会議「COP27」にあわせて発表された最新の国連報告書によると、温暖化の影響で、世界遺産の氷河の3分の1が2050年までに消滅すると予測されている。
11月3日付米
『ワシントン・ポスト』:「ヨセミテ国立公園やアフリカの氷河が2050年までに消滅 国連報告書」:
国連ユネスコの最新報告書によると、ヨセミテ国立公園を含む、世界遺産の氷河のうち少なくとも3分の1が、今世紀半ばまでに消滅するとみられている。
これはたとえ温暖化が1.5度に収まったとしても起き、残り3分の2は、温室効果ガスの排出が劇的に減り、世界の気温上昇が(産業革命前比で)1.5度に抑えられる場合にのみ留まる、と報告書は結論つけている。...
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11月3日付米
『ワシントン・ポスト』:「ヨセミテ国立公園やアフリカの氷河が2050年までに消滅 国連報告書」:
国連ユネスコの最新報告書によると、ヨセミテ国立公園を含む、世界遺産の氷河のうち少なくとも3分の1が、今世紀半ばまでに消滅するとみられている。
これはたとえ温暖化が1.5度に収まったとしても起き、残り3分の2は、温室効果ガスの排出が劇的に減り、世界の気温上昇が(産業革命前比で)1.5度に抑えられる場合にのみ留まる、と報告書は結論つけている。
世界遺産に指定されている1150ヶ所のうち約50ヶ所に氷河が存在しており、これは、世界の氷河の約10分の1に相当する。世界遺産内の約19000の氷河は、1年あたり600億トン消失しているといい、これはスペインとフランスで1年間に使用される水の量に相当する。
融解速度を遅らせるため、氷河をブランケットで覆うなどの対策も行われているが、コスト面や氷河へのアクセスが困難なことからそのような対策は難しい。
氷河は氷河期に形成され、その後縮小する。10万年以上前の「氷河期」、そして19世紀の最後の「小氷期」の後、ヨーロッパでは自然融解がおきている。スイスでは今年だけで実に6%の氷河が融解。氷河融解は、熱波によって川が干上がるのを防ぐなど、気候変動の影響を和らげる効果がある一方、今は急速に限界に達しつつある。氷河湖の氾濫による洪水など、自然災害への早めの警報システムも求められる。
世界各地で、考古学者が探すよりも早く、古代遺物が自然に出現する現象がみられるという。一部の氷河は、先住民やその土地の重要な史跡となっている。ペルーの山中の氷河では、数世紀続く先住民の「スノースターフェスティバル」が行われていたが、氷河消滅の影響を受けている。
低中高度の比較的小さな氷河が最初に消滅する。2000年~2010年の小型氷河の消滅率は2倍以上。同時に、氷河が形成される程の寒冷な地域がより減少しており、現在新たな氷河が形成される限界高度が3000メートルと、ここ数十年で数百メートル上昇しているという。
同日付英『BBC』:「気候変動:キリマンジャロなどのアフリカの氷河が2050年までに消滅」:
国連ユネスコの報告書によれば、気候変動のため、アフリカ最後の氷河を含む世界遺産の氷河の3分の1が、30年以内に消滅するという。これは温暖化対策が取られたとしても、防ぎようがないのだという。残り3分の2の氷河は、温暖化が1.5度以内に留まった場合には保存されるが、報告書によると、現時点でこの目標が達成される見込みはないとされている。
世界遺産に登録された場所には、約18600の氷河があり、これは世界の氷河の10%に相当。人気の観光スポットや民族的固有の伝統ある場所も含まれる。キリマンジャロ山やアルプス、米ヨセミテ国立公園など、イラン、中国、ケニヤ、フランス、イタリア、ロシア、スイス、カナダ、インドネシアなどの山や公園に分布している。
今回の報告書は、衛生データの予測に基づくもので、来週エジプトで開催される気候変動に関する国際会議「COP27」に向けて発表された。
家庭や農業用水として氷河を利用している人々もおり、氷河が失われると、干ばつ期の魚にも影響するため、食料危機にも発展しかねない。事前に警告することで先住民への洪水被害などは減らせるが、最も効果のあるのは、温暖化を遅らせることである。
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