カンボジア、中国海軍拠点建設疑惑を否定
カンボジアの海軍基地に中国軍が利用する施設を建設しようとしていると欧米メディアが報じたが、カンボジアと中国は、中国による軍事的使用が目的ではないとこれを否定している。
6月8日付英
『ガーディアン』:「豪首相が懸念する海軍計画をカンボジアと中国は否定」:
カンボジアと中国は、カンボジアの基地に中国艦隊が利用する海軍施設を秘密裏に建設しているとした報道を否定している。オーストラリアの新首相は、このプロジェクトに懸念を表し、透明性を求めている。
米「ワシントン・ポスト誌」が、匿名の当局者の話として、戦略的拠点であるタイランド湾に面したカンボジアのリアム基地に中国軍が利用する新たな施設を建設されていると報じた。...
全部読む
6月8日付英
『ガーディアン』:「豪首相が懸念する海軍計画をカンボジアと中国は否定」:
カンボジアと中国は、カンボジアの基地に中国艦隊が利用する海軍施設を秘密裏に建設しているとした報道を否定している。オーストラリアの新首相は、このプロジェクトに懸念を表し、透明性を求めている。
米「ワシントン・ポスト誌」が、匿名の当局者の話として、戦略的拠点であるタイランド湾に面したカンボジアのリアム基地に中国軍が利用する新たな施設を建設されていると報じた。この基地は以前から米国とカンボジアの間で懸案事項となっていた場所。米国は、国際的軍拡を狙う中国の利用目的に転換されるのではと懸念していた。
豪外務大臣との電話会談で、カンボジアのソーケーン副首相は、この報道を「根拠のない言いがかり」だと否定。一方、中国台頭への対策としてインドネシア訪問中の豪のアルバニージー新首相は、これらの報道を「懸念している」とし、中国に透明性を求めた。また、「豪は定期的にカンボジアと連絡を取っているが、如何なる海外の軍も特別待遇をしないと確約していた」とした。
豪は、太平洋地域での中国の軍拡に懸念を高めている。4月には豪から2千キロ以内にあるソロモン諸島と中国の平和条約締結案がリークされ、中国海軍の太平洋諸島への展開にむけ懸念が高まった。
カンボジアのフン・セン首相は、リアムの建設は、中国の支援による船舶のメンテナンス施設基地の近代化に他ならないと主張。5月の演説では、「カンボジアは領土内における如何なる外国軍の存在を必要としない」と述べていた。
中国側も、基地はカンボジア側の使用のみの目的だと主張。 趙麗建外務省報道官は7日、報道陣に対し、「リアム基地の工事はカンボジアの海軍力の補強による海洋自治権強化と海洋犯罪の取り締まりのみが目的」と述べ、米国の批判はカンボジアへの「悪意ある攻撃と汚名」と批判した。
2019年米メディアにより、中国の戦艦を同基地に停泊させる協定案が報道されていた。その後、カンボジアは米国資金で建設された基地内の施設や、米軍との合同演習に使われた施設の一部を解体していた。カンボジア防衛相と中国の大使は、船舶修理工場や防波堤などのリアムの新施設の開幕式に出席する予定。
6月7日付米『ブルームバーグ』:「中国が秘密裏に海軍施設を建設との報道をカンボジアが否定」:
カンボジアが再度、中国が秘密裏に同国の基地に海軍施設を建設中との懸念を否定した。両国は、今週軍事プロジェクトを開始する予定。
欧米当局は、中国の軍事プレゼンス拡大を懸念。カンボジアの政府報道官は、今週、中国との港湾関連プロジェクトが開始されるとするも、中国に基地への特別アクセス権はないと主張した。8日には、船舶修理工場や船台の建設に関連するプログラムを予定。カンボジアの外交官も招待されており、「何も隠していることはない。基地の特別使用は憲法違反となる。誰もが使用でき、問題視されるものではない」としている。
このカンボジアでの動きは、中国の同地域での軍拡懸念をさらに高めることとなる。王毅外務相は、開発協定締結のため、最近でも多くの太平洋諸国を訪問している。中国は、今年始め、カンボジアを「鉄壁の友人」と表現、両国の軍事強化で覚書に署名をしたが、詳細については示されていない。
プノンペンの米大使館のチャド・ローデマイヤー報道官は、「リアム基地での中国のプレゼンスは、カンボジアの自治権および地域の安全保障を脅威となる」とし、我々は「信頼に足る報道により、中国がリアム海軍基地での重要な新規建設プロジェクトに関わっているとみなすもの」としている。バイデン米政権は、11月、カンボジアの基地の汚職問題に関連した軍事高官2名を含む、企業や個人を制裁対象としている。
閉じる
トランプ前大統領元側近の暴露本;トランプ自身からの非難で売り上げ落ち込み【米メディア】
米社会に分断をもたらしたトランプ前大統領は、元側近の中でも各々発刊する「回想録」の中で賛否が分かれている。そしてこの程、2016年大統領選時に選挙対策本部長を務め、大統領顧問であった元側近の「回想録」が、最初のうちはそこそこ売り上げられていたものの、記載内容が気に入らないトランプからの攻撃を受けて俄かに売り上げを落としている。
6月5日付
『ザ・ラップ』オンラインニュース(2009年設立)は、「トランプ前大統領元側近のケリーアン・コンウェイ発刊の回想録、トランプから非難を浴びて売り上げ落ち込み」と題して、2016年大統領選時の選挙対策本部長を務めたコンウェイ氏が発刊した回想録「それで決まり」が、記載内容についてトランプから非難されたことから、売り上げを落としていると報じている。
ケリーアン・コンウェイ氏(55歳)は、2016年大統領選時のトランプの選挙対策本部長で、後に大統領顧問も務めた人物である。...
全部読む
6月5日付
『ザ・ラップ』オンラインニュース(2009年設立)は、「トランプ前大統領元側近のケリーアン・コンウェイ発刊の回想録、トランプから非難を浴びて売り上げ落ち込み」と題して、2016年大統領選時の選挙対策本部長を務めたコンウェイ氏が発刊した回想録「それで決まり」が、記載内容についてトランプから非難されたことから、売り上げを落としていると報じている。
ケリーアン・コンウェイ氏(55歳)は、2016年大統領選時のトランプの選挙対策本部長で、後に大統領顧問も務めた人物である。
彼女が5月24日に発刊した回想録「それで決まり」は、『ニューヨーク・タイムズ』紙が当初ベストセラー本一覧に掲載する程で、これまでに2万5千部売れている。
しかし、他のトランプ元側近等の暴露本に比べて、大した数字ではない。
『ジ・インテリジェンサー』紙(1804年創刊のペンシルベニア州地方紙)報道どおり、トランプ前大統領の姪に当たるメアリー・トランプ氏(57歳)が暴露本「過大で全く不十分(副題;世界で最も危険な男)」を2020年7月に発刊した際には、1日で95万部も売り上げた。
また、卓越したジャーナリストのボブ・ウッドワード氏(79歳、『ワシントン・ポスト』紙名誉編集委員、ウォーター事件報道でピューリッツァー賞受賞)が2020年に著した『憤怒』は、発売1週間で60万部を突破している。
しかし、コンウェイ氏の著書には、2016年大統領選時にトランプが投票数週間前に撤退を考えたとの逸話が掲載されていることから、トランプ自身から猛烈に非難された。
彼女は、発刊前の抜粋の中で、悪名高い「アクセス・ハリウッド・テープ」(注後記)報道がなされた際、選挙から撤退しようとしたトランプを説得したと言及していた。
これに対して、トランプの報道官リズ・ハリントン氏が『デイリィ・ビースト』オンラインニュース(2008年設立のリベラル系メディア)のインタビューに答えて、“コンウェイの回想録は「全くのでたらめ」”とコメントした。
また、トランプ自身も5月24日、彼が立ち上げたソーシャルメディア・プラットフォーム『トゥルース・ソーシャル』(2021年設立)に、“コンウェイは、自分が選挙に負けると思った等一切発言したことはなかった”とした上で、“もしそうだったとしたら、とっくに彼女を馘首していた”と投稿した。
更にトランプは、“彼女のクレイジーな夫と同様、ばかげている”として非難した。
コンウェイ氏の夫はジョージ・コンウェイ三世氏(58歳、弁護士・保守系政治活動家)で、トランプ再選阻止運動「リンカーン・プロジェクト」の共同創設者となっている。
なお、コンウェイ氏の回想録は、トランプの元側近クリス・クリスティ氏(59歳、元ニュージャージー州知事)の著作物(発刊1週間で3千部以下)や、メーガン・マケイン氏(37歳、作家・政治評論家、故ジョン・マケイン上院議員の長女)の著書「不快な共和党員」(発刊数日で僅か244部)より遥かに売れてはいる。
(注)アクセス・ハリウッド・テープ:米国大統領選挙の1ヵ月前の2016年10月、『ワシントン・ポスト』紙が報道した、当時の大統領候補ドナルド・トランプとテレビ司会者のビリー・ブッシュが2005年に「女性に関する非常にみだらな会話」をしたことについての証拠ビデオに関わる記事。
閉じる
その他の最新記事