ウクライナ戦況悪化予測で北朝鮮も遂にロシア支援から後退?【米メディア】(2023/02/03)
11月9日付GLOBALi「
北朝鮮;今度はウクライナ戦争派遣のロシア兵向け冬用軍服等をロシアに密輸」で報じたとおり、北朝鮮が、ロシア軍への弾薬や砲弾の供給に続いて、冬に備えてウクライナ派遣のロシア兵用軍服等をロシアに密輸している。しかし、北大西洋条約機構(NATO、1949年設立、北米2ヵ国及び欧州28ヵ国が加盟)加盟国がロケット砲から戦車・装甲車に至るまで続々とウクライナ側に提供し始め、ロシア軍にとって今後の戦況悪化が懸念される。そこで、北朝鮮も敏感に反応してか、ロシア支援をしり込みし始めているとみられる。
2月3日付
『ビジネス・インサイダー』オンラインニュース(2009年設立)は、「プーチンの最後の支援国のひとつとされる北朝鮮、戦況悪化を懸念してロシア支援をしり込み」と題して、米国・韓国メディア報道を引用して、これまでロシアを支援してきた北朝鮮までが、戦況悪化予想から支援継続をしり込みし始めたと報じている。
韓国メディア『デイリィNK』オンラインニュース報道によると、北朝鮮が、ウクライナ東部のロシア実効支配地域を支援するための北朝鮮労働者派遣時期を遅らせているという。...
全部読む
2月3日付
『ビジネス・インサイダー』オンラインニュース(2009年設立)は、「プーチンの最後の支援国のひとつとされる北朝鮮、戦況悪化を懸念してロシア支援をしり込み」と題して、米国・韓国メディア報道を引用して、これまでロシアを支援してきた北朝鮮までが、戦況悪化予想から支援継続をしり込みし始めたと報じている。
韓国メディア『デイリィNK』オンラインニュース報道によると、北朝鮮が、ウクライナ東部のロシア実効支配地域を支援するための北朝鮮労働者派遣時期を遅らせているという。
『AP通信』は昨年9月、駐ロシア北朝鮮大使が、同地域支援のために建設労働者を派遣することに関心があると表明したと報じていた。
そして『デイリィNK』によると、同計画が進展し、北朝鮮当局は800~1000人の労働者を募集し、11月初旬までに派遣する計画だったという。
しかし、北朝鮮在の情報提供者が『デイリィNK』に語ったところによると、ウクライナ戦争が12ヵ月目に突入してしまったことで、北朝鮮としては“危険地帯”へ労働者を派遣することを控えているという。
同情報筋は、“ロシアが戦争を早く終わらせ、占領地を拡大すれば労働者を派遣するつもりだったが、ロシアが思ったように計画が進んでいないと北朝鮮当局が判断している”とする。
更に同情報すふぃ協力者は、“北朝鮮であっても、現金は重要であるが、危険地帯に労働者を派遣することはできないと考えている”とも言及した。
このように、ウラジーミル・プーチン大統領(70歳、2000年就任)の側近の一部だけでなく、数少ないロシア支持国のひとつである北朝鮮からも、同大統領への支持が失われつつある。
ロシア政府高官とコミュニケーション・チャンネルを有するロシア人富豪が昨年12月、『ワシントン・ポスト』紙のインタビューに答えて、“プーチン大統領周辺の人々の不満が大きくなりつつある”とし、“同大統領は、何をすべきか明確に理解していない”とコメントしている。
一方、習近平国家主席(シー・チンピン、69歳、2012年就任)は昨年12月にプーチン大統領とオンライン会議を催した際、ロシアへの支援を再確認するとしながらも、同時に、“複雑で、かつ物議を醸す国際情勢になっている”ことは認めざるを得ないとしていた。
また、NATO連合軍元最高司令官のジェームズ・スタブリディス氏(67歳、2009~2013年在任)は今年1月、『MSNBCニュース』のインタビューに答えて、ロシア軍は約10万人の死傷者を出したと推定されており、プーチンは目下、“人員を確保しようと躍起になっている”と語った。
その上で同氏は、“それは、プーチンにとってこの戦争が如何に困難になっているかを示す兆候であるので、(終戦のため)何でも受け入れるのではないか”とも付言している。
閉じる
習近平国家主席;金正恩委員長の後見役及び指南役の真打ちとして愈々訪朝(2)-対北朝鮮制裁緩和か?【米メディア】(2018/08/22)
8月19日付Globali
「習近平国家主席;金正恩委員長の後見役及び指南役の真打ちとして愈々訪朝」で触れたとおり、習近平(シー・チンピン)国家主席は、米中貿易問題で中国国内からの突き上げもあって、何とか別の形での成果をみせようと考えたためか、愈々初の訪朝をして、金正恩(キム・ジョンウン)委員長を直接指南し、改めて米国に対して存在感をアピールしようとしている。そして、その後の米メディアの報道では、同国家主席は、国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁緩和政策を正攻法で進めるには常任理事国の米国の拒否権発動に遭うとみて、禁輸製品の取り締まり緩和等非公式な制裁緩和を具体化し、北朝鮮への後見人として支援し、金委員長を更に手懐けようと考えているという。なお、金委員長の中国詣出に嫉妬してか、ウラジーミル・プーチン大統領は、習国家主席が出席するとみられる北朝鮮建国70周年式典への招待を断った模様である。
8月20日付
『ボイス・オブ・アメリカ』:「訪朝が噂される習国家主席、訪朝時に対北朝鮮制裁緩和か」
シンガポールの『ストレーツ・タイムズ』紙の8月18日付報道では、習近平国家主席が金正恩委員長の招待に応えて、9月9日開催の北朝鮮建国70周年記念式典に出席する予定だという。
中国外交部(省に相当)は未だコメントを控えている。
ただ、韓国の『デイリィNKオンライン(市民団体の北朝鮮民主化ネットワーク発行)』及び『コーリア・タイムズ』紙報道によれば、習国家主席の訪朝を見越してか、中朝国境の警備強化がされ、また、北朝鮮が一時的に観光客の訪問受け入れを停止したという。
習国家主席が予定どおり訪朝した場合、東華大学(トンホァ、1951年設立、上海在)の武蘇根(ウー・スーケン)教授/北朝鮮問題研究家は、“敵の敵は味方”の諺に従って、習国家主席が米国を欺いて、対北朝鮮制裁を非公式に緩和に向け舵を切る可能性があると分析している。
国連安保理が採択している対北朝鮮制裁については、度重なる北朝鮮の核・ミサイル実験に辟易して、中国も賛同に回っていた。この理由もあって、最近まで金委員長は中国を敵視してきた可能性が高い。
ただ、米朝首脳会談の前・後で、金委員長からの要請で直々の相談に与った習国家主席としては、国際的な経済制裁に喘いでいる北朝鮮を、これ以上見捨てるわけにはいかないと考えるのは当然であろう。
しかし、米国は依然、対北朝鮮制裁を強化・継続を叫んでいることから、北朝鮮の直近の軟化対応だけでは、仮に中国が正式に国連安保理に制裁緩和を求めても、米国は必ず拒否権を行使してその提案を握りつぶすであろう。
そこで、直近で報じられているのが、中国側が、北朝鮮の核実験停止の発表を支持して、非公式に対北朝鮮制裁対象の禁輸貨物の流通見逃しである。
そして更に、習国家主席の訪朝を機会に、非公式な対北朝鮮経済援助の手が差し伸べられることが想定されている。
閉じる
その他の最新記事