中国で9年ぶりに結婚増加
中国では、就職難を背景に、多くの若者は結婚しない選択や、結婚を先延ばしする傾向にあるが、コロナ禍で結婚を延期していた人々が結婚したり、縁起が良いとされる辰年効果により、ほぼ10年続いた婚姻減少傾向に変化がみられたという。
3月18日付英
『BBC』:「中国:9年ぶりに婚姻件数が増加」:
中国では結婚が9年ぶりに増加しているという。
2023年の婚姻件数は768万件で前年比12,4%増加。民政省によると、2022年の婚姻件数は84万5千件以上で、2013年には1347万人組が婚姻した。
記録的な少子化への対策として、政府は婚姻数を増加させる対策を行ってきた。1980年代、人口増加対策として行われた一人っ子政策以降、数十年間、出生率は減少傾向にあったが、2015年に政策を転換、2021年には人口増加対策に転じた。...
全部読む
3月18日付英
『BBC』:「中国:9年ぶりに婚姻件数が増加」:
中国では結婚が9年ぶりに増加しているという。
2023年の婚姻件数は768万件で前年比12,4%増加。民政省によると、2022年の婚姻件数は84万5千件以上で、2013年には1347万人組が婚姻した。
記録的な少子化への対策として、政府は婚姻数を増加させる対策を行ってきた。1980年代、人口増加対策として行われた一人っ子政策以降、数十年間、出生率は減少傾向にあったが、2015年に政策を転換、2021年には人口増加対策に転じた。
当局は今月、出産や育児、教育費用の低減や育児休暇改正により、出生率を回復させる政策発表していた。
記録的低出生率とコロナによる死者で、人口は2年連続減少。不景気の中、結婚しない選択をする人が多く、男性を優遇した不動産法の改正により、女性は婚姻により慎重になっている。
一方2023年の離婚件数も増加している。協議離婚件数は259万組に増加。中国は高齢化問題にも取り組んでおり、今後10年で、米国の全人口に相当する3億人が定年を迎える。
婚姻率は出生率と非常に関連性があるため、出生率への影響も期待されている。
アジアの主要国をみると、少子化と高齢化対策をしているのは中国だけでない。韓国は世界一出生率が低く、人口は2100年までに半減すると予測されている。日本は2022年の出生数が80万人を記録、香港は昨年少子化対策として新生児への補助金を発表している。
同日付星『CNA』(ロイター通信):「中国で9年ぶりに婚姻率増加」:
2023年の中国の新規婚姻件数が前年比で12.4%上昇した。コロナ禍で結婚を延期していた人々が結婚していることから、ほぼ10年続いた減少傾向に変化がみられたという。
李強首相は3月、育児や出産にかかる費用を低減するとともに、「政府は出生にやさしい社会を実現し、長期にわたりバランスの取れた人口発展を推進する」と述べていた。
婚姻率は出生率と非常に関連性があることから政府は2024年の人口減少が鈍化するものと予測している。
また、第一財経(Yicai)の報道では、2月10日に新年を迎えており、干支の中でも特に縁起が良いとされる辰年に出生数が増えることも婚姻増加の要因とされる。
一方で中国では、就職難問題を背景に、多くの若者は結婚しない選択や、結婚を先延ばしする傾向にある。
閉じる
豪州北東のグレートバリアーリーフ、地球温暖化やエルニーニョ現象で広範囲にわたり深刻なサンゴ礁白化【欧米メディア】
豪州北東クイーンズランド州の沖合には、グレートバリアーリーフ(GBR)と呼ばれる世界最大のサンゴ礁群生地帯である。これまで何度かそのサンゴ礁群が白化現象(注後記)に見舞われてきたが、直近の海洋科学者らの調査で、再び広範囲にわたって白化現象が認められ、同現象がGBRを越えて更に南方まで広がっていることが分かった。
3月15日付
『ロイター通信』、3月16日付
『豪州ABCニュース』は、豪州北東岸に広がるGBRが、地球温暖化やエルニーニョ現象による海水温上昇で新たに白化現象に見舞われていることが判明したと報じている。
豪州の海洋科学者グループは3月15日、クイーンズランド州北方に広がるGBRにおけるサンゴ礁群の白化現象が益々深刻化していると発表した。
GBRは、同州北東海岸沖に2,300キロメートルにわたって広がる、世界最大のサンゴ礁群生地帯である。...
全部読む
3月15日付
『ロイター通信』、3月16日付
『豪州ABCニュース』は、豪州北東岸に広がるGBRが、地球温暖化やエルニーニョ現象による海水温上昇で新たに白化現象に見舞われていることが判明したと報じている。
豪州の海洋科学者グループは3月15日、クイーンズランド州北方に広がるGBRにおけるサンゴ礁群の白化現象が益々深刻化していると発表した。
GBRは、同州北東海岸沖に2,300キロメートルにわたって広がる、世界最大のサンゴ礁群生地帯である。
ジェームズ・クック大(1970年設立の公立大)のマヤ・スリニバサン博士率いる海洋科学調査グループが公表したもので、同州北部タートル・グループ国立公園(ケアンズの約300キロメートル北、約10キロメートル沖)内の6つの島周辺のサンゴ礁群が被害に遭っていることが確認されたという。
同博士は『ロイター通信』のインタビューに答えて、“特に浅瀬で見られた白化現象は、かなり壊滅的だった”としながらも、“すべてまだ白化の段階にあり、水温が時間とともに下がる限り、まだ回復できる”との希望を述べた。
ただ、“気候変動現象に伴う海水温上昇は深刻で、当該白化現象を止めるには至らない恐れがある”とも言及している。
豪州NPO法人気候変動評議会(2013年設立)のサイモン・ブラッドショー主任研究員も、“現下で起こっているサンゴ礁群の白化現象は、陸上での山火事の惨事に相当する”とし、“この急激な変化は、サンゴ礁にとってより大きな危険であり、このまま改善されなければ、サンゴ礁再生が不可能となって後戻りできない地点を越えてしまう恐れがある”と警鐘を鳴らしている。
GBR海洋公園管理局(1975年設立)によると、長期にわたる海洋調査研究の結果、直近8年間で5度もの深刻な白化現象が発生しているという。
しかし、最近の調査では、GBR南端のバンダバーグ・ハービーベイ沖から南部の州都ブリスベン沖のモートン湾までの地帯においても、白化現象がみられるようになっているという。
クイーンズランド大(1909年設立の公立大学)本拠のサンゴ礁監視プログラムのダイアナ・クライン代表は、“バンダバーグ・ハービーベイからモートン湾までのサンゴ礁に白化現象がみられるのは、GBRに起こっている同現象が拡大していることを意味する”とし、“気候変動によって毎年海水温が上昇しており、この傾向が今後も続くと予想されることから、サンゴ礁の白化現象は更に深刻になる”と強調している。
(注)白化現象:造礁サンゴに共生している褐虫藻が失われることで、サンゴの白い骨格が透けて見える現象。白化した状態が続くと、サンゴは共生藻からの光合成生産物を受け取ることができず壊滅。サンゴの白化の原因は、温暖化等による海水温の上昇と考えられている。
閉じる
その他の最新記事