トランプ大統領と習近平国家主席、米中貿易摩擦鎮静化のため来月首脳会談開催で合意【米・英国メディア】
米中間の関税賦課合戦が熱を帯び、本格的な米中貿易戦争に突入しつつある。皮肉なことに、米国経済は好調が続いているのに、米中貿易摩擦の懸念が周辺国に大きな不安と痛みをもたらしている。国際金融市場も同様で、10月11日には世界同時株安が発生した。そこで、米中両首脳は、北朝鮮問題で再度協議する必要性もあることから、来月アルゼンチンで開かれる主要20ヵ国首脳会議(G-20)出席の機会に、米中貿易摩擦問題沈静化のために会談を持つことで合意した模様である。
10月11日付米
『ワシントン・ポスト』紙:「トランプ大統領と習国家主席、米中貿易摩擦沈静化のため首脳会談開催で合意」
米政府関係筋の情報によると、ドナルド・トランプ大統領と習近平(シー・チンピン)国家主席は、来月にブエノス・アイレス(アルゼンチン)で開催されるG-20サミット出席の機会を捉えて、首脳会談を実施することで合意したとする。
米中は目下、米国側が貿易不均衡を是正のため、中国輸入品に関税を賦課することを宣言して以来、貿易摩擦問題が深刻化している。...
全部読む
10月11日付米
『ワシントン・ポスト』紙:「トランプ大統領と習国家主席、米中貿易摩擦沈静化のため首脳会談開催で合意」
米政府関係筋の情報によると、ドナルド・トランプ大統領と習近平(シー・チンピン)国家主席は、来月にブエノス・アイレス(アルゼンチン)で開催されるG-20サミット出席の機会を捉えて、首脳会談を実施することで合意したとする。
米中は目下、米国側が貿易不均衡を是正のため、中国輸入品に関税を賦課することを宣言して以来、貿易摩擦問題が深刻化している。
今回の首脳会談の情報が伝わる3週間前、トランプ大統領が中国製品2,000億ドル(約22兆円)に追加で関税を賦課すると宣言したことへの対抗措置として、中国側も米製品600億ドル(約6兆6,000億円)に報復関税をかけると決定したばかりである。
米国人経済専門家によると、どちら側も、相手方の真意を全く測りかねているとみられることが問題であるという。
トランプ大統領は10月11日、『Foxニュース』のインタビューに答えて、中国側が不公平貿易を是正すると決断しない限り、関税賦課政策は継続すると断言した。
更に同大統領は、米国の政策によって、中国経済は大打撃を受けるだろうが、貿易不均衡が是正されるまで追加政策も実行するとも付言した。
一方、習国家主席は、首脳会談を通じて、追加関税賦課政策を止めるか、少なくとも延期するよう訴えていくとみられる。
中国人経済専門家は、トランプ大統領側近が、アンチ中国派で固められていることから、米中間での柔軟な交渉が許されない状況にあるとする。
実際に、今週マイク・ポンペオ国務長官が訪中して王毅(ワン・イー)外交部長(外相に相当)と会談した際は、貿易不均衡問題でそれぞれが自国の主張を繰り返す応酬があった。
なお、米中間の昨年の貿易高は6,350億ドル(約69兆8,500億円)であったが、現在その半分が貿易摩擦問題に曝されており、会社経営者の中には、販売価格の値上げや従業員の一部解雇の検討に入らざるを得なくなっているという。
また、国際通貨基金(IMF)は今週、米中貿易摩擦問題の影響を受けて、世界経済成長率を下方修正している。
一方、10月12日付英『デイリィ・メール・オンライン』(『ロイター通信』配信):「トランプ大統領、もし会談が前向きとなる期待があればG-20で習国家主席と会う意向」
スティーブン・ムニューシン財務長官は10月12日、米中首脳会談によって問題解決の進捗に期待が持てるなら、来月開催されるG-20サミットの機会を捉えて、トランプ大統領が習国家主席と会談する用意があると表明した。
同長官が、今週バリ島(インドネシア)で開催された、G-20財務相・中央銀行総裁会議の公式会見の席上述べたものだが、米中首脳会談開催に漕ぎ着けるためには、貿易不均衡問題を前進させるため、更に多くのことにつき検討する必要があるとも付言した。
閉じる
米連邦地裁;オバマ政権下で制定された学資ローン利用者救済法施行延期を決めたトランプ政権に“No”を突き付け【米・英国メディア】
既報どおり、中間選挙を2ヵ月後に控えて、現職のトランプ大統領はもとより、自身の政策をことごとく否定されたオバマ前大統領も、選挙前哨戦で火花を散らしている。そうした中、オバマ政権下で制定された「学資ローン返済に対する利用者保護法」(BDR、注後記)の施行延期を決定した、トランプ政権の教育省に対して、米連邦ワシントン州西部地裁は“No”を突き付けた。
9月13日付米
『バイパルチザン・レポート(超党派メディア)』:「連邦地裁、オバマ政権下の法律施行を覆そうとしたトランプ政権に厳しい判決を下し、オバマ氏側が大勝利」
米連邦ワシントン州西部地裁のランドルフ・モス裁判官は9月13日、昨年6月にベッツィー・デボス教育相が発表した、BDR施行延期の決定は不合理だとの判決を下した。
同教育相は昨年、オバマ政権下で制定され、7月1日付で施行予定であったBDRについて、係争中の訴訟があること等を理由に施行を延期することとし、BDRそのものを白紙に戻して、新たに規則策定委員会を設立する意向であると発表していた。...
全部読む
9月13日付米
『バイパルチザン・レポート(超党派メディア)』:「連邦地裁、オバマ政権下の法律施行を覆そうとしたトランプ政権に厳しい判決を下し、オバマ氏側が大勝利」
米連邦ワシントン州西部地裁のランドルフ・モス裁判官は9月13日、昨年6月にベッツィー・デボス教育相が発表した、BDR施行延期の決定は不合理だとの判決を下した。
同教育相は昨年、オバマ政権下で制定され、7月1日付で施行予定であったBDRについて、係争中の訴訟があること等を理由に施行を延期することとし、BDRそのものを白紙に戻して、新たに規則策定委員会を設立する意向であると発表していた。
これに対して、19の州及びワシントン特別区が、教育相の決定は不当だとして提訴していた。
そもそも、何校かの営利目的の大学は、学生に対して教育の保証や卒業証書の授与を約束して入学させ、学資ローンも組ませていたが、実際には、経営者側がそれら卒業証書を認めておらず、結果的に学生らが就職できない事態が発生していた。
当時のオバマ政権は、これら学生を救済する目的でBDRを制定したが、同教育相の施行延期発表によって、逆に当該大学を利する結果となっていた。
そこで同裁判官は57ページに及ぶ判決文の中で、これら学生は当該大学によっていくつかの権利を奪われたと認ぜられ、それらを救済するためにBDRの施行は必要であるとし、従って、その施行を延期した教育省の決定は不合理であると決定付けた。
同日付英『デイリィ・メール・オンライン』(『AP通信』配信):「米連邦地裁、営利目的の大学の詐欺行為に関わるデボス大臣の決定を却下」
モス裁判官は判決文の中で、BDR施行を延期したデボス教育相の決定は、“恣意的かつ首尾一貫していない”と断じた。
同裁判官は、教育省が公費出費を抑えるためとか、関係者の混乱を軽減させるためとかの理由を付けてBDR施行を延期することを決める一方で、当該規程を改定するか、もしくは撤回するかどうか決めようとしており、それはすなわち新たな政策の導入であると見做されるとした。
更に同裁判官は、BDR施行を延期するというのなら、その立法化を図らねばならないのに、そのプロセスを経ずして同規則延期を決めるのは不適切であるとの判断を下した。
なお、デボス教育相は昨年、7月1日施行予定のBDRが混乱をもたらし、結果的に学生にも大学にも不公平となるとして、施行延期を打ち出していた。
(注)BDR:営利目的の大学に対し、教育内容や卒業証書付与等に関わる説明責任を負わせ、また、同大学によって間違った方向に導かれたり、詐欺的行為に遭ったりしたローン借受け学生を救済するための規則。
閉じる
その他の最新記事