トランプ大統領;任期中最後の(?)G-20サミット出席も、新型コロナウィルス感染対策セッションには参加せずゴルフ場に直行【米・英国メディア】
既報どおり、敗北を認めようとしないドナルド・トランプ大統領(74歳)は、特に外交問題をめちゃくちゃにしたままジョー・バイデン次期大統領(77歳)に押し付けようとしている。ただ、盟友であるムハンマド・ビン・サルマーン皇太子(35歳)の顔を立ててか、サウジアラビアが議長国となっている主要20ヵ国首脳会議(G-20サミット)には出席した。しかし、新型コロナウィルス(COVID-19)感染流行問題からオンライン会議となっていることを良いことにして、COVID-19感染対策セッションには参加せずゴルフ場に直行している。
11月21日付米
『CNBCニュース』:「トランプ大統領、任期の最後となるG-20サミットに出席も、感染症対策セッションは欠席」
ドナルド・トランプ大統領は11月21日、サウジアラビアが議長国となってオンライン上で開催されたG-20サミットに出席した。
しかし、同サミットで最も重要事項のひとつとされるCOVID-19対策セッションには参加せず、大統領選敗北後、ほとんど毎週末過ごしたバージニア州のトランプ・ナショナル・ゴルフクラブに直行して、ゴルフに興じている。...
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11月21日付米
『CNBCニュース』:「トランプ大統領、任期の最後となるG-20サミットに出席も、感染症対策セッションは欠席」
ドナルド・トランプ大統領は11月21日、サウジアラビアが議長国となってオンライン上で開催されたG-20サミットに出席した。
しかし、同サミットで最も重要事項のひとつとされるCOVID-19対策セッションには参加せず、大統領選敗北後、ほとんど毎週末過ごしたバージニア州のトランプ・ナショナル・ゴルフクラブに直行して、ゴルフに興じている。
ただ、ホワイトハウスがリリースした声明によると、同大統領はG-20サミットの冒頭、COVID-19対策のためのワクチン開発や経済の早期回復に注力していると(いつもの自画自賛の)演説をしている。
G-20首脳の何人かは、世界保健機関(WHO)が主導している共同開発ワクチンについて、世界に公平に配布するよう求めている。
しかし、自国第一主義を標榜するトランプ政権は今夏、WHOから脱退すると宣言したばかりか、WHOが推進しているCOVAXファシリティ(注後記)にも参加しないと表明している。
フランスのエマニュエル・マクロン大統領(42歳)は、当該システムの下、まず最も後進国向けにワクチンがわたるよう国際社会が協力していくことが重要だと訴えた。
また、ドイツのアンゲラ・メルケル首相(66歳)は、“感染爆発を抑えるためには、各国が一致協力してワクチン開発・供給体制を構築することが肝要”とした上で、“そのために十分な基金を準備する必要がある”と強調した。
一方、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(68歳)は、既に開発を終えたスプートニクⅤワクチンを他国に提供する準備を進めており、更に2つ目、3つ目のワクチンも開発中だと同サミットで説明した。
また、中国の習近平国家主席(シー・チンピン、67歳)も、現在5つのワクチンが最終臨床試験となるフェーズ3に進んでおり、その開発及び供給体制構築に努めていると表明した。
11月22日付英国『メール・オンライン』:「トランプ大統領、G-20サミットの“感染症対策セッション”を欠席してゴルフ場直行」
トランプ大統領は11月21日、オンライン上で開催されたG-20サミットの冒頭部分に参加しただけで、同サミットにおける最も重要課題のひとつである感染症対策セッションを欠席し、ゴルフ場に直行した。
COVID-19は、世界中の感染者が5,700万人を超え、また、死者も130万人超となっており、その中にあって米国は感染者・死者とも世界最悪となっている。
にも拘らず、当該セッションに加わらなかったばかりか、早速ツイッターで、“バイデン体制下では、これ程早期にワクチン開発を達成することはあり得ない”と主張するばかりである。
更に同大統領は、“「フェイクニュース」をばらまくメディアは、COVID-19は米国ばかりか世界に蔓延しているのに、米国を悪くいうニュースのみを流している”とした上で、“COVID-19感染者の中で、米国における致死率が低いことも報道しようとしない”とメディアを一方的に責めるツイートをしている。
(注)COVAXファシリティ:開発されたワクチンを、途上国含め世界が公平に配分できるようにするワクチン国際共同購入システム。日本含め186ヵ国が参加していて、現在5種類のワクチンが最終臨床試験段階に進んでいる。
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ローマ教皇;敬虔なカトリック信者のバイデン氏の大統領選勝利を祝福【米・英国メディア】
既報どおり、先週行われた米大統領選で、ジョー・バイデン民主党候補(77歳)が当選を確実にして、世界市場も各国首脳も祝福している。しかし、福音派(プロテスタント)の支持を受けたドナルド・トランプ大統領(74歳)は往生際が悪く敗北を認めようとしていない。そうした中、カトリック教(注後記)の総本山であるローマ教皇が電話会議で、敬虔なカトリック信者であるバイデン氏に大統領選勝利を祝福する旨表明した。
11月12日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』:「フランシスコ教皇、バイデン氏の当選を祝福」
ジョー・バイデン民主党候補の政権移行チームによると、カトリック総本山のフランシスコ・ローマ教皇(83歳、2013年就任、アルゼンチン出身)が11月12日、同候補との電話会議で、大統領選勝利を祝福すると表明したという。
同チームは声明で、“教皇からの祝辞に対してバイデン氏より、教皇が常に世界の平和、和睦、人権問題に進んで取り組んでいる姿に感謝している”と伝えたとしている。...
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11月12日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』:「フランシスコ教皇、バイデン氏の当選を祝福」
ジョー・バイデン民主党候補の政権移行チームによると、カトリック総本山のフランシスコ・ローマ教皇(83歳、2013年就任、アルゼンチン出身)が11月12日、同候補との電話会議で、大統領選勝利を祝福すると表明したという。
同チームは声明で、“教皇からの祝辞に対してバイデン氏より、教皇が常に世界の平和、和睦、人権問題に進んで取り組んでいる姿に感謝している”と伝えたとしている。
更にバイデン氏は、“少数民族や貧困層の権利擁護、気候変動問題、そして難民の受け入れ等についても、今後教皇と協力して対応していきたい”と述べたという。
バイデン氏は、米大統領としては、故ジョン・F.・ケネディ元大統領(1917~1963年、1961~1963年執務の第35代大統領)以来2人目のカトリック教徒である。
なお、バイデン氏は今週、英国のボリス・ジョンソン首相(56歳)、ドイツのアンゲラ・メルケル首相(66歳)、フランスのエマニュエル・マクロン大統領(42歳)、日本の菅義偉首相(71歳)、韓国の文在寅(ムン・ジェイン、67歳)大統領と次々に電話会談を行っている。
同日付英国『メール・オンライン』:「ローマ教皇、トランプ大統領の敗北拒否を無視してバイデン氏の当選を祝福」
フランシスコ教皇は11月12日、電話でバイデン氏に対して、先週の米大統領選での勝利を祝福したが、トランプ大統領が敗北を認めていないという状況を無視したことになる。
バイデン氏は今年10月、同教皇が2013年に就任した際、また、2015年にワシントンDCを訪問した際にも会えたことを熱狂的に話している。
特に、同教皇が2015年9月に訪米した際は、バイデン氏長男のボー・バイデン氏(1969~2015年、政治家・弁護士、脳腫瘍で死去)を4ヵ月前に亡くしたばかりであったため、バイデン氏ファミリィに会って慰めてもらったという。
なお、バイデン氏は、今年9月末にマイク・ポンペオ国務長官(56歳)からのバチカン市国訪問要請を断ったことを称賛している。
何故なら、対中強硬派の同長官がローマ教皇に対して反中政策について直談判しようと考えたこと、また、米大統領選直前でもあったことから、バチカンとして政治的中立の立場を取ろうとした姿勢を評価したからである。
(注)カトリック教会:ローマ教皇を中心として全世界に12億人以上の信徒を有するキリスト教の教派。その中心をローマの司教座に置くことからローマ教会、ローマ・カトリック教会とも呼ばれる。
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