豪州、日本に続きASEAN交流50周年記念サミットを主催して南シナ海の平和と安定を宣言【米メディア】(2024/03/08)
既報どおり、日本は昨年12月半ば、東南アジア諸国連合(ASEAN、1967年設立)交流50周年記念サミットを主催した。そしてこの程、豪州もASEAN交流50周年記念サミットを主催し、中国対峙を念頭にした上で、南シナ海の平和と安定を守るとの共同宣言を採択している。
3月7日付
『ボイス・オブ・アメリカ』、
『ザ・ディプロマット』等は、豪州がASEAN交流50周年記念サミットを主催した旨詳報している。
豪州政府は3月4~6日、メルボルンにおいてASEAN交流50周年記念サミットを主催した。
ホスト役のアンソニー・アルバニージー首相(61歳、労働党々首、2022年就任)は、9年振りに政権に返り咲き、前保守党政権よりも中国への歩み寄りに政策修正してきている。...
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3月7日付
『ボイス・オブ・アメリカ』、
『ザ・ディプロマット』等は、豪州がASEAN交流50周年記念サミットを主催した旨詳報している。
豪州政府は3月4~6日、メルボルンにおいてASEAN交流50周年記念サミットを主催した。
ホスト役のアンソニー・アルバニージー首相(61歳、労働党々首、2022年就任)は、9年振りに政権に返り咲き、前保守党政権よりも中国への歩み寄りに政策修正してきている。
しかし、こと安全保障分野では前政権の政策を継承して、米・英国との三国間軍事同盟(AUKUS、2021年成立)、また、インド太平洋地域での日・米・インドとの連携強化を図っている。
そうした中で開催された豪州・ASEANサミットであるが、ASEANの2024年議長国のラオスとともに、“国連海洋法条約(注後記)を含む国際法に従って、「武力による威嚇や行使に訴えることなく」法的・外交的プロセスを通じて南シナ海紛争を平和的に解決することを求める”旨の共同宣言を採択した。
更に、“我々は、すべての国に対し、地域の平和、安全、安定を危険に曝す如何なる一方的な行動も行わないよう求める”とも言及している。
但し、共同宣言内に「中国」と具体的に言及されることは為されておらず、紛争に関する過去のASEANの声明とほぼ一致している。
『AP通信』報道によると、豪州とフィリピンが、南シナ海における中国の広大な領有権主張を無効とした2016年の仲裁裁定を引用して、宣言に言及するよう求めていたが、ASEANの慣例となっているように、最終文書において、同判決はもとより中国を名指しで言及もしていない。
何故なら、南シナ海で中国と領有権争いを展開している一部のASEAN加盟国でさえ、中国との実りある経済関係を危険に曝すことを望まないという事実が背景にあるからである。
(注)国連海洋法条約:正式名称は、海洋法に関する国際連合条約(UNCLOS)。海洋法に関する包括的・一般的な秩序の確立を目指して1982年4月30日に第3次国連海洋法会議にて採択され、同年12月10日に署名開放、1994年11月16日に発効。国際海洋法において、最も普遍的・包括的な条約であり、基本条約であるため、別名「海の憲法」とも呼ばれる。
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ナワルヌィ氏、ドイツ刑務所に服役中のロシア人殺人犯と交換交渉合意直前に抹殺?【米・英国メディア】(2024/02/28)
ロシア野党勢力リーダーのアレクセイ・ナワルヌィ氏(弁護士・政治活動家、2月16日死亡、享年47)は、ドイツ刑務所に終身刑で服役中のロシア人将校の殺人犯と交換交渉の対象となっていたが、ロシアトップが同氏解放を好まなかったためか、交渉合意直前に収監先の刑務所で死亡したとの情報が飛び交っている。
2月27日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』、英国
『BBCニュース』等は、アレクセイ・ナワルヌィ氏が、ロシア人殺人犯と交換交渉妥結の直前に抹殺されてしまったとみられると報じた。
ロシア野党勢力リーダーで、反ウラジーミル・プーチン大統領(71歳、2000年就任)の急先鋒であったアレクセイ・ナワルヌィ氏は2月16日、収監先の北極圏のヤマル刑務所で不慮の死を遂げた。
この死亡事件に関し、同氏側近の報道担当、マリア・ペフチフ氏(36歳、ジャーナリスト・反腐敗活動家)は2月26日、“同氏は、目下ドイツ刑務所に終身刑で服役中のロシア人将校の殺人犯、ワディム・クラシコフ受刑者(58歳)との交換交渉の対象となっていて、自身が2月15日に聴取したところでは、同交渉は「最終段階」に入っており、数週間内に解放されることが期待されていた”とSNSに投稿した。...
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2月27日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』、英国
『BBCニュース』等は、アレクセイ・ナワルヌィ氏が、ロシア人殺人犯と交換交渉妥結の直前に抹殺されてしまったとみられると報じた。
ロシア野党勢力リーダーで、反ウラジーミル・プーチン大統領(71歳、2000年就任)の急先鋒であったアレクセイ・ナワルヌィ氏は2月16日、収監先の北極圏のヤマル刑務所で不慮の死を遂げた。
この死亡事件に関し、同氏側近の報道担当、マリア・ペフチフ氏(36歳、ジャーナリスト・反腐敗活動家)は2月26日、“同氏は、目下ドイツ刑務所に終身刑で服役中のロシア人将校の殺人犯、ワディム・クラシコフ受刑者(58歳)との交換交渉の対象となっていて、自身が2月15日に聴取したところでは、同交渉は「最終段階」に入っており、数週間内に解放されることが期待されていた”とSNSに投稿した。
同氏は更に、“この報告を受けたウラジーミル・プーチン大統領が、同氏が解放されることを良しとせず、交換交渉対象からはずすよう部下に指示したとみられ、その結果、翌日の2月16日に死に至らしめられたに違いない”と強調した。
クラシコフ受刑者は、ロシア連邦保安庁(FSB、1995年設立、旧ソ連の国家保安委員会KGBの後継組織)所属の将校で、2019年に当時ドイツに滞在していたチェチェン反政府勢力司令官のゼリンハン・ハンゴシュビリ氏(享年40)を殺害したとして、終身刑の判決を受けて服役している。
なお、ペスチフ氏によると、ナワルヌィ氏に加えて、目下ロシア当局に拘束されている複数の米国人も交換対象に挙げられていて、米政府がロシア側と交渉していたという。
同氏は、具体的な氏名は不詳としたが、予想されるのは、『ウォールストリート・ジャーナル』紙のエバン・ゲルシェコビッチ記者(32歳、2023年にスパイ容疑で拘束)や米海兵隊所属のポール・ウェラン二等軍曹(53歳、2018年にスパイ容疑で逮捕・拘留)と考えられる。
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