米連邦地裁、前大統領補佐官の暴露本記載内容に関わる司法省の秘密保持義務違反提訴の審理継続に青信号の判断【米・ロシアメディア】(2020/10/03)
6月18日付
GLOBALi内で報じたとおり、前大統領補佐官(米国家安全保障問題担当)のジョン・ボルトン氏(71歳)は暴露本の中で、ドナルド・トランプ大統領(74歳)が各国首脳の裏での対応は散々だったと詳述している。同大統領指示に基づく司法省による出版差し止め仮処分請求は空振りに終わったが、この程連邦地裁は、暴露本記載内容に秘密保持義務違反に当たる機密情報が含まれているとの訴えについて、継続審理することを決定した。
10月2日付米
『ABCニュース』(
『AP通信』配信):「連邦地裁判事、ボルトン氏暴露本記載内容に関わる審理継続を決定」
ワシントンDC地区連邦地裁は10月1日、ジョン・ボルトン氏の暴露本「それが起きた部屋:ホワイトハウス回顧録」に関わる司法省側の提訴棄却を求めるボルトン氏側請求を退けたため、トランプ政権は、暴露本記載内容に関わる審理継続が認められた。
同地裁のロイス・ランバース判事(77歳)は、司法省側が提訴した“同書籍でボルトン氏が秘密保持義務違反を犯して機密情報を暴露したこと、及び、発刊前の事前審査を経なかったことが同氏の違法行為に当たる”との請求に対して、“ボルトン氏の義務違反について審理するに値する”との判断を下した。...
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10月2日付米
『ABCニュース』(
『AP通信』配信):「連邦地裁判事、ボルトン氏暴露本記載内容に関わる審理継続を決定」
ワシントンDC地区連邦地裁は10月1日、ジョン・ボルトン氏の暴露本「それが起きた部屋:ホワイトハウス回顧録」に関わる司法省側の提訴棄却を求めるボルトン氏側請求を退けたため、トランプ政権は、暴露本記載内容に関わる審理継続が認められた。
同地裁のロイス・ランバース判事(77歳)は、司法省側が提訴した“同書籍でボルトン氏が秘密保持義務違反を犯して機密情報を暴露したこと、及び、発刊前の事前審査を経なかったことが同氏の違法行為に当たる”との請求に対して、“ボルトン氏の義務違反について審理するに値する”との判断を下した。
(編注;連邦地裁の一審は一人の判事が審理する。)
ボルトン氏代理人のチャールズ・クーパー弁護士(68歳)は、“判決文を精査中であるが、要するに、今後双方が証拠を提出し合い、審理が進められることになるということ”だとコメントした。
同判事は今年6月、司法省側の同書籍出版差し止め仮処分請求に対しては、当時既に数千部のコピーが出回っていたことから、今から差し止めても効果はないとして同請求は棄却した。
ただ、その際同判事は、ボルトン氏が事前審査を経て正式に出版許可を取得するとの手続きを踏まなかったことは問題だと表明していた。
しかし、ボルトン氏弁護団は、ホワイトハウス上層部のエリオット・ナイト氏が今年4月、同書籍の内容を精査した上で、機密情報はないとの判断を下していたと主張している。
但し、その後、ホワイトハウスの別の幹部であるマイケル・エリス氏らが再度精査したところ、機密情報が含まれているとの結論を出していた。
これに対してナイト氏は、エリス氏らの再精査の内容は“全く欠陥だらけ”だと批判する声明を発表している。
10月1日付ロシア『スプートニク・インターナショナル』オンラインニュース:「米連邦地裁、ボルトン氏暴露本に関わるトランプ政権の提訴棄却請求を却下」
トランプ政権は連邦地裁に対して、ボルトン氏が秘密保持契約書に署名したにも拘らず、機密情報を当該書籍の中で暴露したとして、書籍売上収益を没収するよう訴えていた。
これに対してボルトン氏側は、米国家安全保障会議文書管理担当部門の幹部だったエレン・ナイト氏から、当該書籍の発刊は問題ないとの判断を得ていたと反論している。
しかし、連邦地裁ランバース判事は、同書籍発刊前にもっとホワイトハウスとの事前打ち合わせを尽くすべきだったと判断している。
ただ、安全保障及び内部告発問題を専門とするマーク・ゼッド弁護士は『ワシントン・ポスト』紙のインタビューに答えて、今回の地裁判断は“恐ろしい前例となる”とコメントしている。
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中国海軍;今度は最新鋭無人攻撃偵察機離発着可能な大型強襲揚陸艦を建造か【ロシアメディア】(2020/07/25)
7月22日付GLOBALi「
中国海軍;米軍艦火災事故を尻目に大型強襲揚陸艦を着々と建造・就役」で報じたとおり、米軍事力との差を縮めようと軍備増強に走ってきた中国が、火災を起こした米軍艦と同類のヘリコプター搭載強襲揚陸艦を続々と建造・就役させようとしている。そして今度は、電磁式カタパルト(EMALS、注1後記)及び制動装置(注2後記)を装備して、最新鋭無人攻撃偵察機の離発着が可能な大型強襲揚陸艦を建造する計画があると報道されている。
7月23日付ロシア
『スプートニク・インターナショナル』オンラインニュース:「中国、全く新しいタイプの空母を建造か」
中国人民解放軍(PLA)海軍が、EMALS及び制動装置を装備した新型強襲揚陸艦を建造するための計画書を政府関係部署に提出したと言われている。
7月19日付で提出されたとされる同計画書によると、建造船は「強襲揚陸艦76型」(同書タイトルは「プロジェクトXX6」)で、既に2隻建造が終わったヘリコプター搭載強襲揚陸艦75型に近似しているが、EMALS及び制動装置を備えた他に類を見ない画期的な艦船とみられる。...
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7月23日付ロシア
『スプートニク・インターナショナル』オンラインニュース:「中国、全く新しいタイプの空母を建造か」
中国人民解放軍(PLA)海軍が、EMALS及び制動装置を装備した新型強襲揚陸艦を建造するための計画書を政府関係部署に提出したと言われている。
7月19日付で提出されたとされる同計画書によると、建造船は「強襲揚陸艦76型」(同書タイトルは「プロジェクトXX6」)で、既に2隻建造が終わったヘリコプター搭載強襲揚陸艦75型に近似しているが、EMALS及び制動装置を備えた他に類を見ない画期的な艦船とみられる。
すなわち、75型は、中国が将来米軍のF-35Bのような短距離離陸・垂直着陸型戦闘機を開発した暁には、同船の甲板を増強して当該戦闘機を搭載機とする案があるが、すぐにこの計画が実行される予定はない。
そこで、76型は、上記の最新鋭離発着装置を装備することで、有人戦闘機ではなく無人爆撃機の搭載が可能となるとされる。
そして中国は、昨年末に就役させた新型ステルス無人攻撃偵察機GJ-11(攻撃;コンジ)の搭載を考えている。
同機は、2つの爆弾槽(爆弾・ミサイルの収納スペース)を有し、航続距離が4千キロメートル(2,485マイル)にも及ぶ最新鋭機である。
ただ、軍事専門家からは、最大4,400パウンド(約2トン)の爆弾、あるいはミサイルを搭載して76型のEMALSで発艦できるか疑問が残るとの声が上がっている。
なお、中国は8万5千トン級の空母003型も建造中で、本船にも、米軍のフォード型10万トン級原子力空母に装備されたEMALSを採用されるとされているため、従来型(001型“遼寧”や002型“山東”)のスキー・ジャンプ式と違って、ヘリコプターや垂直着陸型戦闘機の離発着を妨げない。
(注1)EMALS:米海軍と英国海軍が共同開発した、リニアモーターによって航空母艦から固定翼機を発射するシステム。利点は、効率性が高く長寿命、従来の蒸気式と違って、ボイラー・蒸気配管が不要なため、機器配置の制約が少ない点。欠点は、多くの消費電力を賄える発電能力を持つ電源が必要で、それが故障した場合使用不可となること、また、開発費・製造費が高コストである点。
(注2)制動装置:空母搭載機が着陸の際に、飛行機を短い滑走距離で制動するための装置 。特に、空母では、着艦の能否はその根本であり、着艦できなければ空母としての機能に関わることから、制動装置は極めて重要な装置。
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