12月14日付欧米
『ロイター通信』は、「UA、ボーイング787ドリームライナー含む200機の次世代ジェット機発注」と題して、コロナ禍後の航空産業再興に期待して200機もの大規模発注を行うことになったと報じている。
UAは12月13日、コロナ禍後の航空産業再興に備え、かつ非効率な旧型機と入れ換える目的で、ボーイング787ドリームライナー(注1後記)100機及びB737MAX(注2後記)100機を発注することにしたと発表した。
当該発注高は、メーカー希望小売価格から算出すると約430億ドル(約5兆8,050億円)にも上る。
UAは同時に、当初公表していたエアバスA350(中~大型ワイドボディ機、約170~370席)45機の発注時期は“早くても”2030年まで繰り延べる、としている。
UAのスコット・カービィ最高経営責任者(55歳、2019年就任)は、“保有するB777(大型ワイドボディ機、1995年運用開始)の実際の入れ替え時期は2030年以降となるので、その際に、代替機候補をA350かB787かどちらを主とするか検討することになる”と付言した。
UAは2021年6月、“将来構想”の一環で、B737MAX 200機及びA321neo(長距離用中型ナローボディ機、約240席)70機を発注する意向を表明していた。
今回の発表で、ボーイング機の発注中身が変わることになったが、A321neoの発注意向は変わりないとしている。
一方、米ジェフェリーズ・フィナンシャルグループ(1970年前身設立)の経済アナリストは、UAの今後2年間の資本的支出(設備投資額)が200億ドル(約2兆7千億円)、また、2032年までに700機もの新型機の納入を受けることになるため、資本的支出が500億ドル(約6兆7,500億円)にも達すると懸念を表明した。
その上で、“必要不可欠な決断だとみられるが、将来的に厳しい向かい風にさらされることになる”と言及している。
しかし、UAは、堅実な財務諸表を追って提出することを“約束する”と強調している。
ただ、発注先のボーイング(1934年設立)の株価は0.2%上昇したが、UAは5.5%も下落している。
同日付米『CBSニュース』は、「UA、ボーイングのワイドボディ機を最大200機まで発注意向と発表」として詳報している。
UAとボーイング両社は12月13日、次世代機の新規売買契約が成立したと共同発表した。
その発表によると、B787ドリームライナー100機の発注に加えて、追加100機のオプションが付帯しているという。
ボーイングにとって、同機の発注高は同社史上最多となるとする。
また、UAはB737MAXを100機発注するとしており、既発注分の44機に更に56機が追加されることになる。
なお、UAは、B787ワイドボディ機の納期は2024~2032年となり、また、787-8(約250席)、787-9(約270席)、787-10(約300席)の3機種の組み合わせはUAがオプションを保有することになるとしている。
(注1)B787ドリームライナー:次世代の長距離用中型ワイドボディ機で、2011年運用開始。座席数は最大約300席。B767(中型セミワイドボディ機、1982年運用開始)及びB777の後継機。
(注2)B737MAX:第4世代の小型ナローボディ機で、2017年運用開始、座席数約200席。2018年10月にインドネシア・ライオン航空のジャワ沖墜落事故、及び2019年3月のエチオピア航空の墜落事故が立て続けに発生。米連邦航空局(FAA、1958年設立)から運用中の約250機に緊急改善通告が出されたこともあって、ボーイングは2020年1月以降生産停止。ただ、問題が改善されたとして同社は同年5月に生産再開。
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昨年1月の米連邦議会襲撃事件を受けて「永久停止」されていた米国のドナルド・トランプ前大統領のツイッターアカウントが復活すると、ツイッター社のイーロン・マスクCEOが発表した。トランプ氏は自身が立ち上げたソーシャルメディアに留まるとしているが、復活による政治的影響は大きいとみられる。
11月20日付米
『CNN』:「ドナルド・トランプ氏のツイッターアカウント、マスク氏が復活」:
トランプ前大統領のツイッターアカウントが復活。
ツイッター社は昨年1月の米連邦議会襲撃事件を受けてトランプ前大統領のアカウントを「永久停止」していたが、新たにCEOとなったイーロン・マスク氏が復活の是非を問う投票をツイッターに上げたところ、1500万票が集まり、結果は51.8%対48.2で賛成となった。
トランプ氏は自身が立ち上げたSNS「Truth Social」にとどまると発言していたが、復帰した場合の政治的影響は大きいとみられている。今月、同氏は2024年大統領選に向け出馬を表明している。
ラスベガスで行われた共和党ユダヤ人会会合でトランプ氏は、マスク氏のツイッター買収や自身の今後について、「マスク氏が買収できたのは良いこと」だが、賢明なマスク氏でも今後の運営が「成功するかはわからない、多くの問題がある」と述べている。
トランプ氏は大統領在任中、ツイッターを大いに活用した。そのためツイッターの利用者が増え、同社への恩恵も大きかった。ツイッターは当初トランプ氏の発言に寛容だったが、在任後期になると、選挙不正を訴える誤情報が増えたことで方針を転換。2020年の選挙に向け、アカウントに警告ラベルを出すようになり、議事堂襲撃の後ついにアカウントは凍結された。
メタのFacebookや Instagramでもトランプ氏のアカウントは停止されていたが、こちらも2023年1月に復活するとみられる。マスク氏同様、ツイッターのジャック・ドーシー前CEOも、永久凍結には反対であり、(当時の凍結は)「経営上の決定で、凍結されるべきでなかった」とコメントしている。
マスク氏はツイッター社の改革を進めており、トランプ氏のアカウント復活はその一環となる。多くの元社員は退職、ユーザー離れも起きており、データをダウンロードできない等の問題も起きている。
同日付米『CBSニュース』:「トランプ氏のツイッターアカウント、凍結から22ヶ月後に復活」:
ツイッターのイーロン・マスク氏が19日、凍結されていたトランプ前大統領のアカウントを復活させた。国会がバイデン大統領の選挙勝利態勢にある時期に起きた議事堂襲撃事件以来、同氏のアカウントは22ヶ月以上凍結されたままだった。
マスク氏はツイッター上で、アカウントを復活させるべきか、「Yes」「No」をクリックする形式の投票を実施。投稿から24時間で1500万人が参加し、結果は「Yes」が51.8%となった。投票終了後マスク氏は、ラテン語の成句「人々の声は神の声」を引用し、人々の声は復活を示したとしている。
その後、ツイッター上では、凍結されていた59000以上の投稿数のあるトランプ氏のアカウントが正常に表示され、最大時7200万人だったフォロワーも20日には復活した。
先月ツイッター社を買収したマスク氏は、様々な視点から投稿内容を監視する「コンテンツ監視評議会」の設置を発表し、審議を経なければアカウント凍結解除はできないとしていたのだが、このような評議会が立ち上がった形跡はないという。
新体制のツイッターを巡っては、有名企業の広告撤退が相次ぎ、コンテンツ監視など重要任務に就いていた7500人のフルタイム社員や契約社員の多くが解雇され、嘘や誤情報が増えるとも懸念されている。また、残る社員には「非常にハードコア」な長時間労働を誓うよう求め、ソフトエンジニアなどの退職も加速している。
ユーザーからは、スパムや迷惑メッセージが増えたとの報告が増えており、今週退職したプログラマーらは、「まもまくツイッターに大きな障害が生じるだろう」と警告している。
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