米・中・韓国メディア;北朝鮮、相変わらず不可解な行動(2015/12/14)
12月11日付「北朝鮮は本当に水爆保有?」の中で、“南北朝鮮の高官が、今年8月に両国高官レベルによる対話を再開することに合意して以来、初めて関係改善に向けた対話を行った”と報じた。その成果であるが、合意文を作らず、次の日程も決めずに終了してしまった。一方、中国との関係改善の特使として送られた、金正恩(キム・ジョンウン)第一書記の肝いりとされる楽団が、予定されていた北京公演を突然すべてキャンセルして帰国してしまった。相変わらずの北朝鮮の不可解な行動について、米・中・韓国メディアが伝えている。
12月12日付米
『Yahooニュース』(
『ロイター通信』記事引用)は、「南北朝鮮対話、合意なく終了」との見出しで、「今年8月の合意以来、12月11日に初めて開催された南北朝鮮高官レベルの対話は、結局何の合意もみず、また、次の日程も決めることなく終了した。韓国の交渉団代表によれば、北朝鮮側は、2008年以降中断している金剛山(クムガンサン)リゾートへの韓国ツアーの再開を強く求めてきたが、韓国側が、中断の引き金となった韓国人観光客の射殺事件を理由に、観光客の安全を保障することを条件にしたところ、一方的に会談が打ち切られたという。...
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12月12日付米
『Yahooニュース』(
『ロイター通信』記事引用)は、「南北朝鮮対話、合意なく終了」との見出しで、「今年8月の合意以来、12月11日に初めて開催された南北朝鮮高官レベルの対話は、結局何の合意もみず、また、次の日程も決めることなく終了した。韓国の交渉団代表によれば、北朝鮮側は、2008年以降中断している金剛山(クムガンサン)リゾートへの韓国ツアーの再開を強く求めてきたが、韓国側が、中断の引き金となった韓国人観光客の射殺事件を理由に、観光客の安全を保障することを条件にしたところ、一方的に会談が打ち切られたという。従って、韓国側が求めていた、朝鮮戦争を契機とした南北離散家族の生死確認や手紙の遣り取りの提案についても、何ら進展はなかった。」と報じた。
同日付中国
『上海日報』(
『AP通信』記事引用)は、「二国間高官交渉、関係改善の兆なく終了」との見出しで、「今年8月の両国間長時間交渉の結果、高官レベルによる対話と離散家族の面会行事について合意していた。それに基づき12月11日に高官対話が持たれ、また、後者についても今年10月に一度、離散家族の面会が実施されてはいた。」と伝えた。
また、同日付韓国
『KBSニュース』は、「両国次官級対話、合意なく打ち切り」との見出しで、「韓国の交渉団代表によれば、韓国側が要求する、離散家族の面会事業と、金剛山リゾートへの韓国ツアーの再開を(交換条件のように)結び付けるのは妥当ではない、と明言したが、会談は一方的に打ち切られたという。また、韓国側から次の日程を持ちかけたが、この話にも乗ってこなかったという。」と報じた。
一方、同日付米
『Foxニュース』(
『AP通信』記事引用)は、「金第一書記肝いりの楽団、突然北京公演をキャンセル」との見出しで、「金第一書記がお気に入りの、全員女性から成る北朝鮮の楽団が12月12日、突然北京公演をキャンセルして帰国の途に就いた。
派遣されていたのは、牡丹峰(モランボン)楽団(注後記)と功勲国家合唱団の二グループで、中国との関係改善のワンステップとみられていただけに、突然のキャンセルで、中朝間がまた冷え込む恐れがある。なお、北朝鮮研究専門家によると、(妻帯者の)金第一書記とメンバーの女性との関係を韓国メディアがゴシップとして流し、それを中国メディアも追随したことから、金氏が怒りに任せて呼び戻したものと推察されるという。」と伝えた。
同日付中国
『アジア・タイムズ』香港オンラインニュース(
『ロイター通信』記事引用)は、「北朝鮮のポップスバンド、北京公演をキャンセルして帰国」との見出しで、「モランボン楽団は、金第一書記がペットのように可愛がっているグループで、彼女らのショートヘアは平壌(ピョンヤン)で流行となっている、」と報じた。
なお、北京の消息筋の話では、金第一書記の「水爆発言」を受けて、中国外交部(外務省に相当)が緊張緩和に資する行為を求め、暗に金氏を批判する表明をしたこと、また、中国当局が楽団公演を観覧する当局者を、共産党政治局員(指導部幹部)から副部長級(次官級)に大幅に格下げしたことから、北朝鮮側が「最高尊厳(金第一書記)への冒涜」とみなし、抗議の意味で公演を取り消したものと推測されるという。
(注)モランボン楽団:歌手10人、奏者12人全員が女性の楽団。2012年7月、韓国人歌手サイの「江南スタイル」発売と同時期に(謀ったように)デビュー。メンバーは皆、金第一書記が選抜。
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米メディア;大統領選候補トランプ氏のイスラム教徒入国禁止発言に賛否両論(2015/12/14)
12月11日付【
風の流れ】“トランプ候補「イスラム入国禁止発言」の波紋”の中で触れたとおり、トランプ氏の発言が大きな波紋を呼んでいて、米国ネットの世論調査で共和党支持者の65%がトランプ発言を支持しているものの、共和党議員の中には、共和党が支持する保守主義ではないと強烈に批判をする議員もいる。トランプ氏本人が発言を撤回しないことから、この問題は依然くすぶり続けている。
12月11日付
『ニューヨーク・タイムズ』紙は、「強制収容所生れのドリス松井下院議員がトランプ発言に反発」との見出しで、「共和党の大統領候補の中で最も支持を集めているドナルド・トランプ氏(不動産王、69歳)は12月8日のABCテレビ番組で、自身は第二次大戦時のフランクリン・ルーズベルト大統領(当時)が行ったと同様、米国民に危害を及ぼす恐れのあるイスラム教徒の入国を暫く禁止するよう求めているだけであると主張した。...
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12月11日付
『ニューヨーク・タイムズ』紙は、「強制収容所生れのドリス松井下院議員がトランプ発言に反発」との見出しで、「共和党の大統領候補の中で最も支持を集めているドナルド・トランプ氏(不動産王、69歳)は12月8日のABCテレビ番組で、自身は第二次大戦時のフランクリン・ルーズベルト大統領(当時)が行ったと同様、米国民に危害を及ぼす恐れのあるイスラム教徒の入国を暫く禁止するよう求めているだけであると主張した。しかし、これまでは出自に触れることを嫌っていた、忌まわしい強制収容所生れのドリス松井下院議員(カリフォルニア州サクラメント選出の民主党議員、71歳)が、同大統領は罪もない12万人の日系人を1942~1945年の間、強制収容所に連行、隔離したが、1988年に米議会が当時の判断は誤りだったとする法律を制定している。トランプ氏はこの事実に触れていないことから、歴史を忘れた愚かな主張だと厳しく批判した。」と報じた。
一方、同日付
『ニューヨーク・ポスト』紙は、「トランプ氏、ヒラリー・クリントン氏こそシリア難民を生み出した張本人と批判」との見出しで、「民主党の大統領選候補者のヒラリー・クリントン氏(68歳)が、トランプ氏発言は危険思想だと非難していることに反論して、トランプ氏は12月11日、クリントン氏が国務長官時代に行った間違った判断・行動によって、シリアやイラクから数百万人の難民が生み出されたと強烈に批判した。同氏はペンシルベニア州の共和党大会で発言したものだが、中には1,000ドル(約12万円)もの参加費を払って入場した抗議の人達から、同氏の発言を止めさせようとする妨害が3度も起された。」と伝えた。
また、同日付
『CBSニュース』は、「米国人のほぼ半数がまた新たなテロ発生を懸念」との見出しで、「CBSの世論調査の結果、サン・バーナーディーノ(カリフォルニア州南部、L.A.東の郊外都市)のテロ事件を受けて、米国人の44%が、また新たなテロが数ヵ月以内に発生すると懸念した。この数値は、2011年9月11日の同時テロ発生直後以来最も高いものとなった。テロの脅威もあってか、強気な発言で知られるトランプ氏が、大統領選の共和党候補の中で35%もの高い支持を得ており、2位テッド・クルーズ氏(テキサス州選出上院議員、44歳)の16%、3位ベン・カーソン氏(医師、64歳)を大きく引き離している。」と報じた。
更に、同日付
『Foxニュース』は、「直近のテロ事件で、地元イスラム教徒が差別の標的となる恐れ」との見出しで、「パリとサン・バーナーディーノで続けて発生したテロ事件のため、地元のイスラム教徒たちは、言われもない差別に曝されていると訴えた。あるイスラム教徒は、今回の差別は、9.11同時多発テロのときよりひどいと嘆いている。特に、ヒジャブ(髪を覆うスカーフ)をまとっているイスラム教徒の女性が標的になりやすく、ある女性は、怖くて一歩も家から出られないと告白している。」と伝えた。
12月12日付
『朝日新聞』の天声人語によると、米国では、日本ほど無邪気に「メリークリスマス」と口にできない。そこで、他の宗教を信仰する人への配慮から、挨拶も宣伝も、無難な「ハッピーホリデイズ」という言葉が広まった。また、公立学校では「聖夜(きよしこの夜)」もだめで、クリスマスツリーもコミュニティツリーと呼ばれるという。多文化主義の流れの中で、少数者を尊重してきた国ならばの「好ましい」慣習ではあろう。しかし、それらを「きれいごと」と苦々しくみる人もいようから、トランプ氏のように「建前優先の社会に一石を投じる」ような、本音で語ってくれる候補者が支持されているのかも知れない。
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