米・英・中・韓国メディア;米FRB利上げをアジア市場は歓迎?(2015/12/18)
12月17日付「米FRB利上げ、緩やかなペースを強調」の中で、“米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げの理由として、米国の景気について雇用が著しく改善し、経済が持続的に成長していることを挙げ、物価上昇率も中期的に2%の目標に向かって上昇していく見通しを示した”と報じた。そして、次か次かと待たれた利上げが漸く決定されたことで、アジア含めた世界市場は歓迎の意を示す上げ相場となっていると各国メディアが伝えている。
12月17日付米
『ワシントン・ポスト』紙(
『AP通信』記事引用)は、「米国の利上げは、アジア諸国にとっては、最大の輸出先のひとつである米国経済の堅調さの表れであるため、多くのアジア株式市場が歓迎し、株価は軒並み上昇した。FRBが、利上げのペースは緩やかだとしたことも投資家に評価された。特に恩恵を被るのは、利上げによって米ドル高・円安で輸出増加が見込まれる日本であろう。一方中国は、経済成長鈍化が急激とならないよう、景気刺激策として利下げに踏み切りたいところだが、資本流出を益々助長することになり、米利上げは逆風となるだろう。...
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12月17日付米
『ワシントン・ポスト』紙(
『AP通信』記事引用)は、「米国の利上げは、アジア諸国にとっては、最大の輸出先のひとつである米国経済の堅調さの表れであるため、多くのアジア株式市場が歓迎し、株価は軒並み上昇した。FRBが、利上げのペースは緩やかだとしたことも投資家に評価された。特に恩恵を被るのは、利上げによって米ドル高・円安で輸出増加が見込まれる日本であろう。一方中国は、経済成長鈍化が急激とならないよう、景気刺激策として利下げに踏み切りたいところだが、資本流出を益々助長することになり、米利上げは逆風となるだろう。」と報じた。
同日付米
『NBCニュース』(
『CNN』記事引用)は、「米利上げのニュースを受けて、12月17日午前の日経平均株価は+2.3%(編注;終値は+1.59%の19,353.56円)、豪州市場は+1.6%、また、香港市場も+1.3%と軒並み上昇している。また、12月16日のニューヨーク・ダウ平均株価も前日比+224ドル(編注;+1.28%の17,749.09ドル)も大幅上昇した。」と伝えた。
同日付英
『ザ・ガーディアン』紙は、「アジア市場も堅調だが、米国向け輸出増が見込まれる欧州市場も、12月17日の株価は更に上昇に転じよう。なお、米利上げを受けて、アジア通貨に対して1%の米ドル高となっていることもあり、投資家の多くが、脆弱な新興国から資金を引上げて、堅調な米国に回すのではないかという懸念も出ている。更に、米国が予想以上に大きな原油在庫を抱えていることから、原油価格が更に押し下げられているため、資源輸出頼みの新興国にとって二重のリスクを抱えることになっている。」と報じた。
一方、同日付中国
『人民日報』は、「米利上げに伴う資本流出を抑え、また人民元安を喰い止めるためには、中国中央銀行(PBOC)も利上げする必要があるが、現在及び先行き経済成長率鈍化を悪化させないため、逆に利下げすることが求められており、厳しい選択を迫られることになる。そこで、PBOCは先週、人民元安に拍車がかかる恐れのあるこれまでの米ドル基準の管理相場制を止め、中国と貿易取引高が上位の13ヵ国、すなわち、米国、ユーロ、円等の通貨バスケットを基準とした管理相場制を採用することとし、人民元の安定化を図る政策を採用している。」と伝えた。
また、同日付韓国
『KBSニュース』は、「韓国中央銀行の李総裁は12月17日、米利上げの韓国金融市場への影響は限定的だと発表した。利上げの可能性は以前から予想されており、対策を立てるのに十分な時間的余裕があったとし、例えば、外国からの融資金を短期から中長期により多く移行することで安定化を図っているとした。但し、原油価格の下落や中国経済など、引き続き注視していく必要があるとも付け加えた。」と報じた。
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米・中・韓国メディア;北朝鮮、相変わらず不可解な行動(2015/12/14)
12月11日付「北朝鮮は本当に水爆保有?」の中で、“南北朝鮮の高官が、今年8月に両国高官レベルによる対話を再開することに合意して以来、初めて関係改善に向けた対話を行った”と報じた。その成果であるが、合意文を作らず、次の日程も決めずに終了してしまった。一方、中国との関係改善の特使として送られた、金正恩(キム・ジョンウン)第一書記の肝いりとされる楽団が、予定されていた北京公演を突然すべてキャンセルして帰国してしまった。相変わらずの北朝鮮の不可解な行動について、米・中・韓国メディアが伝えている。
12月12日付米
『Yahooニュース』(
『ロイター通信』記事引用)は、「南北朝鮮対話、合意なく終了」との見出しで、「今年8月の合意以来、12月11日に初めて開催された南北朝鮮高官レベルの対話は、結局何の合意もみず、また、次の日程も決めることなく終了した。韓国の交渉団代表によれば、北朝鮮側は、2008年以降中断している金剛山(クムガンサン)リゾートへの韓国ツアーの再開を強く求めてきたが、韓国側が、中断の引き金となった韓国人観光客の射殺事件を理由に、観光客の安全を保障することを条件にしたところ、一方的に会談が打ち切られたという。...
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12月12日付米
『Yahooニュース』(
『ロイター通信』記事引用)は、「南北朝鮮対話、合意なく終了」との見出しで、「今年8月の合意以来、12月11日に初めて開催された南北朝鮮高官レベルの対話は、結局何の合意もみず、また、次の日程も決めることなく終了した。韓国の交渉団代表によれば、北朝鮮側は、2008年以降中断している金剛山(クムガンサン)リゾートへの韓国ツアーの再開を強く求めてきたが、韓国側が、中断の引き金となった韓国人観光客の射殺事件を理由に、観光客の安全を保障することを条件にしたところ、一方的に会談が打ち切られたという。従って、韓国側が求めていた、朝鮮戦争を契機とした南北離散家族の生死確認や手紙の遣り取りの提案についても、何ら進展はなかった。」と報じた。
同日付中国
『上海日報』(
『AP通信』記事引用)は、「二国間高官交渉、関係改善の兆なく終了」との見出しで、「今年8月の両国間長時間交渉の結果、高官レベルによる対話と離散家族の面会行事について合意していた。それに基づき12月11日に高官対話が持たれ、また、後者についても今年10月に一度、離散家族の面会が実施されてはいた。」と伝えた。
また、同日付韓国
『KBSニュース』は、「両国次官級対話、合意なく打ち切り」との見出しで、「韓国の交渉団代表によれば、韓国側が要求する、離散家族の面会事業と、金剛山リゾートへの韓国ツアーの再開を(交換条件のように)結び付けるのは妥当ではない、と明言したが、会談は一方的に打ち切られたという。また、韓国側から次の日程を持ちかけたが、この話にも乗ってこなかったという。」と報じた。
一方、同日付米
『Foxニュース』(
『AP通信』記事引用)は、「金第一書記肝いりの楽団、突然北京公演をキャンセル」との見出しで、「金第一書記がお気に入りの、全員女性から成る北朝鮮の楽団が12月12日、突然北京公演をキャンセルして帰国の途に就いた。
派遣されていたのは、牡丹峰(モランボン)楽団(注後記)と功勲国家合唱団の二グループで、中国との関係改善のワンステップとみられていただけに、突然のキャンセルで、中朝間がまた冷え込む恐れがある。なお、北朝鮮研究専門家によると、(妻帯者の)金第一書記とメンバーの女性との関係を韓国メディアがゴシップとして流し、それを中国メディアも追随したことから、金氏が怒りに任せて呼び戻したものと推察されるという。」と伝えた。
同日付中国
『アジア・タイムズ』香港オンラインニュース(
『ロイター通信』記事引用)は、「北朝鮮のポップスバンド、北京公演をキャンセルして帰国」との見出しで、「モランボン楽団は、金第一書記がペットのように可愛がっているグループで、彼女らのショートヘアは平壌(ピョンヤン)で流行となっている、」と報じた。
なお、北京の消息筋の話では、金第一書記の「水爆発言」を受けて、中国外交部(外務省に相当)が緊張緩和に資する行為を求め、暗に金氏を批判する表明をしたこと、また、中国当局が楽団公演を観覧する当局者を、共産党政治局員(指導部幹部)から副部長級(次官級)に大幅に格下げしたことから、北朝鮮側が「最高尊厳(金第一書記)への冒涜」とみなし、抗議の意味で公演を取り消したものと推測されるという。
(注)モランボン楽団:歌手10人、奏者12人全員が女性の楽団。2012年7月、韓国人歌手サイの「江南スタイル」発売と同時期に(謀ったように)デビュー。メンバーは皆、金第一書記が選抜。
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