地球は磁場で守られているので太陽風の大部分を避けることができるものの、強力な太陽風は、少なからず地球に影響を与えることになる。
太陽は、単発的に大きな爆発を起こすと、宇宙空間に大量の物質を放出する。5月8日水曜日には正にこの現象が起きたと見られる。冠状の物質の放出が起こり、これらが地球に向かって降り注ぐこととなる。これらの物質は、高度に電離したガス(プラズマ)から構成され、太陽から地球までの1.5億kmの距離を3日間かけて到達し、地球に磁気的な影響を与えることとなる。...
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地球は磁場で守られているので太陽風の大部分を避けることができるものの、強力な太陽風は、少なからず地球に影響を与えることになる。
太陽は、単発的に大きな爆発を起こすと、宇宙空間に大量の物質を放出する。5月8日水曜日には正にこの現象が起きたと見られる。冠状の物質の放出が起こり、これらが地球に向かって降り注ぐこととなる。これらの物質は、高度に電離したガス(プラズマ)から構成され、太陽から地球までの1.5億kmの距離を3日間かけて到達し、地球に磁気的な影響を与えることとなる。
NOAAは、磁気嵐レベル5(=最高レベル)の太陽風が金曜日夜に観測されたと発表した。これは、2003年以来、初めての現象であるという。この時代にはスウェーデンで停電が発生し、南アフリカで変電所が故障したという。
従って、今週末には磁気嵐が起こって、前回のように人工衛星システムが悪影響を受けたり、地上の電力供給システムが乱されたりすることが危惧されている。
一方、これまでの記録を振り返ると1989年にカナダのケベック州の広範囲で9時間停電が続いた事例がある。微笑ましい逸話として、9か月後に出産率の増加があったという。
ロマンチックな話題として、北極のオーロラは、太陽風によって発生するが、強い磁気嵐が起こるとオーロラは光度を増して、北極より南の地域でも見ることができる。ちなみに、1989年においては米国のテキサス州の上空でもオーロラが観測できたという。
なお、今回の太陽での磁気嵐により、欧州 (例えばロンドンやパリ)でオーロラ観測されていて、それらの写真がすでにSNS上に流されているという。
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