米国:北朝鮮のリモートIT技術者の給与が核開発等に利用されている(2023/10/20)
北朝鮮のIT技術者が、身分を偽り米国企業で働き、その給与が北朝鮮の核ミサイル開発の資金源となっていることが問題視されている。コロナ禍以前から事例は報告されていたが、リモートワークが増加したことで、より活動が活発化しているとみられている。
10月19日付英
『Guardian』:「北朝鮮IT技術者の米国給与が自国の兵器開発資金となっている FBI」:
米司法省と米連邦捜査局によると、米企業と契約するIT技術者は、何年にも渡り密かに給与を北朝鮮に送金しており、その資金が北朝鮮の弾道ミサイル開発に使われているという。
18日、ミズーリ州セントルイスで行われた記者会見で米司法省は、セントルイスなど各地の企業でリモートワークのため、北朝鮮が派遣し契約させているIT技術者らが身分を偽り職につき、給与が核開発に流れていたとした。...
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10月19日付英
『Guardian』:「北朝鮮IT技術者の米国給与が自国の兵器開発資金となっている FBI」:
米司法省と米連邦捜査局によると、米企業と契約するIT技術者は、何年にも渡り密かに給与を北朝鮮に送金しており、その資金が北朝鮮の弾道ミサイル開発に使われているという。
18日、ミズーリ州セントルイスで行われた記者会見で米司法省は、セントルイスなど各地の企業でリモートワークのため、北朝鮮が派遣し契約させているIT技術者らが身分を偽り職につき、給与が核開発に流れていたとした。現在も継続している捜査では、150万ドルと17のドメイン名が押収されていると発表。
セントルイス捜査局のジェイ・グリーンバーグ特別捜査官は、フリーランスのIT技術者を雇用する企業に「少なくとも、個人情報を隠そうとする人物には気をつけるよう推奨する」などと注意喚起している。そうとは知らずにそのような人物を雇っていた企業名や時期は公開していない。
裁判記録によると、北朝鮮政府は米国等の企業を騙し、スキルの高い技術者をフリーランサーとして雇用させることを目的とし中国やロシアに派遣している。このようなIT技術者は年間数百ドルを稼いでいる。
当局によると、北朝鮮技術者が企業のコンピューターネットワークに侵入し情報を盗むケースや、ハッキングや強奪計画も発見されているという。技術者らは、米国で働いているように見せかけるため、米国人の自宅のWifiを利用させてもらえるよう金を払うなど、様々な方法を使っている。
昨年以来、北朝鮮は100発以上のミサイルを発射しており、朝鮮半島での緊張が高まっている。
10月20日付『AP通信』:「数千人のリモートワーカーの送金が北朝鮮の核開発を支えている FBI」:
FBIと司法省によると、米企業と契約する情報技術者数千人が、何年にも渡り北朝鮮へ数百ドルを送金し、それが弾道ミサイル開発に利用されていたという。
この計画は非常に広範囲で行われているため、各企業に雇用の際には、最低でもビデオなどによる面接を課すなど、注意するよう当局は呼びかけている。
昨年5月国務省と財務省は、北朝鮮人が「同国籍であることを偽り雇用を得ようとしている」との注意喚起警告を発し、近年、金正恩体制がIT関連分野での「教育とトレーニングへの重点強化をしている」としていた。
サイバーセキュリティ企業「マンディアント」のジョン・ハルトクイスト機密情報部長は、北朝鮮はITフリーランサーを10数年に渡り核開発支援に利用していたが、コロナ禍で活動がより顕著になってきたとする。「コロナ禍以降、リモートワークが広がったことでこれまで以上に重要なビジネスに携わる機会が増えた」のだという。北朝鮮は、IT以外の分野でも同様のやり方で資金を調達しているが、IT技術者の稼ぎが最も良い資金源となっているという。
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ジャニーズ事務所:創業者の性加害みとめ社長辞任(2023/09/08)
日本のポップ界最大手ジャニーズ事務所の創業者ジャニー喜多川氏による性加害を、藤島ジュリー景子社長が認めて謝罪したと報じられている。
9月8日付
『ロイター通信』:「日本のタレント事務所、姪がジャニー氏の虐待を謝罪し辞任へ」:
J-POP界の大御所故ジャニー喜多川氏は、数百人の青少年への性加害疑惑で批判されていたが、その姪ジュリー氏が7日謝罪し社長職辞任を発表した。
最も影響力のあるタレント事務所のスキャンダルは今年初旬に発覚し、世間を震撼させた。ジュリー氏は報道陣に対し深くお辞儀をし、虐待について謝罪を述べた。...
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9月8日付
『ロイター通信』:「日本のタレント事務所、姪がジャニー氏の虐待を謝罪し辞任へ」:
J-POP界の大御所故ジャニー喜多川氏は、数百人の青少年への性加害疑惑で批判されていたが、その姪ジュリー氏が7日謝罪し社長職辞任を発表した。
最も影響力のあるタレント事務所のスキャンダルは今年初旬に発覚し、世間を震撼させた。ジュリー氏は報道陣に対し深くお辞儀をし、虐待について謝罪を述べた。
BBCが3月ドキュメンタリーを報道してから、国中に怒りの感情が広がっていった。これは米国や英国でも同様で、ハリウッド映画プロデューサー、ハーベイ・ウェインスタイン(性暴力で逮捕)や英国TVスター、ジミー・サヴィル(音楽、子供向け番組の司会者で、未成年者への性的虐待が死後発覚)のスキャンダルの時のような国民の反応だった。
日本のメディアで広く報じられるようになるにつれ、議員らも怒りを表明し、国連の人権専門家も、虐待疑惑に対する事務所の対応を批判した。
文化的に多大な影響力もつ同事務所は、多くの人気グループを生み出し、東アジアでも多くのファンを持つ。性加害事実を認める発表を受け、大手企業が次々と同社との契約解除を決定または検討している。
その地位にもかかわらず、喜多川氏は公にあまり姿を見せず、写真も殆どない。様々な世代の少年アイドルや男性バンドを発掘し、そのビジネスモデルは東アジアでも浸透している。「最も多くのNo.1シングルをプロデュースした人物」など、複数のギネス世界記録保持者。
9月7日付英『BBC』:「ジャニー喜多川:J-POP事務所社長が創業者の虐待をめぐり辞任へ」:
日本の最大手ポップタレント事務所のトップが、創業者ジャニー喜多川氏による性加害を認めて辞任。
このスキャンダルは、業界にとって、ハリウッドの大御所で、性的暴行で実刑判決となったハーベイ・ウェインスタインの事件に匹敵するもの。
事務所はエンターテイメント界で絶大な力を持っており、何年にも渡り、多くの若い男性にってスターダムへの登竜門となっていた。ジャニー氏の死去は国民的出来事で、当時の総理大臣が弔電を送るほどだった。
一方で、生前裁判に取り上げられるケースもあったが、最主要メディアが訴訟を数十年間報道せず、業界全体での隠蔽に繋がった。その後、BBCの加害疑惑報道が、日本中の議論を巻き起こし、全面的な調査を求める声が高まっていった。
事務所の家族経営が加害の継続を許してしまった一因とされるが、会社のブランドが今度どうなるかは大きな疑問となる。
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