トランプ大統領夫妻が、新型コロナウィルス(COVID-19)に感染していることが判明した。同大統領から散々敵視された中国では、多くの人がソーシャルメディア上で“COVID-19を軽視した罰が当たった”と言及すれば、国営メディアは、劣勢が予想される大統領選を延期させるための巧妙な作戦だ、とまで酷評している。
10月2日付米
『バイス』オンラインニュース:「トランプ大統領のCOVID-19感染報道に対する中国ソーシャルメディアの反応」
ドナルド・トランプ大統領及びファーストレディーのメラニア・トランプ氏がCOVID-19感染していることが判明し、自主隔離することになった。
数週間後に大統領選を控えた時期の現職大統領の感染報道に、米政治への影響が懸念される。
しかし、中国においては、数百万のインターネットユーザーが、10月2日に飛び込んできた驚くべきニュースに対して、驚いただけでなく、気晴らしだと感じたり、またシャーデンフロイデ(他人の不幸を喜ぶ感情、注後記)を表した。...
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10月2日付米
『バイス』オンラインニュース:「トランプ大統領のCOVID-19感染報道に対する中国ソーシャルメディアの反応」
ドナルド・トランプ大統領及びファーストレディーのメラニア・トランプ氏がCOVID-19感染していることが判明し、自主隔離することになった。
数週間後に大統領選を控えた時期の現職大統領の感染報道に、米政治への影響が懸念される。
しかし、中国においては、数百万のインターネットユーザーが、10月2日に飛び込んできた驚くべきニュースに対して、驚いただけでなく、気晴らしだと感じたり、またシャーデンフロイデ(他人の不幸を喜ぶ感情、注後記)を表した。
同ニュースは、まるで山火事のように僅か数分間でインターネット上に拡散し、ミニブログサイト微博(ウェイボー)では瞬く間にトップ・トレンドとなった。
同ブログ上でも、COVID-19の恐ろしさを無視しただけでなく、中国発症の感染症だと何度も繰り返していたリーダーが感染したとして、食後のおいしいデザートのような甘美な話だと言ったり、罰が当たったと罵倒したりしている。
また、中国国営メディアも10月2日、同大統領の感染につき大々的に報道し、中には、“劣勢となっている大統領選の投票日を延期させるための巧妙な作戦だ”との評論家コメントをも紹介している。
同大統領はこれまで、COVID-19を過小評価してきていた。
3月に全米で都市封鎖措置が講じられた際でも、同大統領は、感染症専門家が恐れる程深刻な感染症ではないと何度も述べている。
その上で、保健当局から大勢の集会は控えるようにとの警告が出ているにも拘らず、大統領選支持者集会を強行開催し、また、しばしばマスク不着用で登壇していた。
更に、陽性が判明する数時間前には、選挙関連の会食の席上、“COVID-19の終焉が見えてきた”とし、“来年は史上最高に素晴らしい年になる”とまでアピールしていた。
南カリフォルニア大(1880年設立の私立大学)政治学・国際関係部の中国専門家のスタンリー・ローゼン教授は『バイス』のインタビューに答えて、“中国は国を挙げてCOVID-19対策に取り組んできたので、習近平(シー・チンピン)国家主席が感染することなど考えられない”とし、“中国が抑え込んだに比べて、現職大統領が感染してしまうとは、米国は何と愚かにもCOVID-19を軽んじたことか、と多くの中国人は思っているはずだ”とコメントした。
なお、アジアのその他の国々でも注目され、フィリピンではハッシュタグ“#トランプ陽性”がトップ・トレンドに、シンガポールでは“トランプ”、“メラニア”、“COVID”が検索トップとなる等、数百万人がツイートしている。
同日付中国『チャイナ・ナショナル・ニュース』:「トランプ大統領感染のニュースに中国では様々な反応」
『新華社通信』は、トランプ大統領自身の感染ツイートに基づいて詳報しているが、『人民日報』は、一面掲載だが数行触れただけである。
中国外交部(省に相当)は、トランプ夫妻の早期快復を祈念するとコメントした。
しかし、『環球時報』の胡錫進(フー・チーチン)主筆は、“トランプ夫妻は、COVID-19を軽視した罰が当たった”とし、“これで、米国におけるCOVID-19感染が依然深刻であることが明らかになった”と辛らつにツイートしている。
一方、独立系学者の張同祖(チャン・トンチュー)氏は、中国以外の多くの国の指導者が感染しているのに、何故中国では、国家主席はもとより、首相や中央政治局委員等幹部の誰一人として感染していないのか、と素朴な疑問を呈している。
(注)シャーデンフロイデ:自分が手を下すことなく他者が不幸、悲しみ、苦しみ、失敗に見舞われたと見聞きした時に生じる、喜び、嬉しさといった快い感情。「損害」「害」「不幸」などを意味する "Schaden" と「喜び」を意味する "Freude" を合成したドイツ語。
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論説では、金正恩委員長が習近平総書記と平壌で対面したことで、両国関係の親交がより緊密になり、両国関係を深化・発展させる重要な契機となったとされ、また両国の党と人民が帝国主義に反対し、平和と社会主義を建設する事業のなかで、互いに血と生命を捧げながら緊密に支持、協力してきたことが強調されている。
2017年までは「環球時報」や「朝鮮中央通信」で非難しあっていた中朝関係であったが、昨年の習近平訪朝によってようやく党および国家関係が修復されたことになる。
ただし『人民日報』では、「労働新聞」の記事を掲載しているものの、独自の記事は掲載されていない。
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