豪州外相;中豪国交樹立50周年を迎え4年振りに訪中【米・中国メディア】(2022/12/21)
日中は今年9月末、国交正常化50周年を迎えたが、尖閣諸島や台湾をめぐる問題でギクシャクしていることもあって、政府幹部同士の交流があったとは言い難い。一方、豪州も今年12月下旬、国交樹立50周年を迎えるが、冷え込んだ関係を修復すべく、豪州外相が政府要人として4年振りに訪中することになった。
12月20日付米
『AP通信』は、「豪州政府高官、貿易対立改善及び拘束豪州人解放を図るべく訪中」と題して、中豪関係はここ数年、新型コロナウィルス(COVID-19)感染流行問題の発生源騒動や双方のスパイ疑惑等で冷え込んでいたが、保守党から労働党政権に転換したことを契機に、関係修復を図るべく、豪州外相が政府要人として4年振りに訪中することになったと報じている。
豪州外相が今週、政府要人として4年振りに訪中することになるが、これを契機に、貿易紛争の解決や中国に拘束されている2人の豪州人の解放に繋がることが期待されている。...
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12月20日付米
『AP通信』は、「豪州政府高官、貿易対立改善及び拘束豪州人解放を図るべく訪中」と題して、中豪関係はここ数年、新型コロナウィルス(COVID-19)感染流行問題の発生源騒動や双方のスパイ疑惑等で冷え込んでいたが、保守党から労働党政権に転換したことを契機に、関係修復を図るべく、豪州外相が政府要人として4年振りに訪中することになったと報じている。
豪州外相が今週、政府要人として4年振りに訪中することになるが、これを契機に、貿易紛争の解決や中国に拘束されている2人の豪州人の解放に繋がることが期待されている。
しかし、ペニー・ウォン外相(53歳、2022年就任)は離豪前の12月20日、両国間に顕在する諸問題解決には時間を要すると表明した。
それでも外交問題専門家は、何年も冷え込んでいた両国関係の改善に可能性を見出すために良い機会となるとコメントしている。
同外相は今週、中豪国交樹立50周年記念日を迎えることから、訪中の上、王毅外交部長(ワン・イー、69歳、2013年就任)と会談する予定である。
同外相は記者団に対して、“直近で様々な憶測が飛び交っているが、自身が今言えることは、訪中して中国外相と会談するということと、直接会談は両国関係改善に不可欠なことだ”とした上で、“(進捗に関して)自身は憶測でものを言うことはできず、ただ、両国間の懸案事項を解決していくには大変な時間が必要となるということだ”とコメントした。
中国で目下拘束されているのは、スパイ活動容疑で2019年に逮捕された中国系豪州人の楊恒均氏(ヤン・ヘンチュン、57歳、スパイ小説著者・民主活動家)、及び国家機密漏洩容疑で2020年に拘束された成蕾氏(チェン・レイ、47歳、TVジャーナリスト)である。
豪州政府はこれまで即時解放を訴えてきたが、中国政府は二重国籍を認めていないために外国籍の人物に適用されるべき問題とは捉えておらず、特にスパイ容疑である以上、両人とも中国人として厳しく取り調べた上で厳正に裁くとしている。
一方、今回の外相訪中は、今年5月に保守党政権から労働党政権に代わったこと、また、先月インドネシアで開かれた主要20ヵ国首脳会議(G-20サミット)の機会を捉えて、アンソニー・アルバニージー新首相(59歳、2022年就任)が習近平国家主席(シー・チンピン、69歳、2012年就任)と6年振りとなる首脳会談を持ったことから、何らかの進展が期待されるところとなっている。
なお、豪州保守党政権が数年前、豪州国内の中国系関係者の工作疑惑や、COVID-19発生源の厳正な調査を強く主張したことの腹いせに、中国が豪州産品の輸入規制や高官レベルの交流を拒否したことから、直近数年間は非常に冷え切っていた。
そこで、外交政策関係シンクタンクのローウィ・インスティテュート(2003年設立)のジェニファー・スー特別研究員は、“両国間の懸案問題の進展には時間を要するものであるが、ともかく両国高官が直接会談することで、何かしら動き出す契機となることが期待される”と歓迎した。
同研究員は、中国にとっても豪州産品の輸入規制を緩和することによって経済的なメリットとなることは確かだ、ともコメントしている。
同日付中国『人民日報』は、「外交部報道官、豪州外相訪中について説明」と詳報している。
外交部の毛寧報道官(マオ・ニン、50歳、2022年就任)は12月20日、ウォン豪州外相が12月20~21日に中国を訪問すると発表した。
同報道官は、同外相の訪中は12月21日に中豪国交樹立50周年を迎える一環でのものであるとした上で、滞在中に王外交部長とも会談するとした。
同報道官によれば、先月のG-20サミットの機会に中豪両首脳が会談し、両国関係を発展させるとの重要な共通認識を持ったことから、今回の豪州外相の来訪に繋がったという。
その上で、両国の国交樹立50周年を契機に、相互尊重、互恵、“小異を残して大同につく”原則を堅持し、直接対話を重視して、両国関係を正常軌道に戻し、そして持続可能な発展を遂げるよう後押ししていくことが望まれる、と結んだ。
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アジアで旅行制限緩和(2022/10/13)
日本を含む中国以外のアジアでは、入国制限が緩和し、旅行客が戻っていると報じられている。
10月13日付米
『CNN』:「中国を除く、アジアも遂に旅行制限を緩和」:
アジアでは入国制限が緩和している一方、中国のようにまだ規制が続いている国もある。
3年ほど渡航禁止が続いたが、ここ数ヶ月で旅行が回復した国もあり、観光業界や、コロナによる雇用不安や家族離散に苦しんだ多くの人々が安堵についている。しかし中国では、入国規制やロックダウン、ワクチン強制等、厳しいゼロコロナ政策で経済が低迷し、市民の不満は高まるものの、この制限に終止符が打たれる気配はない。...
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10月13日付米
『CNN』:「中国を除く、アジアも遂に旅行制限を緩和」:
アジアでは入国制限が緩和している一方、中国のようにまだ規制が続いている国もある。
3年ほど渡航禁止が続いたが、ここ数ヶ月で旅行が回復した国もあり、観光業界や、コロナによる雇用不安や家族離散に苦しんだ多くの人々が安堵についている。しかし中国では、入国規制やロックダウン、ワクチン強制等、厳しいゼロコロナ政策で経済が低迷し、市民の不満は高まるものの、この制限に終止符が打たれる気配はない。
中国の半自治都市である香港では、9月に世界で最も厳しい入国制限を終了、我慢を重ねた旅行希望者が海外旅行に出かけていった。台湾も9月に米国やEU諸国などからのビザなし訪問受け入れを再開している。
アジア観光で最も人気の日本は、6月に入国を緩和したが、個人旅行でなく団体旅行に限定。やや回復したものの、この方法があまり効果がなかったとみて、9月には入国者数制限なしで個人旅行の緩和に踏み切った。この効果はすぐに現れ、シンガポールの旅行代理店によると、旅行予約や旅行検索数が急増したという。渡航者が最も多いのが韓国で、旅行予約は194%増加。スペイン、ドイツ、米国、英国など欧米からの予約も同様の伸びとされる。
韓国は6月、国籍やワクチン接種を問わず海外からの渡航を緩和。この効果は絶大で、韓国統計情報サービスによると、8月の入国者31万人のうち半分は旅行者で、昨年同時期の3倍となっている。
観光業への依存度が高い東南アジア諸国では、昨年、東アジアからの渡航受け入れを先立って開始、その効果は既に顕著だ。ベトナムでは、昨年11月、ワクチンパスポート計画による特定観光地への渡航を緩和、その後予定より早く3月には全面緩和に踏み切った。2019年観光業はGDPの12%を占めていた。政府統計によると、今年海外からの渡航者は187万人で、昨年同時期の16倍にものぼった。
タイでは昨年11月からワクチン接種完了を条件に旅行を緩和。オミクロン株流行で一時停止したが、今年再開し、ここ数ヶ月緩和が続いている。観光客はパンデミック前のレベルには回復していないが、来年までには8割に戻ると期待されている。
これらのように、規制を緩和する国と中国は対象的だ。先週は、新疆ウイグル自治区の住民の地域外への移動を禁止し、ユネスコ世界遺産の古都平遥(ピンヤオ)では、2人の感染確認後にロックダウン体制が敷かれるなど、人々は観光地や空港で行動制限にあっている。政府が厳しい規制を続ける中、最近では国営メディアもゼロコロナ支持を強化。12日の人民日報では、「渡航を緩和した国々は、効果的なタイミングでの対策に失敗したため緩和に至った」などと解説している。
10月10日付星『CNA』:「日本で観光緩和も土産物店は閉まり、ホテルはスタッフ不足」:
2年以上パンデミック鎖国をしていた日本は今週、入国規制を緩和する。観光業での期待が高まるが、シャッターの閉じた店やサービス業での人手不足という逆風に直面している。
日本は11日から数十カ国からのビザなし渡航を開始する。岸田首相も24年ぶりの円安水準となった経済回復に期待を寄せる。
今年の観光客は50万人超、3年前には310万人だった。政府統計によると、ホテル業界での雇用は2019~2021年で22%下落した。来年の観光がパンデミック前までは追いつかず、観光収入は2025年まで回復しないとみられている。
成田空港は閑散としたままで、260ある店や飲食店はシャッターが降りたままだ。コロナ禍で国内観光向けにシフトした土産物店は、空港から他店へ商品やスタッフを移し、来春まで営業を再開しないという。
多くのサービス業では過去2年、よりよい労働条件や待遇を求め、多くの従業員が他業種に転職していった。観光業コンサルタントは、これらの人材を呼び戻すことは困難だする。8月の全国のホテルを対象とした市場調査によると、正規従業員不足だと回答したのは、前年比27%増となる73%だった。
日本では未だに室内でもマスクを着用し、大きな声で話すことも控えるよう奨励されている。そのため、海外からの観光客がマスクを着用したり、感染対策をしてくれるかも懸念されている。
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