英首相、中国出資の原発計画を承認(2016/09/16)
英国のメイ首相は、9月15日英国のヒンクリーポイント原発計画について最終的に承認を与えた。ヒンクリーポイント原発計画は石炭火力発電に代わりCO2削減に資するものとして何十年ぶりかで英国で建設される原子力発電所で、フランスの国営電力公社(EDF)が三分の二、中国の国有原発大手中国広核集団が三分の一を出資するものであるが、契約調印の直前に新しく就任した英国メイ首相が、重要インフラプロジェクトに中国資本が出資することに懸念を示し、調印を延期されていたもの。メイ首相は中国との関係にも配慮しつつ、英国の利益を守る形に変更したうえで承認を与えたが、一時はどうなるかと心配された英中関係を上手く折り合いを付けて乗り切ったようである。
9月16日付
『ヤフーニューズ』 (ロイター通信引用)は、「メイ首相、管理を強化した上でヒンクリーポイント原発を承認」という見出しで、英国が木曜日240億ドルの原発に承認を与えたが、中国との関係を不安定化させたことに終止符を打つとともに、原発を建設する中国とフランスは報われることとなると報じた。今回の件はメイ首相が大規模インフラプロジェクトへの外国からの投資に対して、前キャメロン首相よりは慎重に対応するというシグナルを送ることになった。...
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9月16日付
『ヤフーニューズ』 (ロイター通信引用)は、「メイ首相、管理を強化した上でヒンクリーポイント原発を承認」という見出しで、英国が木曜日240億ドルの原発に承認を与えたが、中国との関係を不安定化させたことに終止符を打つとともに、原発を建設する中国とフランスは報われることとなると報じた。今回の件はメイ首相が大規模インフラプロジェクトへの外国からの投資に対して、前キャメロン首相よりは慎重に対応するというシグナルを送ることになった。クラーク商務相は今回の承認は、英国が引き続き世界で最も開放的経済の国であることと、外国からの投資が常に公共の利益となることを同時に示したと述べた。今回の承認案のもとでは、EDFが自分の出資分を売却する場合に英国政府の承認を得なければならないこととなった。中国広核集団も今回の承認を歓迎していると報じている。
9月15日付英国
『メールオンライン』 (AFP通信引用)は「英国、ヒンクリーポイント原発計画を承認」という見出しで、英国は最終的に木曜日英国で何十年ぶりの原発であるヒンクリーポイントにゴーサインを出したが、欧州でも指折りの原発計画に対する中国の役割への懸念に上手く対応する条件を付したものとなったと報じた。但し条件は単に中国だけを牽制するものではなく一般的な国家安全保障条項であり、外交的にも配慮したものとなったと専門家はコメントしている。また、中国の
『新華社通信』 は、「中国の投資に対する捏造された心配で延期されたプロジェクトが最終的に歓迎すべき形となった」と報じた。ヒンクリーポイント原発は建設するEDFに対し35年間に亘って現在の電力価格の約2倍の電力価格を保証していることも批判されているが、原発の電力コストは一般的に風力発電のコストより大幅に低いコストであり、且つCO2削減にも寄与する点を評価する専門家もいると伝えている。
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アフリカ開発会議(TICAD)ケニアにて開催(2016/08/29)
日本政府と国連、世界銀行が共催する第6回アフリカ開発会議(Tokyo International Conference on African Development ‐TICAD)が8月27、28日の二日間ケニアの首都ナイロビで開催された。今回初めてのアフリカでの開催となったがナイロビ宣言を採択して無事閉幕した。安倍首相はリオオリンピックの閉会式でスーパーマリオのパフォーマンスを演じ世界の注目を集めて23日午後に帰国した後、25日午前にはまたケニアへ出発するという強行軍で、この会議にも出席しアフリカ諸国の政府首脳と友好を深めた。病気で途中退場した第一次安倍内閣時とは打って変わった八面六臂の活躍ぶりは目を見張るものがあるが、アベノミクスの再構築が喫緊の課題となっている内政面はともかく、外交面で日本を世界に売り込む姿勢は誰しも頭が下がる思いだと思う。海外メディアのTICADについての報道ぶりを拾って見た。
8月27日付
『ロイター通信』 は、「日本、アフリカに対し今後3年間で300億ドルを約束」という見出しで、日本の安倍晋三首相は土曜日アフリカの指導者たちにインフラ開発、教育、ヘルスケアの強化の官民による支援のために300億ドルを約束すると語ったと報じた。資源の少ない日本はこれまで長い間アフリカの膨大な天然資源利用に関心を示して来たが、2011年の福島原子力発電事故後殆どすべての原発を停止して以来、石油・天然ガスへの依存を更に深めた。...
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8月27日付
『ロイター通信』 は、「日本、アフリカに対し今後3年間で300億ドルを約束」という見出しで、日本の安倍晋三首相は土曜日アフリカの指導者たちにインフラ開発、教育、ヘルスケアの強化の官民による支援のために300億ドルを約束すると語ったと報じた。資源の少ない日本はこれまで長い間アフリカの膨大な天然資源利用に関心を示して来たが、2011年の福島原子力発電事故後殆どすべての原発を停止して以来、石油・天然ガスへの依存を更に深めた。300億ドルは向こう3年間に亘り支払われるものでこのうち100億ドルはアフリカ開発銀行と協力でインフラ開発プロジェクトに利用される。
安倍首相は30ヶ国を超えるアフリカの首脳に対し、この投資はアフリカの未来を信じてのものであり、日本とアフリカが共に成長するための投資であると語った。2015年の日本のアフリカに対する投資は12.4億ドルで2014年の15億ドルから減少した。一方中国は2015年の4月だけで赤道ギニアに対し20億ドルの投資をしている。これらの投資は道路、港湾、空港などインフラのほか、2万人の数理系の教師の研修費や2万人の伝染病専門家養成のためにも使われる。出席したチャドの大統領は、最近深刻な問題となっているテロ対策にも使ってほしいと要請したと伝えている。
8月27日付英国
『メールオンライン』 (AFP通信引用)は、「日本、中国の影の下援助ショーをアフリカで」という見出しで、日本は土曜日ケニアでの巨大な開発会議という形で援助・貿易ショーをアフリカで開催したが、資金のふんだんにある中国と影響力を争う中で量より質が勝ることを望んでいると報じた。TICADと呼ばれるこの会議は過去5回は日本で開催したが、今回は初めてアフリカ開催となった。安倍晋三首相は、リオオリンピックの閉会式でスーパーマリオとして登場して以来、装いも新たにアフリカの何十という国の指導者と会見する予定である。
日本はアフリカで確固たる存在であるが、資金量では中国の後塵を拝している。2015年中国の対アフリカ貿易額は1,790億ドルを数えるのに対し、日本は僅か240億ドルにとどまっている。日本は金額では中国と戦えないので、質の面を強調する必要があると開発の専門家は語る。今回のアフリカ開催は、アフリカ諸国の要請でもあるが、アフリカ詣での弾みを付けて日本の勢力を拡大したいという日本側の思いを反映していると報じている。
8月28日付ケニアの
『スター』 は、「TICAD:アフリカ日本貿易拡大のため73の覚書に署名」という見出しで、ケニアのケニヤッタ大統領と安倍首相の立ち合いのもと、TICADでアフリカ日本貿易拡大のため、かつてない規模の73通の覚書が署名されたと報じた。これは日本が表明した官民によるインフラ開発、教育、ヘルスケア強化のための3兆シリング(300億ドル)の約束と緊密に関連するものである。ケニアの大統領はケニア経済界に対し、製造業がGDPの50%に達するように経済の生産性を上げるため日本との提携の機会を逃さないように促したと報じている。
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