3月19日付
『ロイター通信』は、大気汚染度をリアルタイムで測定しているIQAir(注後記)の直近のデータによると、2023年において最も大気汚染が深刻な国は全て南アジア諸国であったと報じている。
世界134ヵ国・地域において3万カ所余りのモニタリング基地のデータを基に大気汚染モニタリングを行っているIQAirの最新データによると、2023年において最も大気汚染が深刻な国はバングラデシュ・パキスタン・インドで、トップ3を南アジア諸国が占めたことが分かった。...
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3月19日付
『ロイター通信』は、大気汚染度をリアルタイムで測定しているIQAir(注後記)の直近のデータによると、2023年において最も大気汚染が深刻な国は全て南アジア諸国であったと報じている。
世界134ヵ国・地域において3万カ所余りのモニタリング基地のデータを基に大気汚染モニタリングを行っているIQAirの最新データによると、2023年において最も大気汚染が深刻な国はバングラデシュ・パキスタン・インドで、トップ3を南アジア諸国が占めたことが分かった。
IQAirのクリスティ・チェスター・シュローダー大気質科学研究マネージャーは、“南アジアの気候条件と地理的条件のせいで、汚染された空気が行き場を失っているため、大気中の粒子状物質(PM2.5)濃度が急上昇する”とした上で、“それに加えて、農業慣行、産業、人口密度などの要因があり、現下の見通しでは、改善するよりはむしろ更に悪化するとみられる”と言及している。
世界保健機関(WHO、1948年設立)のガイドラインによれば、PM2.5濃度は0~5マイクログラム(100万分の5グラム)を推奨している。
しかし、今回公開のデータによると、2022年に5位だったが2023年で1位となったバングラデシュのPM2.5濃度は79.9マイクログラムで、WHOガイドラインの実に15倍強となっている。
同国首都ダッカのノースサウス大の大気汚染研究専門のフィロツ・カーン教授は、“当国における早世の約20%は大気汚染が原因であり、関係する医療費は当国の国内総生産(GDP)の4~5%にも達している”とコメントしている。
また、2022年に8位だったインドも2023年は54.4マイクログラムと3位まで順位を上げていて、首都ニューデリーでは実に92.7マイクログラムを記録している。
更に、中国も2022年までの5年間はPM2.5濃度を下げてきていたが、2023年には32.5マイクログラムと前年比+6.3%と上昇し、19位となっている。
一方、2022年データでトップ3を占めていたチャド・イラン・スーダンはデータ取得が不可能となったため、当該順位からはずされている。
なお、今回のモニタリングデータによると、WHOのガイドライン内に納まったのは、134ヵ国・地域中、豪州・NZ・フィンランド・アイスランド・モーリシャス・エストニア・グレナダの僅か7ヵ国であった。
(注)IQAir:大気汚染モニタリング機器・空気清浄機等の空調製品の製造販売、委託を受けての施設内の空調設計等を行うスイス企業。1978年設立。各国の空気室測定データや自社製品による測定データをリアルタイムで統合し表示する大気汚染情報プラットフォームAirVisualを運営。
(参考)2023年大気汚染度世界ランキング(対象134ヵ国):1位バングラデシュ、2位パキスタン、3位インド、・・、8位ネパール、・・、14位インドネシア・・、19位中国、・・、22位ベトナム・・とアジアが上位を占める。なお、45位台湾、50位韓国、71位イタリア、80位シンガポール、93位カナダ、94位ロシア、96位日本、99位フランス、102位米国、103位ドイツ、107位ウクライナ、112位英国、128位豪州、129位NZとなっている。
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英国政府はこの程、プロフットボール・チームを傘下に収めていたアラブ首長国連邦(UAE)出資の投資会社による英国老舗新聞社の買収計画を阻止する法案を制定しようとしている。
3月13日付
『AP通信』、
『ロイター通信』、
『AFP通信』、14日付
『ザ・タイムズ』、
『ボイス・オブ・アメリカ』は、英国政府がUAE傘下の投資会社による英国保守系老舗新聞社の買収を阻止するための法案を準備中である旨一斉に報じた。
UAE副首相のシェイク・マンスール・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン氏(53歳、2023年就任、アブダビ首長国王室の一員)は2008年、英国プレミアリーグ所属のマンチェスターシティー・プロフットボール・クラブ(1880年創設)を買収した。
これは、ロシア大富豪ロマン・アブラモビッチ氏(57歳)が2003年にチェルシー・フットボール・クラブ(1905年創設)を買収して以来の出来事であった(2022年ウクライナ軍侵攻を伴い、同氏は同年に止む無く米投資会社へ売却)。
そのシェイク・マンスール氏が率いるUAE・アブダビ首長国在のレッドバードIMIが、英国老舗新聞社『ザ・デイリィ・テレグラフ』紙(1855年創刊)を買収する動きに出た。
しかし、同紙が現保守党政権と密接な関係にあることもあって、プロフットボール・クラブ買収には何ら口を挟まなかったが、メディアの独立性や政治的な影響力を持つ資産が外資の傘下に入ること等を懸念するとして、この程、同買収を阻止するための法案制定に動き出した。
貴族院(上院に相当)のスティーブン・パーキンソン議員(40歳、2022年文化・芸術担当政務次官就任)は、“我が政府は、メディア買収の制度を修正し、新聞やその他定期刊行雑誌が外国資本によって所有されたり、影響下に置かれたりする道を排除することを明白にしていく”とコメントした。
同議員によると、今回の法改正によって、問題ありと懸念される如何なるメディア買収案件に関して、全て競争・市場庁(CMA、公正取引委員会に相当、1973年前身設立、2013年現組織設立)に調査が委ねられることになるとする。
そして、もしCMAが問題ありとの結論を出した際には、政府は当該買収案件を阻止するか、撤回させる命令を下さなければならないと規定されるという。
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