【Globali】
世界が見る最近の日中関係(2015/02/13)
安倍首相が施政方針演説を行い、各国との関係、戦後70周年、憲法改正や積極的平和主義、農協改革、地方創生、TPP、イスラム国などによる邦人殺害事件など、様々な分野にわたって力説した。今回は中国への批判的なトーンは抑え「今後、様々なレベルで(中国との)対話を深めながら、大局的な観点から安定的な友好関係を発展させ、国際社会の期待に応えていく」と、中国との関係改善に踏み込んでいくことを示唆した内容となっている。こうした矢先、安倍首相の安全保障分野の強化を念頭に、中国が9月にも大規模な軍事パレードを計画していることが明らかになった。習主席の任期中にこうした大規模なパレードを4回開催する予定とのことで、まだまだ日中関係の行く末は不透明だ。各国は、最近の日中関係について以下のように報じた。
2月13日付
『ロイター通信』(英国)は「関係筋によると、習主席は9月に中国人民解放軍の大規模な軍事パレードを行う方向で準備を進めており、そこで中国国産の新しい武器が公開される予定である」と報じた。さらに「安倍首相は、2015年に平和憲法を改憲するための法案を通すことを皮切りに、日本に強力な安全保障政策を打ち立てたいという目標を持っている。この政策は第二次大戦以来、はじめて日本が海外で同盟国のために戦うことを可能にするものだ」と報じている。...
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2月13日付
『ロイター通信』(英国)は「関係筋によると、習主席は9月に中国人民解放軍の大規模な軍事パレードを行う方向で準備を進めており、そこで中国国産の新しい武器が公開される予定である」と報じた。さらに「安倍首相は、2015年に平和憲法を改憲するための法案を通すことを皮切りに、日本に強力な安全保障政策を打ち立てたいという目標を持っている。この政策は第二次大戦以来、はじめて日本が海外で同盟国のために戦うことを可能にするものだ」と報じている。
一方、2月13日付
『中国網』(中国)は
『ボイスオブアメリカ』(米国)のウェブサイトを引用しながら、「安倍首相は1月に行われた演説の中で、東シナ海の防空識別圏の問題などで中国を批判していたものの、2月12日の施政方針演説ではAPECで習主席と会談したことについて触れ、”日中首脳会談が両国関係の改善に大きな一歩を踏み出した”とし、”両国関係の安定は、地域の平和と安定のために欠かせない”として、安定した中日の友好関係の全体的な発展に焦点を当てた」と、安倍首相が中国に対する強硬的なトーンをやや和らげたと報じている。
2月13日付
『ニューシース』(韓国)は、「設立45周年を迎えた日本記者クラブが、中国・鄧小平国家主席(当時)の尖閣諸島(釣魚島)の領有権紛争について、中国の立場を明らかにした音声ファイルを公開した」と報じ、「その中には鄧小平氏の来日時に、”尖閣問題は現状維持にする必要があり、その解決は後世に先送りすべきだ。より知恵のある後世の人が解決策を必ず見つけるだろう”との発言が含まれている」と報じた。今のタイミングで日本記者クラブが、この音声ファイルを公開した背景として「一部では、中国との関係緩和を念頭に置いた措置ではないかという見方もある」と報じた。
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世界が見る日本人人質拘束事件2(2015/01/27)
ISIL(イスラム国)は、日本人ジャーナリスト後藤健二の解放と引き換えに、ヨルダンで収監されている爆弾犯リシャウィ死刑囚の釈放を求めている。ヨルダン国内ではヨルダン人パイロットの解放を最優先と考える世論が根強い上、米国がそもそも人質交換という手法に難色を示しており、人質交渉の行方はそう楽観視できない状況にある。こうした中、ヨルダンの現地対策本部で指揮を執っている中山外務副大臣が、具体的内容には言及しながったものの「2人が無事にそれぞれの国に笑顔で戻れる日が来るように力を合わせていきたい」と、一括解放の可能性を示唆した。各国は日本人人質拘束事件について、以下のように報じた。
1月27日付
『AP通信』(米国)は、「日本政府の人質事件の取り扱いに批判がある中、ヨルダンに派遣されている中山外務副大臣が、ヨルダン人パイロットと後藤健二2人の帰還を視野に入れて、交渉を検討していることがわかった」と報じた。また「リスクを無視して行動した日本人人質2人の行動と、安倍首相の外交政策が今回の危機を招いた」と指摘した上で、「2人の解放に向けてこれまでに日本政府は何を行ってきたのか」、「人道支援の2億ドルを援助する際に、ISILに言及したことはうかつだったのではないか」との民主党の前原元外相の国会での代表質問を紹介した。...
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1月27日付
『AP通信』(米国)は、「日本政府の人質事件の取り扱いに批判がある中、ヨルダンに派遣されている中山外務副大臣が、ヨルダン人パイロットと後藤健二2人の帰還を視野に入れて、交渉を検討していることがわかった」と報じた。また「リスクを無視して行動した日本人人質2人の行動と、安倍首相の外交政策が今回の危機を招いた」と指摘した上で、「2人の解放に向けてこれまでに日本政府は何を行ってきたのか」、「人道支援の2億ドルを援助する際に、ISILに言及したことはうかつだったのではないか」との民主党の前原元外相の国会での代表質問を紹介した。これに対し、「テロリストの存在を恐れてばかりいたら、日本はいかなる人道支援も行うことができない」との安倍首相の答弁を紹介し、「安倍首相は平和憲法の下で動きがとれない自衛隊の縛りを緩和させ、その役割を拡大させることを望んでいる」と結んだ。
1月27日付
『ボイスオブアメリカ』(米国)は、「人質事件は国際安全保障において、より積極的な役割を担っていくという日本政府の計画について、日本の世論を二分する形にした」と報じた。
1月27日付
『AFP通信』(フランス)は、「日本のメディアが、ヨルダン国王はヨルダン人パイロットの解放を優先させそうだと伝えているにもかかわらず、日本政府は2人の一括解放に向けて取り組んでいると主張している」とした上で、「日本はいかなる人質交換にも反対するとの立場を表明している米国の抵抗に遭いそうだ」と指摘、「人質の交換は身代金を支払うのと同じことを意味する」との米国国務省サキ報道官の発言を紹介した。
1月27日付
『BBC』(英国)は、「もちろん多くの日本人は湯川氏の殺害に戦慄を覚え、後藤氏が現在置かれている状況に同情しているが、湯川氏よりは責任は少ないものの、後藤氏が日本をのっぴきならない立場に置いてしまったことに対して、苛立ちも感じている」と伝えた。
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