香港で言論統制か、民主派の本が貸出停止(2020/07/06)
香港の公立図書館では、有名な民主活動家らの著作物が撤去され貸出停止となり、検閲に回されているという。先月末に施行された、国家転覆や分離活動、テロ行為等を取り締まる「国家安全維持法」による言論の弾圧だと懸念が広がっている。
7月4日付仏
『フランス24』 (AFP通信引用)は「民主派著書が香港の図書館から消える」との見出しで以下のように報道している。
香港の著名な民主派活動家らが書いた本が、香港の公立図書館から消え始めていることが分かったという。これは中国により国家安全維持法が施行されたことによるもの。現在閲覧できなくなっている著作物の中には、香港で最も著名で若い活動家Joshua Wongのものや、有名な民主派議員Tanya Chanのものも含まれている。...
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7月4日付仏
『フランス24』 (AFP通信引用)は「民主派著書が香港の図書館から消える」との見出しで以下のように報道している。
香港の著名な民主派活動家らが書いた本が、香港の公立図書館から消え始めていることが分かったという。これは中国により国家安全維持法が施行されたことによるもの。現在閲覧できなくなっている著作物の中には、香港で最も著名で若い活動家Joshua Wongのものや、有名な民主派議員Tanya Chanのものも含まれている。これまで言論の自由があった香港では、警察による独立自治運動家らの逮捕以来、既に懸念が広がっていた。Wongは。Facebook上で「白色テロの恐怖が広がっており、国家安全維持法は根本的に言論に罪を負わせるための道具だ」と主張し同法により撤去されたと考えているとしている。図書館では、少なくともWong、Chan、そして香港の学者Chin Wanが書いた3冊の著書が貸出禁止となっている。
本の撤去を受け、アカデミック上の自由の維持への懸念も広がっている。香港にはアジア有数の大学があり、中国ではタブーとなるトピックも議論したり執筆したりできるキャンパス文化がある。しかし、若者が率いた大規模な民主化デモの後、中国は香港に対し一層の愛国的教育を求める姿勢を明確にしてきた。
同日付香港『サウスチャイナ・モーニングポスト』 は「国家安全法:香港の図書館で検閲のため地方主義や民主活動家らの本を撤去」との見出しで以下のように報道している。
香港の図書館から民主主義提唱者らの著書、少なくとも9冊が検閲のため撤去され貸出停止となっている。弁護士協会のフィリップ・ダイクス会長は、この動きに警鐘を鳴らし、当局は情報閲覧の権限の制限に当たらないか判断する必要があるとしている。香港の公立図書館を管轄しているレジャー文化サービス省は、書名を伏せて新法へのコンプライアンスに抵触しないか精査しているとしている。
活動家Joshua Wong Chi-fungの中国語の著書や、地方主義者Horace Chin Wan-kan、立法会議員Tanya Chanらの本が対象。Horace Chinは香港で最も有名な地方主義者で、香港は中国からの影響拡大に対抗するため、独自のアイデンティティを形成すべきと主張している。彼の著作6冊は、「香港国」シリーズで、ペンネーム Chin Wan で書かれた。Joshua Wongは最近になりデモシスト党の解散を発表し、「私の本は香港の逃亡犯条例反対運動よりずっと以前に書かかれたものだが、新法のもとに今検閲されようとしている。」として自身の著書2冊を見直すと述べていた。弁護士のHorace Chin Chanも、政府は新法は遡って適用されないとしているのに、何故彼女の2014年の著書「My Journeys for Food and Justice」が検閲対象なのか疑問なのだという。
中国と香港当局は、国家安全法はマイノリティを対象とし、言論の自由や集会は守られると強調していた。
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東京オリンピックの建設現場の安全性(2019/07/25)
東京オリンピックの会場建設工事に関わる労働者の安全性について海外メディアが報じている。
7月25日付
『YAHOOスポーツ』 、
『フランス24』 (AFP通信引用)は「東京オリンピック建設で労働者の安全に疑問符」との見出しで以下のように報道している。
東京オリンピックへの準備が最終段階に入り、当局は進捗に自信をのぞかせるが、活動家、労働者団体は急速な会場建設は危険な結果となるとしている。開会式が1年先に迫り、建設予定地の半分以上がほぼ完成したと小池東京都知事は自信ありげに記者に語る。...
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7月25日付
『YAHOOスポーツ』 、
『フランス24』 (AFP通信引用)は「東京オリンピック建設で労働者の安全に疑問符」との見出しで以下のように報道している。
東京オリンピックへの準備が最終段階に入り、当局は進捗に自信をのぞかせるが、活動家、労働者団体は急速な会場建設は危険な結果となるとしている。開会式が1年先に迫り、建設予定地の半分以上がほぼ完成したと小池東京都知事は自信ありげに記者に語る。
だが都は建設現場の数千の労働者の健康と安全に配慮を欠いたスケジュールを進めたと主張するものもいる。公式報告によると、少なくともオリンピック関連建設により2人が死亡している。2017年23歳の競技場担当者が1ヶ月200時間以上の残業の後に自殺し、労働当局は残業との関連性を認めこれを“過労死”と認定している。その翌年にも労働者がクレーンと足場に挟まれ圧死。2018年末までの当局の統計によると建設中の事故で14人が負傷している。
2012年のロンドンオリンピックではほぼ完全な安全性が保たれていたが、東京はそれでも他のオリンピック主催地よりはかなりましな状況である。リオ五輪では、少なくとも11人が建設中に死亡、北京では少なくとも6人死亡(メディアは10人以上と報道)。
東京の労働者は、労働力不足と厳しいスケジュール、この2つに縛られているという。オリンピック村の建設下請け会社の60歳代のベテラン従業員は、「仕事は厳しい」と明かす。人員が40%不足しており、期日通りに工事を進めるプレッシャーにより、安全管理が置き去りにされているという。例えばクレーンのアームが動きコンクリートが頭上に来た時にも仕事を続けていたという。また自動車組み立てラインに立て続けて仕事があり、安全笛が鳴っても動けず、作業の遅れへの心配から休めば危険が増すだけなのだ。休んだのは安全監督者が来た時だけだという。
労働組合はオリンピック建設の問題は、日本の産業問題を映し出すものだとする。劣悪な環境から労働者を守る力が更に弱い、複数の下請けを使う構造である。週6日勤務が通常で、高齢化社会での労働者不足により労働者は先細る。日本の建設業界の4人に1人は60歳以上で、30歳未満を大きく上回る。政府の努力にもかかわらず、他業種の長時間労働問題も問題である。
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