プーチン大統領、シリア内戦終結の妨げとなるとしてイスラエルのシリア空爆を抑えるよう直談判【米・英・ロシアメディア】
昨年11月23日付
Globali「プーチン大統領、米国を尻目にトルコ・イラン首脳と連携してシリア内戦終結に向け邁進」で触れたとおり、プーチン大統領は、米国が不支持のアサド政権の後ろ盾として、トルコ・イラン首脳と3者会談を実施の上、シリア内戦終結後の統治体制についての協議をリードしている。ところが、親米のイスラエルが、アサド政権を支援するイランのシリア内の軍事施設を空爆し始めた。これにはプーチン大統領も黙っておれず、シリア内戦沈静化に逆行するとして、これ以上戦火を拡げないようイスラエル首相に直談判した。
2月11日付米
『Yahooニュース』(
『ロイター通信』配信):「プーチン大統領、ネタニヤフ首相にシリア内戦をエスカレートさせないよう直談判」
ロシアの非政府系
『インターファクス通信』は、ウラジーミル・プーチン大統領(65歳)が2月10日、イスラエルによる猛烈なシリア空爆を自重するようベンヤミン・ネタニヤフ首相(68歳)と直接話したと報じた。
イスラエル軍戦闘機が2月10日、シリア内にあるイラン軍拠点を空爆したところ、シリア政府軍の地対空ミサイルで撃墜されたことから、イスラエル軍による空爆が更に激化することが懸念されていた。...
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2月11日付米
『Yahooニュース』(
『ロイター通信』配信):「プーチン大統領、ネタニヤフ首相にシリア内戦をエスカレートさせないよう直談判」
ロシアの非政府系
『インターファクス通信』は、ウラジーミル・プーチン大統領(65歳)が2月10日、イスラエルによる猛烈なシリア空爆を自重するようベンヤミン・ネタニヤフ首相(68歳)と直接話したと報じた。
イスラエル軍戦闘機が2月10日、シリア内にあるイラン軍拠点を空爆したところ、シリア政府軍の地対空ミサイルで撃墜されたことから、イスラエル軍による空爆が更に激化することが懸念されていた。
同日付英
『デイリィ・エクスプレス』紙:「プーチン大統領、シリア内戦激化を避けるためネタニヤフ首相にイランとの戦争を思い止まるよう説得」
イスラエル軍のF-16戦闘機がシリア内にあるイラン軍事拠点を空爆したのは、2月10日の朝に同拠点から飛び立ったイランの無人機が、イスラエル領内に侵入してきたことに対する報復措置だったと報じられている。
ロシア大統領府によると、シリア内戦がより複雑化することを懸念したプーチン大統領が、早速ネタニヤフ首相に直談判して、新たな戦火を拡げないよう要請したという。
これに対して同首相は、イスラエルは平和を追及するが、シリア内であろうと他のどの地域であろうと、イスラエルを攻撃してくる敵に対しては、これからも必要な防衛措置を講じていくと表明した。
同首相の主張は、イラン側がシリア内軍事拠点を利用して、イスラエルを殲滅しようと画策しているというものである。
なお、シリア政府はイスラエルの空爆を“侵略行為”だと糾弾しているが、イスラエル側は、そもそもシリア内軍事拠点から無人偵察機がイスラエル領内に侵入してきたことだとした上で、同政府軍がイスラエル軍戦闘機を撃墜したことを非難している。
2月10日付ロシア
『RT(ロシア・トゥデイ)ニュース』:「プーチン大統領、シリア空爆に続いて更に内戦を激化させないようネタニヤフ首相に要請」
イスラエル軍は2月10日、イラン軍無人機がシリア内軍事拠点から飛び立ってイスラエル領内に侵入したことへの報復措置として、過去30年で最大規模のシリア空爆を開始した。
そこで、これ以上のシリア内戦の激化を懸念したプーチン大統領は、ネタニヤフ首相と2月10日晩に電話会談し、新たな火種になる戦闘は周辺地域を更に危うくするとして、これ以上加熱させないよう要請した。
しかし、ロシア大統領府によると、同首相は同大統領に対して、イラン軍がシリア内軍事拠点を利用してイスラエル攻撃の準備をしていること、更に、イランはイスラエルと敵対しているイスラム教民兵組織ヒズボラにも武器を提供していることから、“イランの脅威”に対抗するための止むを得ない行動であり、今後も必要な自国防衛措置は継続していくと答えたという。
なお、同首相は同じく米国のレックス・ティラーソン国務長官とも電話会談した模様で、国務省のヘザー・ナウアート報道官は、“イランによる、イエメンからレバノンにかけての勢力増大は看過できず、イスラエルの防衛措置に対しては強力に支持する”と表明している。
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汚職容疑で拘留中のサウジアラビア王子、拘置所は米系五つ星ホテルなれど大金を積んで早期釈放交渉【米・英・サウジアラビアメディア】
サウジアラビアでは目下、サルマン第7代国王(82歳)の王位継承者に任命されたムハンマド・ビン・サルマン皇太子(32歳)の号令の下、「ビジョン2030」と称する脱石油の経済大改革が進められている。その一環で、政治・経済界における大胆な浄化政策(反汚職取り締まり政策)がとられ、王族である王子や高官併せて200人余りが逮捕・拘留された。そして、そのうちの一人でアラブのウォーレン・バフェット(米投資家)と呼ばれた、アル=ワリード・ビン・タラール王子(62歳)が、大金を積んで早期釈放を政権側と交渉していることが判明した。ただ、政権側が要求する10億ドル(約1,110億円)の罰金支払いに応じていないため、依然拘束されたままである。
1月14日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』(
『ロイター通信』配信):「サウジアラビアの大資本家の王子、早期釈放を求めて政権側と交渉」
サウジアラビアのアル=ワリード・ビン・タラール王子は、反汚職取り締まり政策の一環で逮捕され、2ヵ月余り拘留されている。
同王子は、米経済誌『フォーブス』の試算で170億ドル(約1兆8900億円)の資産を保有していて、サウジアラビア最大の国際投資会社キングダム・ホールディングのオーナーでもある。...
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1月14日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』(
『ロイター通信』配信):「サウジアラビアの大資本家の王子、早期釈放を求めて政権側と交渉」
サウジアラビアのアル=ワリード・ビン・タラール王子は、反汚職取り締まり政策の一環で逮捕され、2ヵ月余り拘留されている。
同王子は、米経済誌『フォーブス』の試算で170億ドル(約1兆8900億円)の資産を保有していて、サウジアラビア最大の国際投資会社キングダム・ホールディングのオーナーでもある。
政府高官によると、同王子は政権側と早期釈放につき交渉しているが、今のところ政権側が求める罰金の支払いに応じていないため、依然拘留されているという。
反汚職取り締まり政策は、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が取進めているが、政権側としては、不正によって流出した政府資産約1,000億ドル(約11兆1,000億円)を可及的速やかに取り戻す意向である。
なお、同じく昨年11月下旬に逮捕・拘留されたムタイブ・ビン・アブドゥッラー王子(65歳)は、10億ドル(約1,110億円)余りの支払いに応じたため、釈放されている。
1月15日付英『デイリィ・エクスプレス』紙:「サウジアラビア一の資産家の王子、汚職取り締まりで拘留されて“逆さ吊りやムチ打ち”の罰を受ける」
昨年11月に汚職容疑で逮捕・拘留されたアル=ワリード・ビン・タラール王子は、政権側が求める7億2,800万ポンド(約10億ドル)の罰金支払いに応じていないため、“逆さ吊りやムチ打ち”の罰を受けている。
カタールの『アル=アラビー・アル=ジャディード』ニュース報道によると、同王子は、同様の罪で逮捕された200人余りの王子・高官とともに、拘置所代わりとなっているリヤド・リッツカールトン・ホテル(米系五つ星ホテル)に拘留されているという。
サウジアラビアでは、昨年6月21日に、サルマン・ビン・アブドルアズィーズ国王から王位継承者に任命されたムハンマド・ビン・サルマン皇太子の指揮の下、大胆な経済改革の一環で大掛かりの反汚職取り締まり政策が進められている。
また、サルマン国王も、同国社会の自由化促進のため、女性への運転免許証交付を認める決定をしている(編注;サウジアラビアは、世界で唯一、女性の運転を認めていない国)。
なお、反汚職取り締まり委員会は今週初め、ビンラディン建設グループのオーナー一族(悪名高いテロリストの故オサマ・ビン・ラディンの親族)を逮捕している。
1月14日付サウジアラビア『MEM(ミドル・イースト・モニター)ニュース』:「サウジアラビアのアル=ワリード王子、早期釈放を求めて政権側と金銭交渉」
サウジアラビアの高官が『ロイター通信』に語ったところでは、アル=ワリード王子が政府に“寄付”を申し出ることで、自身の罪状が否認されること等を狙って交渉しているが、政権側は、提示金額含めて全く受け入れられない条件だとして拒絶しているという。
同王子の罪状は、資金浄化・賄賂・政府高官ゆすり等と言われている。
なお、建設会社大手のサウジ・ビンラディン・グループは1月13日、反汚職取り締まりの一環で、同社の株主の何人かが保有株式を政府に譲渡したこと、また、バクル・ビン・ラディン会長(71歳)とその一族が拘束されたと発表した。
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