米・英・韓国・中国メディア;一触即発の米朝関係に対する中国他の動き
4月23日付Globali「北朝鮮の再度のミサイル発射で米朝間は一触即発(2)」の中で、“北朝鮮は、朝鮮人民軍創設85周年記念日の4月25日に、朝鮮半島に接近してくる米原子力空母「カール・ビンソン」を攻撃する準備が整ったと新たな威嚇をするだけでなく、同国の人道支援で滞在中だった韓国系米国人を拘束し、米国に対して揺さぶりを掛けている”と報じた。これに対して、習近平(シー・チンピン)主席はドナルド・トランプ大統領との緊急電話会談で、関係各国が抑制を保ち、朝鮮半島をめぐる緊張の悪化を回避するよう求めた。一方、中国国営メディアは社説で、米国が北朝鮮の核関連施設などを限定攻撃する場合、中国は軍事介入すべきではないが、もし米韓両軍が北朝鮮領土内に軍事侵攻した場合には、中国も軍事介入すべきだと主張している。
4月24日付米
『Yahooニュース』(
『AP通信』配信):「習主席、トランプ大統領との電話会談で抑制を要請」
中国国営
『中央テレビ』は4月24日、習主席が4月24日朝(米国時間4月23日夜)のトランプ大統領との緊急電話会談で、国連安全保障理事会決議に違反する北朝鮮の行為に断固反対するとした上で、関係各国が抑制を保ち、朝鮮半島の緊張をこれ以上高めないよう要請した、と報じた。
トランプ政権はこれまで、北朝鮮が再度の核実験、あるいは核弾頭ミサイルの発射実験を行った場合、“如何なる手段も選ばず”これを阻止すると表明しているが、今週、北朝鮮が6度目の核実験を実施するのではないかとの噂が流されたことから、急きょ両首脳の電話会談が持たれたものである。...
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4月24日付米
『Yahooニュース』(
『AP通信』配信):「習主席、トランプ大統領との電話会談で抑制を要請」
中国国営
『中央テレビ』は4月24日、習主席が4月24日朝(米国時間4月23日夜)のトランプ大統領との緊急電話会談で、国連安全保障理事会決議に違反する北朝鮮の行為に断固反対するとした上で、関係各国が抑制を保ち、朝鮮半島の緊張をこれ以上高めないよう要請した、と報じた。
トランプ政権はこれまで、北朝鮮が再度の核実験、あるいは核弾頭ミサイルの発射実験を行った場合、“如何なる手段も選ばず”これを阻止すると表明しているが、今週、北朝鮮が6度目の核実験を実施するのではないかとの噂が流されたことから、急きょ両首脳の電話会談が持たれたものである。なお、同大統領は同日、安倍晋三首相とも電話会談を行い、北朝鮮にこれ以上の挑発行為を踏み止まらせるべく、日米で協働していくことを再確認している。
一方、4月22日付中国
『環球時報』社説:「北朝鮮の核開発阻止のためには現実的対応が必須」
トランプ大統領は4月21日に、中国が北朝鮮の経済的生命線を握っているので、中国が本気を出して北朝鮮問題を解決するよう求めたい、とツイートした。
中国はこれまで、北朝鮮には核・ミサイル開発を止めるよう求め、同時に米韓両国には、北朝鮮を恫喝するような大規模軍事演習は控えるよう要求したが、どちらも中国の話に耳を傾けようとしていない。そしてここへ来て、米朝間で一触即発の危機が俄かに高まってきてしまっている以上、中国としても確固たる対応を取る必要がある。すなわち、米国が北朝鮮の核関連施設などを限定攻撃した場合、中国は軍事介入を控えて、外交手段での解決を強く求めるべきであるが、もし米韓両軍が非武装地帯を越えて北朝鮮領土内に軍事侵攻した場合には、北朝鮮政権の瓦解を避けるために軍事介入すべきである。
4月24日付韓国
『KBSニュース』:「中国国営メディア:中国は米軍の北朝鮮限定攻撃に対して軍事介入すべきではないと論評」
中朝両国は、友好協力相互援助条約を1961年に締結していて、もし北朝鮮が先制攻撃を受けた場合、中国人民解放軍が北朝鮮を支援するとされている。
この条約に基づく中国政府の対応について、中国国営
『環球時報』は4月22日の社説で、米国が北朝鮮の核施設等に限って攻撃した場合、中国は外交による解決を強く求め、軍事介入は避けるべきであるが、もし米韓両軍が北朝鮮領土内に軍事侵攻した場合には、中国も軍事介入して北朝鮮政権を助けるべきである、と主張している。なお、同メディアは、限定攻撃であっても、北朝鮮が韓国の首都に大規模な反撃を加えてくる恐れがあることを肝に銘じておくべきとも言及している。
また、同日付英
『デイリィ・エクスプレス』紙:「米国、第三次世界大戦を想定した軍事演習の一環で、韓国在住の23万人の米国人の避難準備」
一触即発の緊張が高まる中、米国は6月、韓国在住の23万人の米国人の国外避難対策を講じる予定である。何故なら、もし北朝鮮が攻撃してきた場合、ソウル近郊に滞在している、少なくとも数万人余りの米国人が戦禍を被る可能性があるからである。北朝鮮は、ソウルを攻撃可能な12千門以上の大砲を備え、また、50万発連射できるロケット砲や化学兵器も配備していると言われている。
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米・英・ロシアメディア;南シナ海をめぐる新たな動き
今週何度か報じたとおり、中国は、南シナ海問題に余計な口出しをしてくる日本を苦々しく思ってか、はたまた、同海域での実効支配の既成事実化と同様の作戦を展開しようと企んでか、連日のように数百隻の漁船団を従えて、東シナ海の尖閣諸島周辺海域に出没している。一方、南シナ海では、着々と同海域制圧の手を打っていて、人工島に更に戦闘機等の格納庫を建設しているだけでなく、新たな衛星を打ち上げて同海域を宇宙からも監視しようとしている。なお、同海域で領有権問題を抱えるベトナムは、常設仲裁裁判所(PCA)が下した、中国主張を全面的に否定する裁定を追い風に、西沙(パラセル)諸島での轍を踏まないよう、南沙(スプラトリー)諸島のいくつかの島にロケット砲を配備し始めている。
8月11日付米
『ロイター通信米国版』:「中国、中国主権内の海域監視のため新規衛星打ち上げ」
「●中国の国家国防科技工業局は8月11日、衛星“高分(カオフェン)3号”を8月10日に新たに打ち上げたと発表。
●同局は、宇宙から1メーター(3フィート)の物体まではっきり投影可能であるため、緊張が高まっている南シナ海における中国主権の諸島海域を監視するのに有益と発表。
●一方、中国と領有権問題を抱えるベトナムが、同海域において中国と主張がぶつかるいくつかの島にロケット砲を配備との報道。...
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8月11日付米
『ロイター通信米国版』:「中国、中国主権内の海域監視のため新規衛星打ち上げ」
「●中国の国家国防科技工業局は8月11日、衛星“高分(カオフェン)3号”を8月10日に新たに打ち上げたと発表。
●同局は、宇宙から1メーター(3フィート)の物体まではっきり投影可能であるため、緊張が高まっている南シナ海における中国主権の諸島海域を監視するのに有益と発表。
●一方、中国と領有権問題を抱えるベトナムが、同海域において中国と主張がぶつかるいくつかの島にロケット砲を配備との報道。
●これは、中国が建設した人工島に航空機用の格納庫を建設している様子の衛星写真が、7月に公開されたことに対抗する措置。」
同日付米
『NYSEポスト』オンラインニュース:「ベトナム、南シナ海の諸島にロケット砲配備」
「●ベトナムが南シナ海の諸島にロケット砲を配備したとの報道について、ベトナム外務省は即座に否定。
●ベトナムのグエン・チー・ビン国防副大臣は今年初め、ベトナムが南沙諸島にロケット砲などを配備していることはないとしながらも、必要があればベトナム主権下の諸島に配備する権利を有するとコメント。
●ベトナムは1974年、中国軍によって西沙諸島の島から強制退去。また、1988年の南
沙諸島(南ジョンソン礁)における中国軍との衝突で、64人のベトナム軍兵士が犠牲。
●ベトナムは近年軍備増強に積極的で、ロシアから6隻の新型潜水艦を購入。
●軍事専門家によると、ベトナムは直近で、射程距離150キロメーターを有する、イスラエル製の最新型ミサイル発射機(EXTRA)を購入した模様。」
8月10日付英
『デイリィ・エクスプレス』紙:「ベトナム、南シナ海のいくつかの島に移動
式ロケット砲を配備して要塞化」
「●外交筋によれば、ベトナムがここ数ヵ月の間に、南シナ海の主権下とされる5つの島に新型ロケット砲を配備したとの情報。
●ベトナムの意図は、中国が一方的に埋め立て、滑走路などを建設した人工島にロケット弾を撃ち込む必要が出てきた場合を想定しての配備。
●ベトナムの行動によって、南シナ海において中国と衝突するリスクが昂揚。
●米国務省高官は、中国のみならず他の国々も、同海域において緊張を高めるような一方的行動は取らないよう強く主張。」
同日付ロシア
『RT(ロシア・トゥデイ)』テレビニュース:「ベトナムが南シナ海で領有権
を争っている島にロケット砲を配備」
「●ロケット砲が配備されたのは直近2、3ヵ月のこと。まだロケット弾等は搬入されていない模様だが、外交筋によると、数日内で搬入可能との推測。
●ベトナム外務省はかかる報道を否定しているが、かつて同省は、そういった可能性がない訳ではないと示唆。
●なお中国国防部は7月、PCA裁定に反発して、南シナ海における中国主権を確保するため、9月にロシア軍と初めて同海域で共同軍事演習を実施すると発表。」
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