カナダのトルドー首相、抗議デモ参加者らの銀行口座凍結を宣言
カナダのトルドー首相は14日、ワクチン義務化に反対するトラック運転手によるデモを取り締まるため、非常事態法を発動すると発表し、個人の銀行口座の凍結も行うという前例のない行動に出た。
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『BBC』によると、トルドー氏は、この措置の範囲は「期間限定」で「合理的かつ妥当」であり、軍隊を配備することはないだろう、と述べた一方で、裁判所の命令を必要とせず、銀行がデモに関連する人物の個人口座を凍結することができるようになることを明らかにした。警察はデモ参加者を投獄したり、罰金を科したりする権限も与えられた。
暗号通貨のニュースサイト『JICニュース』によると、カナダのフリーランド副首相は記者会見で、デモに関連する人物の個人口座の凍結だけでなく、自動車保険も停止させ、暗号通貨とクラウドファンディングのプラットフォームも制裁対象とする方針を明らかにした。...
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『BBC』によると、トルドー氏は、この措置の範囲は「期間限定」で「合理的かつ妥当」であり、軍隊を配備することはないだろう、と述べた一方で、裁判所の命令を必要とせず、銀行がデモに関連する人物の個人口座を凍結することができるようになることを明らかにした。警察はデモ参加者を投獄したり、罰金を科したりする権限も与えられた。
暗号通貨のニュースサイト『JICニュース』によると、カナダのフリーランド副首相は記者会見で、デモに関連する人物の個人口座の凍結だけでなく、自動車保険も停止させ、暗号通貨とクラウドファンディングのプラットフォームも制裁対象とする方針を明らかにした。カナダ政府は現在、クラウドファンディング・プラットフォームと決済プロバイダーに対し、すべての疑わしい取引、特にデモ参加者への寄付を関係当局に報告することを義務付けた。つまり、デモ参加者は「テロリスト」と同じように分類され、彼らを支援する寄付は「テロ資金調達」と同じように扱われることになる。
同ニュースサイトは、緊急事態法の発動に対し、暗号通貨の関係者たちはビットコインの非中央集権的な特性を指摘していると伝えている。コインベース社CEOのブライアン・アームストロングは、「このようなことがどの国でも、特にカナダのような経済的に自由な場所で起こっているのを見るのは懸念されるべきことだ。」とツイートした。
昨年ビットコインを法定通貨化したエルサルバドルのブケレ大統領は、「民主主義と自由について他の国に手ほどきするのが好きな人たちだったのではないか。これが民主主義指数で上位にランキングされる国の一つなのか。民主主義に関するカナダの信頼性は、今や0に等しい。」と批判した。
カナダ『フィナンシャル・ポスト』によると、暗号通貨と分散型金融に投資する上場企業Ether CapitalのCEOであるブライアン・モソフ氏は、カナダで成長する暗号エコシステムに損害を与えかねない緊急事態法の発動を懸念していると述べている。「私の懸念は、緊急事態法の発動が、暗号通貨コミュニティに誤ったメッセージを送り、暗号通貨により優しい管轄区域を求めて新しい開発やビジネスを遠ざけてしまうことだ。衝動的な政策を取るのではなく、主要な業界参加者が政府と共に経済的機会を捉えながら、既存の法律を調和させる適切なガイドラインとフレームワークを開発しなければならない。」と指摘した。他にも多くの著名な暗号通貨の愛好家たちが、カナダ政府の行動は、分散化、検閲への抵抗、自己主権のお金の重要性を強調していると指摘している。
なお、カナダ紙『ナショナルポスト』は、14カ月前、農業改革法に反対する農民の抗議行動がニューデリーへの主要高速道路を1年間封鎖した際、トルドー首相は、「カナダは常に平和的なデモの参加者の権利を守るために存在することを忘れないでほしい。私たちは、対話のプロセスを信じている。これは、私たち全員が力を合わせるべき瞬間だ」と語っていたと伝えている。しかし今回、オタワの中心部を麻痺させているトラック運転手の車列を前に、「過去数日間、カナダ人は首都で抗議する一部の人々が見せた行動にショックを受け、率直に言って、うんざりしている」と述べ、デモ参加者とは対話しない姿勢を貫いていることを指摘している。
同紙は、トルドー首相の対処法は、インドのモディ首相が取った方法にそっくりであることは驚くべきことだと伝えている。モディ首相は、大規模で多様な抗議者たちをひとくくりにして、インド国家を不安定にしようとするテロリストと見なした。『ナショナルポスト』は、「インドの農民デモの時のように、この国の指導者は常日頃から発展途上国の政府に対して、民主的で平和的な抗議行動を取り締まるのではなく、関与しなければならないと説いているのに、権威主義の独裁者のような発言をしているのは皮肉である。」と伝えている。
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スイス国民投票、たばこ広告禁止へ
スイスで13日、国民投票がおこなわれ、青少年をたばこ広告から守る規制案が可決した。国民投票で賛成となれば、実質的に完全禁止の方向となる。また、動物実験禁止案や、法人株式発行への課税廃止案は反対多数で否決された。
2月13日付米国
『ブルームバーグ』:「スイス国民投票で青少年向けタバコ広告規制承認」:
スイス国民投票で、青少年をたばこ広告から守る規制案が可決。動物実験禁止案や、法人株式発行への課税廃止案は否決された。
スイスはたばこ業界との結びつきが強く、日本たばこ産業(JT)の本社や、フィリップモリスの研究施設の拠点もスイスにある。政府の発表によると、たばこ広告規制案は56.6%で可決し、国民投票で賛成が得られたイニシアチブは今回でわずか25回目だという。...
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2月13日付米国
『ブルームバーグ』:「スイス国民投票で青少年向けタバコ広告規制承認」:
スイス国民投票で、青少年をたばこ広告から守る規制案が可決。動物実験禁止案や、法人株式発行への課税廃止案は否決された。
スイスはたばこ業界との結びつきが強く、日本たばこ産業(JT)の本社や、フィリップモリスの研究施設の拠点もスイスにある。政府の発表によると、たばこ広告規制案は56.6%で可決し、国民投票で賛成が得られたイニシアチブは今回でわずか25回目だという。
政府内では、投資費用を軽減し雇用成長に効果があるとして、株式発行による資金調達時に1%の課税をする「発行税」の廃止案が議論されてきた。経済協力開発機構(OECD)で昨年、国際法人税率を最低15%とした合意を受け、スイスは国内企業支援策を推し進めている。また、国民投票では政府のメディア支援政策の一環として助成金増額案も問われたが54.6%の反対で否決された。
同日付『BBC』:「他国に遅れていたスイス、国民投票でたばこ広告禁止案に賛成」:
青少年の目に触れる場所からたばこ広告を廃止する案に賛成が得られた。国民投票で賛成となれば、実質的に完全禁止の方向となる。
健康的で環境にやさしいイメージとは異なり、スイスは、たばこに関して非常に法律的に緩い国であった。イギリス、フランス、ドイツでは既にパブやレストランでの喫煙は違法とされてきたが、スイスでは以前として、たばこが認められていた。スーパーマーケットではしばしば若い女性がにこやかに最新のたばこ製品の無料サンプルを配っている光景がみられており、数年前にこれが禁止されてからも広告掲示は依然として規制対象外だった。
13日の結果を受け、スイス社会民主党のフラビア・ワッサーフォールン議員は、広告禁止を訴えてきた医師会や教員連盟に賛辞を送った。たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約(FCTC)は約20年前にジュネーブで発行された。スイスもこれに署名したが、国内法に適合しないとの理由から欧州で唯一批准されてこなかった。 他の欧州国と比較し、スイスではたばこは安価で、成人の喫煙率も欧州平均より高く27%となっている。
議会では再三にわたり規制強化を求める法案が否決されており、キャンペーンで十分な署名が集められても、政府が反対をするよう呼びかける有様であった。禁止支持派は、フィリップモリス、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BATS)、日本たばこ産業が全てスイスに本社機能を置くように、たばこ企業がスイスに集中していることを懸念している。たばこ産業は年間60億ドル市場、1.1万人の雇用を担いスイス経済への影響が大きい。懸念されたとおり、企業が反対票集めに資金を回していたことが投票の直前に発覚した。
反対派は、合法商品の広告を禁止はおかしい、健康に害があると見なされるなら、砂糖やアルコール等の規制にも繋がるだろうと主張したが、国民は賛成を貫いた。スイスでは1年間のたばこ関連死が9千人とされている。また、たばこ関連疾病治療費は保健制度へも重い負担となっており、喫煙者のみならず国民全体の健康保険料への負担も増している。
スイスのあるコメンテータは規制賛成の結果を受け、「経済活動の自由と人々の健康のどちらかを選ぶとすると、大多数は後者に賛成するだろう。広告禁止だろうと、喫煙禁止だろうと、高額たばこ禁止だろうと、喫煙は、国民に支持されない」と述べている。
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