電子タバコ:豪州に続いて英国でも若年層への販売禁止措置【欧米メディア】
1月29日付
『BBCニュース』、
『ロイター通信』、
『AFP通信』等は、英国政府が早ければ年内にも、電子タバコの若年層への販売禁止措置等を織り込んだ法律を制定する意向だと報じている。
リシ・スナク首相(43歳、2022年就任)は1月29日、若者に蔓延してニコチン依存症を助長している電子タバコについて、若年層への販売禁止措置等を織り込んだ法律を早晩制定したいと表明した。
首相表明に関し、保健・社会保障担当国務長官のビクトリア・アトキンス氏(47歳、2023年就任)は同日、『BBCニュース』のインタビューに答えて、“ロンドン市内の10万人余りの子供たちが電子タバコを吸引していることが判明したため、この販売を禁止する措置を講じることで、若者のニコチン依存症を防ぐことが可能になる”とコメントしている。...
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1月29日付
『BBCニュース』、
『ロイター通信』、
『AFP通信』等は、英国政府が早ければ年内にも、電子タバコの若年層への販売禁止措置等を織り込んだ法律を制定する意向だと報じている。
リシ・スナク首相(43歳、2022年就任)は1月29日、若者に蔓延してニコチン依存症を助長している電子タバコについて、若年層への販売禁止措置等を織り込んだ法律を早晩制定したいと表明した。
首相表明に関し、保健・社会保障担当国務長官のビクトリア・アトキンス氏(47歳、2023年就任)は同日、『BBCニュース』のインタビューに答えて、“ロンドン市内の10万人余りの子供たちが電子タバコを吸引していることが判明したため、この販売を禁止する措置を講じることで、若者のニコチン依存症を防ぐことが可能になる”とコメントしている。
国民保健サービス(NHS、1948年設立)が実施した2021年における喫煙・飲酒・薬物使用調査によると、首都圏の11~15歳の子供の15%、約10万1千人が電子タバコを吸引した経験があり、更に1万3,500人以上が定期的に使用しているという。
政府が発表した別の数字によると、過去3年間で電子タバコを吸う子供の数は3倍に増えている。
世界保健機関(WHO、1948年設立)は昨年12月、すべての電子タバコフレーバーを禁止すべきだと発表している。
しかし、業界団体や英国電子タバコ産業協会(2018年設立)は、電子タバコはタバコよりも健康リスクが大幅に低く、電子フレーバーが喫煙者の切り替えを促す鍵となっていると主張している。
これに対して、関連立法を検討する閣僚は、“特に子供向けに販売されている電子フレーバーを制限し、店頭での電子タバコの陳列方法を変更して、子供たちの目の届かないところ移動させる等の措置が必要だ”としている。
更に、“子供に電子タバコを違法に販売していることが判明した店には、100ポンド(約1万8,800円)の罰金を科し、また、ニコチンパウチ等の電子タバコの代替品も子供向け販売を禁止にする”としている。
同禁止措置は、2024年末か2025年初頭に発効させる意向であるとする。
アトキンス長官は、『BBCニュース』から保守党右派からの反対の動きについて問われ、“かつて、英国のパブ(パブリック・ハウスの略で酒場の意)に入るとタバコの煙で濛々としており、とても禁煙を言い出せる雰囲気ではなかったが、現在では、公共の場で誰かがタバコに火を付けようとすると一斉に非難の目が向けられる時代になっている”として、立法化を進めるのに障害になることはないとコメントしている。
なお、「喫煙と健康活動グループ(ASH、1971年設立)」のデボラ・アーノット代表理事は、“喫煙は、肥満・飲酒・交通事故・違法薬物・HIV(エイズ)による死亡を合わせたよりも奥の死者を出している”とし、“新型コロナウィルス感染症発生時の死者数よりも多く、今こそこの惨劇を終焉させるための対応が急務だ”と訴えている。
(注)電子タバコ:化学物質が入った液体を蒸気化して吸うタバコ。バニラやグミ等何千種類もの電子フレーバーが付けられたものも販売されていて、若年層にも広がっている。
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英研究:楽器演奏が高齢者の脳に好影響
楽器演奏が高齢の脳に、「記憶や問題解決能力等の側面で良い効果がある」とする研究が28日発表された。
1月28日付
『Yahooニュース』(英BBC):「高齢者の楽器演奏は脳の健康に吉」:
イギリスの研究によると、楽器演奏や歌唱が高齢者の脳の健康維持に効果があるという。
「高齢者精神医学の国際ジャーナル」で発表された報告書では、「音楽を脳の機能を維持するための生活環境アプローチとして活用すべき」だと述べてられている。
エクセター大学の研究では、脳のエイジングや認知症に関する研究の一貫として、40歳以上、平均年齢68歳となる1100人超を対象とし参加者の脳機能データを観測。...
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1月28日付
『Yahooニュース』(英BBC):「高齢者の楽器演奏は脳の健康に吉」:
イギリスの研究によると、楽器演奏や歌唱が高齢者の脳の健康維持に効果があるという。
「高齢者精神医学の国際ジャーナル」で発表された報告書では、「音楽を脳の機能を維持するための生活環境アプローチとして活用すべき」だと述べてられている。
エクセター大学の研究では、脳のエイジングや認知症に関する研究の一貫として、40歳以上、平均年齢68歳となる1100人超を対象とし参加者の脳機能データを観測。楽器演奏や歌唱、読書、音楽鑑賞、音楽的能力の影響を調査した。音楽に何らかの関わりのある生活を送ってきた被験者グループと全く関わりのないグループの認知データを比較した。
その結果、活動に複数の認知要素が求められる楽器演奏経験者で最も高い効果がみられたという。楽器の種類では、ピアノやキーボードが特に効果的であり、金管楽器や木管楽器も一定の効果があるとの結果となった。ただ音楽を聞き流すだけでは認知機能への効果は薄いとみられるが、歌唱ではコーラス・グループへの所属等、社会的側面による効果はみられた。
認知症研究者で筆頭著者のアン・コーベット教授は、「我々の研究は脳機能検査を使い、短期記憶や長期記憶、問題解決能力や楽器演奏経験の影響等、多方面の研究が可能となった。その結果、「楽器演奏が特に効果的で、高齢になっても継続して演奏している人により効果が見られた」としている。
また、「脳は他の筋肉と同じで、運動が欠かせない」ことから、新たな言語を学ぶように脳にとりチャレンジングな「楽譜を定期的に読む人は数学的記憶がより優れている」という。
この研究では、高齢になり音楽の趣味を始めた人は対象としていないが、現在のエビデンスに基づくと非常に効果があると予測される。
認知症支援団体「認知症UK」は、「認知症で他の能力やコミュニケーション力が途絶えた人でも、歌唱や演奏の継続を促すのは効果的だろう」としている。
同日付米『UPI』:「英研究、楽器演奏が高齢者の脳に与える効用」:
楽器演奏が高齢の脳に、「記憶や問題解決能力等の側面で良い効果がある」とする英国の研究が28日発表された。
10年単位で2.5万人を対象とした「PROTECT認知症研究」の一環として、40歳以上千人のデータを分析したところ、楽器演奏経験と、記憶や問題解決能力などの高次脳機能との関連性が認められたという。
PROTECT研究は、エクスター大学とキングズカレッジロンドン、国民保健サービス(NHS)との共同研究として行われている。
研究チームは参加者の「音楽との関わりレベル」と「認知検査結果」を比較。音楽への関わりが認知の衰えを緩やかにする効果があることを突き止めた。
歌を歌う行為も脳の健康との関係もみられたが、社会的に活動的である点以外の特定の効果は確認できなかったという。
ニュースリリースで認知研究者アン・コーベット氏は、脳の健康と音楽の影響を扱った研究は今回が初めてではないが、PROTECTのデータは、認知機能と音楽の大規模研究としては前例のないものだとし、多くのエビデンスから、高齢者への積極的な脳健康促進として、「音楽トレーニング」を取り入れることも提案している。
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