中国;米中貿易交渉再開直前にも拘らず、またしても米軍艦が南シナ海の中国領有権を侵害したとクレーム【米・香港メディア】(2019/01/08)
既報どおり、今週米中間で、両国貿易問題解決のための交渉が再開された。中国側は、交渉進展に期待を持っているようだが、そうした最中、米軍艦が南シナ海の中国が主張する領海域に進入したという。米側の真意が測りかねるが、穿った見方をすれば、ドナルド・トランプ大統領がよくやる、ある重要な会談や交渉直前に、相手方当事者・国を一方的に腐した上で交渉に臨むという方策を、再度実行に移したのかとも取れなくもない。
1月7日付米
『AP通信』:「中国、米中貿易交渉直前に米軍艦が南シナ海の中国領有権を侵害したと非難」
中国外交部(省に相当)の陸慷(リウ・カン)報道官は1月7日、南シナ海における中国が主権範囲と主張する領海内に、米軍艦が再び侵入してきたと非難した。
今週、米中実務者による、米中貿易交渉が再開することになっているが、その直前の蛮行は許せないとして、同報道官は、“(重要な会議・交渉に当って)双方はより良い環境作りを果たす責任がある”と強調した。...
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1月7日付米
『AP通信』:「中国、米中貿易交渉直前に米軍艦が南シナ海の中国領有権を侵害したと非難」
中国外交部(省に相当)の陸慷(リウ・カン)報道官は1月7日、南シナ海における中国が主権範囲と主張する領海内に、米軍艦が再び侵入してきたと非難した。
今週、米中実務者による、米中貿易交渉が再開することになっているが、その直前の蛮行は許せないとして、同報道官は、“(重要な会議・交渉に当って)双方はより良い環境作りを果たす責任がある”と強調した。
同報道官によると、中国の領海内に侵入したのは米ミサイル駆逐艦“マッキャンベル”で、中国側はすぐさま戦闘機と軍艦を派遣し、同艦に対して領海内から退去するよう警告を発したという。
目下のところ、中国によるかかる非難声明に対して、米側のコメントは得られておらず、また、この騒動によって、現行の米中貿易交渉に如何なる影響を及ぼすのか不詳である。
一方、経済専門家は、12月1日に米中両首脳が合意した、90日間の停戦期間というのは、両国間の難題を解決するにはあまりに短いとコメントしている。
ただ、米中間での関税賦課合戦という貿易紛争に突入して以来、米中両国の経済見通しに陰りが見え始めていることから、米中双方の交渉団にとって、早期合意という強いプレッシャーになりつつあるともみている。
一方、同日付香港『サウス・チャイナ・モーニング・ポスト』オンラインニュース:「米軍艦、米中貿易交渉開始直前に南シナ海のパラセル(西沙)諸島海域を監視航行」
米太平洋艦隊のレイチェル・マックマー報道官は、ミサイル駆逐艦“マッキャンベル”が南シナ海のパラセル諸島(ベトナムの約240キロメーター東、中国/海南島の約300キロメーター南東にある、約50の島嶼からなる諸島)海域を監視航行したと発表した。
同報道官は、如何なる国による“行き過ぎた海洋進出”も許されないことを明らかにするため、航行の自由作戦を展開したものだと付言した。
なお、中国外交部の陸報道官が1月7日、重要な米中貿易交渉が再開される直前に、交渉環境を乱すような米側行為は看過できないと非難の声を上げている。
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米海軍が日本海で「航行の自由作戦」を実施、ロシアを牽制(2018/12/07)
米海軍は5日、ロシア極東沖の日本海に駆逐艦を航行させた。「航行の自由作戦」の一環だが、本海域での同作戦の実施は1987年以来で、ソ連崩壊後初めてのことだという。ロシア側の反発は必至と思われ、緊張が高まる両国関係がさらに悪化する可能性がある。
『CNN』『NBCニュース』などのメディアは、米太平洋艦隊に所属し、米海軍横須賀基地に配備されている誘導ミサイル駆逐艦「マッキャンベル」が5日、ロシア極東ウラジオストク沖のピョートル大帝湾付近を航行し、「航行の自由作戦」を実施したと報じた。
米太平洋艦隊のレイチェル・マクマール報道官は声明で、マッキャンベルのピョートル大帝湾付近の航行は、「ロシアの過剰な海洋権益の主張に対抗し、米国と他の国々が享受する同海域での権利、自由、そして合法的な利用を擁護するため」のものであると述べた。...
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『CNN』『NBCニュース』などのメディアは、米太平洋艦隊に所属し、米海軍横須賀基地に配備されている誘導ミサイル駆逐艦「マッキャンベル」が5日、ロシア極東ウラジオストク沖のピョートル大帝湾付近を航行し、「航行の自由作戦」を実施したと報じた。
米太平洋艦隊のレイチェル・マクマール報道官は声明で、マッキャンベルのピョートル大帝湾付近の航行は、「ロシアの過剰な海洋権益の主張に対抗し、米国と他の国々が享受する同海域での権利、自由、そして合法的な利用を擁護するため」のものであると述べた。
同報道官は、航行の自由作戦は、「特定の国や最近の出来事に関してのものではない。」として、作戦は、「国際法が許す場所であれば、米国はどこでも飛行し、航行し、作戦を実行することを示すものだ。日本海でも世界中の他の海域でも同様だ。」と説明した。
ピョートル大帝湾は日本海で最大の湾であり、そこにはロシア極東・沿海地方の首府ウラジオストク市があり、ロシア海軍太平洋艦隊の拠点も置かれている。ある米海軍当局者は、ロシアは国際法が認める自国の海岸線から12海里(約22キロ)の範囲を大幅に超え、同湾全体の権益を主張しているが、米国はそれを認めないと述べた。同当局者はメディアに対し、この海域で米海軍が航行の自由作戦を行ったのは、1987年以来のことであると説明している。当時は旧ソ連が同海域での権益を主張していた。
米ロ関係は、種々の問題により緊張が高まっている。北大西洋条約機構(NATO)に加盟する29カ国は4日、ロシアは欧州のほぼ全域を射程に入れるミサイルを配備しており、冷戦時代の1987年に調印された中距離核戦力全廃条約(INF)に違反していると非難した。ポンペオ米国務長官はこれを受けて、ロシアが60日以内にINFを再び順守しなければ、米国は同条約を離脱する手続を進めると警告した。
また、先月ロシアの監視船がウクライナ海軍の小型艦船3隻に発砲し、拿捕した件を巡っても両国は対立している。これにより米国は、黒海でも航行の自由作戦を実施する計画があるとの報道もあるが、同作戦の相次ぐ実施で両国関係はさらに悪化する可能性がある。
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