フランス軍艦が台湾海峡を航行して中国の台湾政策を牽制【米メディア】(2019/04/26)
4月23日付Globali「
南シナ海をめぐる近況」の中で触れたとおり、米海兵隊や米陸軍は、南シナ海での中国横暴に対峙するため、種々の実戦訓練を実施している。一方、中国も、西沙(パラセル)諸島内のウッディ島を拠点に、南シナ海の領有権既成事実化を着々と進めている。そして今度は、フランスの軍艦が、中国による台湾政策を牽制するかのように、異例の台湾海峡航行を断行した。
4月25日付
『ワン・アメリカン・ニュース』保守系テレビニュース(
『ロイター通信』配信):「稀なケースながら、フランス軍艦が台湾海峡を航行」
米高官は4月25日、『ロイター通信』のインタビューに答えて、まれなケースながら、フランスの軍艦が台湾海峡を航行したことを明かした。
米政府としては、中国による台湾政策を牽制する上で歓迎すべきこととするが、米中間緊張関係を益々高める可能性がある。...
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4月25日付
『ワン・アメリカン・ニュース』保守系テレビニュース(
『ロイター通信』配信):「稀なケースながら、フランス軍艦が台湾海峡を航行」
米高官は4月25日、『ロイター通信』のインタビューに答えて、まれなケースながら、フランスの軍艦が台湾海峡を航行したことを明かした。
米政府としては、中国による台湾政策を牽制する上で歓迎すべきこととするが、米中間緊張関係を益々高める可能性がある。
すなわち、米中は、両国間貿易紛争のみならず、対北朝鮮制裁問題、更には、中国による南シナ海の軍事拠点化等で緊張関係にある。
そして、米軍艦はしばしば南シナ海において航行の自由作戦(FONO)を展開し、同海域が開かれた公海であることを強くアピールしており、米同盟国である日本、英国、豪州もこれに賛同し、FONOを検討している。
米高官によれば、このFONOの一環で、フランス軍のフリゲート艦“バンデミール”が4月6日、台湾海峡を航行したという。
更に同高官は、この事態によって、中国側が今週開催された中国海軍創設70周年記念国際艦観式において、フランス軍艦の参加を拒絶したという。
そして、中国側は4月25日、フランス軍艦による“違法な”航行があったとして、厳しい対応を取ったと発表した。
すわなち、国防部(省に相当)の任国強(レン・コーチアン)報道官は、台湾は中国の一部であることから、中国の法律に基づいて中国海軍の艦船を派遣し、中国の主権を脅かさないよう、フランス軍艦に対して、台湾海峡から直ちに立ち去るよう通告した旨明かした。
ただ、同報道官は、これによって国際艦観式にフランス軍艦を招待しないこととしたのかどうかにはコメントしなかった。
なお、米軍は先月、中国による台湾への圧力を牽制するため、海軍の戦艦や沿岸警備艇を台湾海峡に派遣して航行させている。
一方、台湾国防部の陳錦智(チェン・チュンチー)報道官は、『ロイター通信』の電話インタビューに答えて、台湾海峡は多くの船舶が航行する“必要性”のある公海であるため、同部として外国船舶の航行に注意を払っているとコメントした。
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南シナ海をめぐる近況【米メディア】(2019/04/23)
先月下旬に報じたとおり、米海兵隊や米陸軍は、南シナ海での中国横暴に対峙するため、種々の実戦訓練を実施している。一方、中国も、西沙(パラセル)諸島内のウッディ島を拠点に、南シナ海の領有権既成事実化を着々と進めている。そして、4月においても米中両国は、それぞれ南シナ海をめぐってせめぎ合いを繰り広げている。
4月22日付
『AP通信』:「南シナ海をめぐる近況」
<中国、最新の軍事装備品をお披露目>
中国人民解放軍海軍は4月23日、創設70周年を迎え、国際艦観式を執り行う。
同艦観式には、中国最初の空母“遼寧”を初め、最新鋭原子力潜水艦、駆逐艦、戦闘機などが参加する。
中国海軍の邱延鵬(チウ・イエンポン)副司令官は4月20日、初めて公開されるものを含めて、艦艇32隻、軍用機39機が参加するとコメントした。...
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4月22日付
『AP通信』:「南シナ海をめぐる近況」
<中国、最新の軍事装備品をお披露目>
中国人民解放軍海軍は4月23日、創設70周年を迎え、国際艦観式を執り行う。
同艦観式には、中国最初の空母“遼寧”を初め、最新鋭原子力潜水艦、駆逐艦、戦闘機などが参加する。
中国海軍の邱延鵬(チウ・イエンポン)副司令官は4月20日、初めて公開されるものを含めて、艦艇32隻、軍用機39機が参加するとコメントした。
同艦観式は、中国北部の青島(チンタオ)で開催されるが、南シナ海はもとよりインド太平洋における中国軍の覇権を示すものとして注目されている。
中国国営『新華社通信』によれば、ロシア、ベトナム、インド、更には米同盟国のタイ、豪州、日本など十数ヵ国が艦艇を参加させるという。
しかし、米国は一切派遣していない。
一方、60ヵ国余りの将校も参加していて、北朝鮮の金明植(キム・ミョンシク)海軍大将も含まれるという。
<米海軍艦長、意思疎通は“万全”とコメント>
米太平洋軍所属の揚陸指揮艦“ブルー・リッジ”のエリック・アンデューズ艦長は4月20日、中国領内の香港に寄港した際、南シナ海を航行中に中国他の艦船に遭遇したが、目下のところ全て“万全かつ熟練した”対応が取られていると語った。
同艦長は更に、米軍は南シナ海に限らず、今後とも必要となれば、世界のどこでも航行の自由作戦を実施していくとも言及した。
米太平洋第7艦隊のフィリップ・ソーヤー司令官は先月、昨年の9月にミサイル駆逐艦“ディケーター”が南シナ海南沙(スプラトリー)諸島の中国人工島付近を航行した際、中国軍艦が異常接近したとして“全く非常識な行動”だと非難していた。
<米国及び豪州が共同演習>
米国と豪州の両海軍は先週、東太平洋海域で脅威を増す中国軍に備えるため、実戦訓練を実施した。
グアム島アンダーソン空軍基地所属のヘリコプター第25戦闘隊(HSC-25)のフランク・ロフォーティ隊長によると、2機のMH-60Sシーホーク・ヘリコプターが4月16日、豪州軍のミサイル・フリゲート艦“メルボルン”への着艦訓練を行ったという。
同隊長は、同盟国との相互運用性向上のため、いつでも共同訓練を実施する意向だと語った。
一方、豪州軍“メルボルン”のマーカス・バトラー艦長は、かかる共同訓練によって“相互理解、協力、有事への備え”が達成できるとコメントした。
なお、今月行われる両軍の共同訓練には、救難、捜索、奪取作戦等も含まれるという。
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