トランプ米大統領に対する世界の見方は否定的、米国そのものには好印象;調査(2020/01/10)
米シンクタンク、ピュー・リサーチ・センターは8日、トランプ米大統領について米国人以外に尋ねた世論調査の結果を公表した。これによると、トランプ氏に対する評価は世界の多くの国で否定的だが、米国そのものへの印象は概ね好意的であることが判明した。
同センターの調査結果について、
『CNBC』『ザ・ヒル』などの米メディアや
『AFP通信』などが伝えている。調査は33カ国の3万6,923人を対象に、昨年の5月18日から10月2日までの間、電話や対面でのインタビュー形式などで行われた。
同調査によると、トランプ氏が外交面で正しい行動を取ると思わないと回答した人は、およそ3人中2人の64%に上り、トランプ氏を信用しているとする人は29%だった。...
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同センターの調査結果について、
『CNBC』『ザ・ヒル』などの米メディアや
『AFP通信』などが伝えている。調査は33カ国の3万6,923人を対象に、昨年の5月18日から10月2日までの間、電話や対面でのインタビュー形式などで行われた。
同調査によると、トランプ氏が外交面で正しい行動を取ると思わないと回答した人は、およそ3人中2人の64%に上り、トランプ氏を信用しているとする人は29%だった。世界全体では、同氏に対する否定的な見方が大勢を占めている。
トランプ氏への評価は、同氏の米国第一主義の政策に反対する西欧諸国で特に低い。ドイツで同氏を信用すると回答した人はわずか13%で、スウェーデン18%、フランス20%、スペイン21%、オランダとギリシャが25%、英国32%だった。他に評価が低かった国としてはロシアの20%などがあり、メキシコでは信用しないとした人が89%もいた。一方、トランプ氏の評価が高い国としては、フィリピンの77%、イスラエルの71%、ケニアの65%、ナイジェリアの58%、インドの56%などが挙げられる。日本は36%だった。
調査では個別の外交政策についても尋ねている。同氏の関税政策については68%、気候変動に関するパリ協定からの離脱には66%、メキシコ国境での壁建設には60%、移民制限には55%、イラン核合意からの離脱には52%と過半数が不支持を表明した。北朝鮮の金正恩委員長との直接交渉についてのみ、支持41%、不支持36%と支持が若干上回った。
このようにトランプ氏への評価が否定的であるのに対し、米国を肯定的に評価した人は54%、否定的に評価した人は38%と、米国そのものに対する見方は概ね好意的だった。欧州ではポーランドの79%、リトアニアの70%、ハンガリーの66%など、東欧諸国などで支持が高く、ドイツの39%、スウェーデンの45%、オランダの46%など、西欧諸国などでは、トランプ氏に対する見方と同様に低い結果となった。
ピュー・リサーチ・センターは、トランプ氏以外の主要国の指導者らについての評価も調査している。最も信頼されているのはメルケル独首相の46%で、以下マクロン仏大統領が41%、プーチン露大統領が33%、習近平中国国家主席が28%となっている。
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ノーベル平和賞選考の時期が近づき、トランプ大統領の受賞の是非に賛否両論【米メディア】(2019/09/24)
かつて報じたとおり、今年2月中旬にドナルド・トランプ大統領が、安倍晋三首相から同大統領をノーベル平和賞候補者に推薦されたと公表した。同大統領はこれまで、平和賞に値しないとみられる政策を実行している。例えば、冷戦終結をもたらした米・旧ソ連間の1988年中距離核戦力全廃条約(INF、1991年以降はロシアが引継ぎ)を撤廃して米・ロ間軍拡競争を再燃させ、また、中東和平を促進した1993年オスロ合意(イスラエルとパレスチナ暫定自治政府の二国共存の相互承認)に反して、聖地エルサレムをイスラエルの首都と宣言して両国間の対立を更に煽る結果を招いている。しかし、これに反して、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長との首脳会談開催でひとまず北朝鮮の核・ミサイル開発の脅威を減じているとして、安倍首相も含めて、平和賞に値すると評価する人もいる。
9月23日付
『Foxニュース』:「ノーベル平和賞選考に当り、トランプ大統領の受賞の是非に賛否両論」
2019年のノーベル賞受賞者の選考を行う、ノーベル委員会の作業部会が間もなく開催される。
今年1月31日の期限までに、301の個人・団体(内訳は個人223人、団体78)の候補が推薦されている。
選考の過程は、ノーベル委員会に登録された“恒久的な諮問委員”、そしてノルウェー他の国際的専門家らによって最終候補者リストが作成され、10月初めに開かれるノーベル委員会で受賞者が決定される。...
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9月23日付
『Foxニュース』:「ノーベル平和賞選考に当り、トランプ大統領の受賞の是非に賛否両論」
2019年のノーベル賞受賞者の選考を行う、ノーベル委員会の作業部会が間もなく開催される。
今年1月31日の期限までに、301の個人・団体(内訳は個人223人、団体78)の候補が推薦されている。
選考の過程は、ノーベル委員会に登録された“恒久的な諮問委員”、そしてノルウェー他の国際的専門家らによって最終候補者リストが作成され、10月初めに開かれるノーベル委員会で受賞者が決定される。
受賞者の発表は10月11日に行われ、12月10日(編注;アルフレッド・ノーベルの命日)に授賞式が行われる。
そこで注目されるのが、今年のノーベル平和賞である。
今年初め、安倍晋三首相に加えて、ノルウェーの少なくとも2人の政治家が、ドナルド・トランプ大統領をその候補者に推薦したことが報じられている。
彼らの推薦理由は、“朝鮮半島問題への前進”及び金正恩委員長率いる北朝鮮との緊張緩和への貢献であるとしている。
これについて、2016年に平和賞を受賞した、コロンビア前大統領のフアン・マヌエル・サントス氏(左翼ゲリラ、コロンビア革命軍との和平合意に貢献)は、北朝鮮問題で“大胆な行動”をとり、金委員長との個人的関係を構築したことは評価されるとコメントした。
また、1998年の同賞受賞者である、北アイルランド自治政府初代首相だったデビッド・トリンブル氏(1998年の北アイルランド和平合意に貢献)は、北朝鮮に関して、言うだけでなく実行に移そうとしている姿勢は評価されるべきだとしている。
しかし、2003年の同賞受賞者である、イランの元判事で人権活動家弁護士のシーリーン・エバーディー氏(イスラム法の下で虐げられた女性・子供の権利擁護活動等に貢献。現在ロンドンに亡命中)は、“イラン核合意”に関し、トランプ氏は核問題だけでなく、民主主義や人権問題についてもっと切り込む必要があると指摘している。
また、1983年同賞受賞者の、ポーランド元大統領であるレフ・バウェンサ氏(かつてワレサ大統領と誤表記。独立自主管理労働組合「連帯」創設と民主化運動で貢献)は、対中国の貿易紛争やメキシコの壁建設については評価するものの、米国第一主義は全く賛同できず、グローバライゼーション(地球規模の社会的・経済的変革)の時代に突入していることを自覚すべきであるとコメントしている。
なお、米歴代大統領では、1906年にセオドア・ルーズベルト第26代大統領(日露戦争の停戦仲介)、1919年にウッドロー・ウィルソン第28代大統領(国際連盟創設への貢献)、2002年にジミー・カーター第39代大統領(国際紛争の平和的解決への貢献)、そして2009年にバラク・オバマ第44代大統領(「核なき世界」に向けた国際社会へのはたらきかけが評価)がそれぞれ受賞している。
しかし、トランプ大統領が受賞する可能性は低いとみられる。
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