イギリスが2年の交渉期間をへて、CPTTP(アジア太平洋地域経済連携協定)への加盟を表明した。TPP発足メンバー以外で加盟が認められるのは初めてで、EU離脱以来最大の貿易協定と期待されるが、経済的利益は小さいとの予測もある。
3月31日付
『Yahooニュース』(BBC):「アジアとの貿易協定で0.08%成長予測」:
EU離脱から3年となる英国は、アジアと太平洋地域11カ国の貿易協定に参加する。
英国政府は、チーズ、車、チョコレート、機械、ウィスキー等の関税撤廃による輸出の伸びに期待する一方で、TTPへ加盟しても英国の経済成長は0.08%にとどまるとの予測を立てている。
同経済圏は世界で5億人の市場規模となるCPTTP(アジア太平洋地域経済連携協定)で、2018年に発足、現在11カ国、豪州、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、ベトナムが加盟している。...
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3月31日付
『Yahooニュース』(BBC):「アジアとの貿易協定で0.08%成長予測」:
EU離脱から3年となる英国は、アジアと太平洋地域11カ国の貿易協定に参加する。
英国政府は、チーズ、車、チョコレート、機械、ウィスキー等の関税撤廃による輸出の伸びに期待する一方で、TTPへ加盟しても英国の経済成長は0.08%にとどまるとの予測を立てている。
同経済圏は世界で5億人の市場規模となるCPTTP(アジア太平洋地域経済連携協定)で、2018年に発足、現在11カ国、豪州、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、ベトナムが加盟している。貿易商品において加盟国間の関税制限を緩和している。加盟国全体で世界の所得の13%となる。
21ヶ月の交渉を経て欧州諸国として初めて加盟することとなった英国政府は、「EU離脱以来最大の貿易協定」だとしている。一方、加盟による効果は小さいとみられる。
英国はブルネイ、マレーシア以外の加盟国と既に自由協定を結んでおり、利益としては、10年で経済成長の0.08%と予測されている。英予算責任局(OBR)は21年、EU離脱による長期的な成長はマイナス4%と予測していた。
スナク首相は、今回の合意は「EU離脱による自由がもたらした真の経済的利益だ。CPTTPへの加盟で、英国は雇用、成長、革新機会を得るための世界経済の中心的立場となり、ビジネスは類を見ない市場アクセスが可能となる」と称賛している。
政府はその他の「利益」として、サービス部門の成長をあげており、現地法人を置かずに現地企業と同等の条件でサービスを提供できるとしている。
同日付英『Guardian』:「英国が日本や豪州も加盟するアジア環太平洋貿易圏CPTTP加盟へ」:
英国は2年の交渉を経て、日本や豪州が加盟するアジア太平洋貿易協定に加盟することを決めた。
労働組合は、法や規制改正により、企業の利益が損なわていると認められる場合、非公式に大企業が英国政府を提訴することが認められている点で、合意内容を批判している。
ノバク首相は、この合意により、「労働組合結成が禁止されているベトナムやブルネイの労働者搾取」や、「難民労働者が強制労働を強いられているマレーシア」への制裁が可能となるとする。
初の創設メンバー以外となる英国には、コスタリカやウルグアイ等、今後の申請国の見本となることが求められる。中国は、英国の数ヶ月後となる2021年に加盟を申請、国際ルールに従わない限り中国の加盟を許可しないとする加盟国側からの抵抗にあうとみられる。
専門家の間では、CPTTPとの貿易ルールに英国側が合わせることにより、EUとの間に亀裂が生じ、「EU再加盟への道を阻害する」との指摘がある一方、EU時代の古い規制を変えない場合には、「EUとCPTPPの共通点」が浮き彫りになるともいわれる。
英国は豪州、ニュージーランド、日本を含む多くの加盟国と2カ国間協定を結んでおり、今回の合意による利益は大きくはない。しかし、政府は、11兆ドル規模の市場へのアクセスが可能となる今回の合意は、ますます重要性が増してくると期待する。
CPTPP加盟国と英国との間の貿易紛争に、仲裁制度を置くことを認める点については、2016年EUと米国との間のTTIP(大西洋横断貿易投資パートナーシップ)交渉が破棄されたのと同様に、批判の声が上がるとみられる。当時は欧州議会が、海外投資家の権利を保護する目的で、非公開の国際法廷での紛争調停の承認に反対したため、TTIP交渉は決裂した。
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3月7日付
『Yahooニュース』(AP通信):「国連総長:女性の権利が脅かされている」:
アントニオ・グテレス国連事務総長は6日、世界中で女性の権利が脅かされ、今のペースだとジェンダー平等の実現は300年先だと警鐘をならしている。
ジェンダー平等に取り組む国連の「女性の地位に関する委員会」の冒頭で演説し、数十年かけきづいた進歩が「家父長制度に傾くことで」崩壊しかかっていると述べている。...
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3月7日付
『Yahooニュース』(AP通信):「国連総長:女性の権利が脅かされている」:
アントニオ・グテレス国連事務総長は6日、世界中で女性の権利が脅かされ、今のペースだとジェンダー平等の実現は300年先だと警鐘をならしている。
ジェンダー平等に取り組む国連の「女性の地位に関する委員会」の冒頭で演説し、数十年かけきづいた進歩が「家父長制度に傾くことで」崩壊しかかっていると述べている。
アフガニスタンについては、「女性や少女が公共の生活から消し去られ、多くの国では女性のリプロダクティブ・ライツが後退している。また、学生が拉致や襲撃にあう危険もある」とし、「ウクライナからサヘル(アフリカ)まで、危機や紛争の影響を真っ先に受けるのは女性や少女だ」と述べている。妊婦の死亡率は上昇し、コロナの影響で、少女が結婚や退学を強制されたりもしているという。
2週間行われるセッションでは、テクノロジーやイノベーションにおけるジェンダー格差をうめることに焦点が当てられる。国連ウィメンのシマ・バホウズ事務局長は、あらたなジェンダー不平等としてデジタル格差が浮上していると指摘する。世界でインターネットを利用していない30万人のうち、途上国ではその多くが女性や少女となっている。また、科学技術や機械分野の学生のうち、女性はわずか3分の1しかいない。
また、125カ国の女性ジャーナリストの4分の3が仕事上でハラスメントを受けた経験があり、3分の1は自主検閲をしているという。アフガニスタンでは、ユーチューブやブログで声を上げた女性は、タリバンによりマークされ、身の安全のため海外へ脱出している。
3月6日付英『Guardian』:「ジェンダー平等は300年先」:
国連事務総長は、女性の権利の世界的進歩は、「我々の目前で消滅している」とし、ジェンダー平等の実現にはあと300年要すると述べている。
8日の女性デーにむけて行われた女性の地位委員会の総会演説で、グテレス氏は、「ジェンダー平等の実現が遠のき、これまでの進歩が消えている」と強調した。
タリバン支配下のアフガニスタンでの危機的状況を強調するも、特定の国名はあげず、「多くの場所」で女性のリプロダクティブ・ライツが後退し、学校へ行くのも危険なこともあるとした。昨年9月から女性への抑圧により「女性の地位委員会」から除外されたイランを名指しすることはなかった。
その上で、教育や技術向上にむけた各国の政府、市民社会、民間セクターの協力を呼びかけた。
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