サウジ・イラン外交正常化:中国が中東の政治に介入、米国が懸念(2023/03/13)
中東で長年対立してきたイランとサウジアラビアが、国交を正常化させることで合意した。これを中国が仲介したことで、中東での新たな展開に米国では危機感が広がっている。
3月12日付米
『ウォール・ストリート・ジャーナル』:「中東での影響力拡大で、中国が中東サミットを開催予定」:
昨年12月アラブ諸国の指導者らが中国で中国の習主席と会談した際、習氏は、前代未聞のアラブ湾岸諸国とイランとのハイレベル会合開催について言及していたという。
そして先週10日、中国はイランとサウジアラビアの国交正常化を仲介。非公開に行われた会合で参加国は、交渉や演説、文書作成を、英語ではなく、アラビア語やペルシア語、または標準中国語で行ったという。...
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3月12日付米
『ウォール・ストリート・ジャーナル』:「中東での影響力拡大で、中国が中東サミットを開催予定」:
昨年12月アラブ諸国の指導者らが中国で中国の習主席と会談した際、習氏は、前代未聞のアラブ湾岸諸国とイランとのハイレベル会合開催について言及していたという。
そして先週10日、中国はイランとサウジアラビアの国交正常化を仲介。非公開に行われた会合で参加国は、交渉や演説、文書作成を、英語ではなく、アラビア語やペルシア語、または標準中国語で行ったという。
両国は7年間関係が途絶えていた。イランと湾岸6カ国湾岸協力会議(GCC)でのブローカー会合は今後も順当に続くとみられる。
中国はこれまで数十年間米国が影響力を持ってきた中東で、新たな仲介役としての中心的役割を示している。エネルギーや貿易に限らず、中等の政治への介入は、米中間の競争が新たな展開に入ったことを意味する。
3月11日付米『FOXニュース』:「サウジとイランの会談を中国が仲介という不穏な展開」:
サウジアラビアとイランが10日、長年続いた関係改善に合意したのを受け、ラトクリフ前国家情報長官は中東情勢に警鐘をならしている。
イランとサウジアラビアは10日、敵対関係を解消し、国交正常化させることで合意、これは両国首脳による中国での4日間に及んだ非公開協議により実現したという。両国は2ヶ月以内の外交関係の再開、両国の大使館業務再開をめざす。また、2001年に締結した安全保障協力合意のほか、それ以前に締結した通商・経済・投資に関する合意でも一致した。
ラトクリフ前国家情報長官は、中国、イランの繁栄の一方、米国とイスラエルが衰退し、中東情勢が揺らいでいる事態を懸念。TVのインタビューで、バイデン政権下における、中国と中東の関係の変化を強調。
「2年前には、(イスラエルとアラブ4カ国の国交正常化合意である)アブラハム合意がなされ、イランは貧困国でアブラハム合意への次の加盟国となり、イスラエルとの関係が改善するはずだった。しかし、たった2年で、バイデン政権がサウジを手放し、のけ者にした。我々の誰もが認める一番の敵対国である中国の仲介により、数百年に及び対立と戦闘状態にあったイランとの国交を正常化したのだ」と述べている。
一方、今回の国交正常化が報じられるのと時を同じくして、中国の習国家主席の3期目の続投も報じられた。米国内では、中国の脅威が高まる中でのこれらの動きに、政界や専門家の間では、中東関係での中国の存在感への警戒感や、バイデン政権の外交姿勢への批判が高まっている。
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マスク氏、トランプ元大統領のツイッターアカウント凍結解除の意向(2022/05/11)
実業家でもあるテスラのイーロン・マスクCEOは、ツイッターを買収した後の具体的な方針の例として、アカウントが永久凍結されているドナルド・トランプ元大統領をツイッターに復帰させる意向があるとの考えを示している。
5月11日付米
『NBCニュース』:「イーロン・マスク氏がトランプ氏のツイッター復帰許可の意向」:
実業家でテスラのCEOのイーロン・マスク氏は10日、ツイッターを買収した後の具体的な方針の例として、ドナルド・トランプ元大統領をツイッターに復帰させる意向があるとの考えを示した。
ネットに投稿された動画によると、フィナンシャル・タイムズ紙主催の未来の車に関するリモートイベントに参加したマスク氏は、ツイッター社が1月の議事堂襲撃事件後にトランプ氏のアカウントを永久凍結したのは非常に愚策だったと批判。...
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5月11日付米
『NBCニュース』:「イーロン・マスク氏がトランプ氏のツイッター復帰許可の意向」:
実業家でテスラのCEOのイーロン・マスク氏は10日、ツイッターを買収した後の具体的な方針の例として、ドナルド・トランプ元大統領をツイッターに復帰させる意向があるとの考えを示した。
ネットに投稿された動画によると、フィナンシャル・タイムズ紙主催の未来の車に関するリモートイベントに参加したマスク氏は、ツイッター社が1月の議事堂襲撃事件後にトランプ氏のアカウントを永久凍結したのは非常に愚策だったと批判。「米国内の大部分を阻害し、(独自に立ち上げられたプラットフォームがあることで)トランプを黙らせることも出来なかった。永久凍結を撤回するつもりだ」と述べたという。
マスク氏は、ネット上の言論を各国の放棄の範囲内で、出来る限り自由に行えることを目的としてツイッターの買収に乗り出したとされているが、これは、一部ユーザーや広告主にとり、ハラスメントや憎悪イメージを許容することにもなりかねない。買収は最終決定していないが、株主の合意が得られれば年末にも完了が見込まれている。
トランプ側からは今回の発言に対しコメントは出ていないが、トランプ氏は先月FOXニュースに対し、新規プラットフォームがあるため凍結が解除されてもツイッターに復帰するつもりはないと表明しており、気が変わるかは定かでない。
ハラスメントやヘイトスピーチ禁止に賛成派の人々からはトランプ氏の他にも白人至上主義者などの解除対象者が増えるだろうとの懸念の声が広がる。マスク氏は、「何を言っても許されるというわけではない。違法なことや世界を破壊することなら、一時停止や、特定の投稿を非表示するか又は、制限する」との意向を示している。
トランプ氏はこれまでツイッターを支持者、反対者、メディアとのチャンネルとして利用してきた。一方で、部下のクビを命じたり、2018年には北朝鮮の金正恩委員長を愚弄するためにも利用した。この時、ツイッター規約違反ではないかとの議論が巻き起こったが、ツイッター幹部は彼のアカウント凍結を回避できるよう規約を書き換える選択をした。しかし、支持者による議事堂襲撃で事態は一変、アカウント凍結はFacebookやYouTube、更にトランプ氏のメールプロバイダーにも及んだ。
5月10日付米『CNN』:「マスク氏、トランプ氏のアカウント凍結を撤回すると発言」:
マスク氏は、オンラインで開かれた未来の車会議で、ツイッター買収交渉が完了したら、トランプ元大統領の凍結されたツイッターアカウントを復帰させる意向であると述べた。このような発言は、44億ドルの買収計画が発表されて以来、公の場では初めてとなる。
同氏は以前から、ツイッターは「投稿の削除にもう少し慎重になるべき」、「永久凍結には慎重に」と発言していた。今回の会議で同氏は、ツイッター社によるトランプ氏の凍結決定は間違いだったと発言。「私は永久凍結を撤回するつもりだ」としている。ツイッターの共同創業者で元CEOのジャック・ドーシー氏は10日、マスク氏の発言を受け、「ユーザーを永久凍結すべきでないとの意見には賛成する。例外があるが、一般的には永久凍結は間違いだ」等としている。
マスク氏が「言論の自由を促進するため」とするツイッター買収の実現については、テスラ社のここ数か月の株価下落が、買収交渉に影響するとの可能性から懸念も指摘されている。
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