コロナ禍の学業の後れを取り戻そうと全米でサマースクール参加者増加(2021/06/07)
ワクチン接種が拡大し経済活動を再開しようとするアメリカでは、1年半の休校の後れを取り戻そうと、各地のサマースクールに例年以上の申し込みが殺到しているという。
5月6日付英国
『FOXニュース』(AP通信引用)は「コロナ禍の影響:サマースクールに駆け込む子供たち」との見出しで以下のように報道している。
全米各地では、大きな穴を作ってしまった休校中の学業の遅れを取り戻すため、今夏のサマースクールに例年以上の生徒が参加しているという。バイデン政権は、最新の新型コロナ経済対策支援法で各州にサマープログラムに支援金を充てるよう指示している。そこで各地の学区地域では対象者を拡大したサマープログラムを用意したり、教員にボーナスを出す方針を発表している。...
全部読む
5月6日付英国
『FOXニュース』(AP通信引用)は「コロナ禍の影響:サマースクールに駆け込む子供たち」との見出しで以下のように報道している。
全米各地では、大きな穴を作ってしまった休校中の学業の遅れを取り戻すため、今夏のサマースクールに例年以上の生徒が参加しているという。バイデン政権は、最新の新型コロナ経済対策支援法で各州にサマープログラムに支援金を充てるよう指示している。そこで各地の学区地域では対象者を拡大したサマープログラムを用意したり、教員にボーナスを出す方針を発表している。
フィラデルフィアでは、昨年のオンライン授業では9300人だったところ今年は先週までに既に1.4万人から申し込みがあった。個人プログラムでは更に増加が見込まれるという。昨年リモート学習を経験した生徒からは、「オンラインより通学の方が勉強がより身につく。先生のいる教室に行くのは、先生からのメールの返事を何時間も待つよりずっといい」等の意見があるという。
連邦政府の新型コロナ経済対策支援金により、英語が母語でないマイノリティや家庭環境に恵まれない生徒への支援が行われる必要が指摘されている。また、講座プログラムの拡大により教員のみならずバスの運転手や警備員、食堂従業員の雇用拡大も期待できるという。一部では、国語や数学で学力が上がった学年の教員にボーナスを出す学校や、教員の給与を上げ、教員や看護師を増員する学校もある。
ノースカロライナ州の新教育法令によれば、4人中約1人が「学習に後れを来す危険がある」ため、州全体でサマースクールを優先しようと取り組んでいる。全国最大の学区をもつニューヨーク市では、サマースクール対象者を学業が遅れている生徒のみとせず、全生徒としている。デブラシオ市長はこの計画を発表する際、「大変な思いをしてきた子どもたちが今支援を必要としている」 と述べた。フィラデルフィアとサンディエゴも全域でスクール参加を可能とし、シカゴでも対象を拡大しようと検討中だという。
同日付米国『Yahooニュース』(アクシオス引用)は「米国で経済活動が再開される中、サマースクールを選択する家族」との見出しで以下のように報道している。
バイデン政権が各州に教育プログラムへのコロナ支援制度の充当を指示したことにより、今夏のサマースクールへの申込は過去最高となる見込みとなっている。
多くの家族が1年半の学業の遅れを取り戻そうとサマースクールに申請しているが、地域によっては、プログラムの用意が参加者の増加に追い付くのか懸念も生じているという。教育省は参加者数の全容はまだ不明だが、2019年の330万人を超えるとみている。
アラバマ州モントゴメリーでは、6月1日の締め切り日を前に、通年は2500人程度のところ、1.2万校超の2.8万人から申込みがあったという。メリーランド州のカルマン・ヘトルマン教育政策委員は、「例年以上の勢いだが、多くはコロナ禍前からも遅れがある学生のため、サマースクールで完全に遅れを取り戻せるというわけでない」としている。
閉じる
”母”の日にもジェンダー議論(2021/05/10)
母の日を前に、ジェンダー平等に配慮し、女性を指す“母”を使わず、“出産者”と表現した言葉が議論を呼んでいたという。
5月9日付米国
『FOXニュース』は「改革派によるジェンダー議論の中、ペロシ、バイデンが母の日を祝う」との見出しで以下のように報道している。
ナンシー・ペロシ下院議長やホワイトハウスは9日、母の日に寄せたメッセージを発信。ツイッター上で「母たちはいつも我々の心にいる守り神。母の日おめでとう。」、「母たちが常にこの国を作り守ってきた。我々は全ての母に見合う安全で公平な仕事、保険、保育システム、賃金を実現しなければならない。...
全部読む
5月9日付米国
『FOXニュース』は「改革派によるジェンダー議論の中、ペロシ、バイデンが母の日を祝う」との見出しで以下のように報道している。
ナンシー・ペロシ下院議長やホワイトハウスは9日、母の日に寄せたメッセージを発信。ツイッター上で「母たちはいつも我々の心にいる守り神。母の日おめでとう。」、「母たちが常にこの国を作り守ってきた。我々は全ての母に見合う安全で公平な仕事、保険、保育システム、賃金を実現しなければならない。母の日おめでとう。」とした。
一方、母を意味し、ジェンダーに配慮した「出産者(birthing people)」という言葉を使う改革派は「母(Mother)」とは言わない。中絶の権利支持団体「NARAL」で、民主党のコリ・ブッシュ下院議員は「日々、黒人の出産者や赤ん坊が亡くなっている。医者が我々の痛みを無視するからだ。」とツイッター上で述べるなど、最近「出産者」と声高に叫んでいる。NAPALはツイッター上で、「出産者は包括的な意味で使っている。ジェンダーレスに妊娠について語る時使うのだ。妊娠出産ができる女性だけが持つ権利ではなく、全ての人々にその自由がある。」としている。
共和党のテッド・クルーズ上院議員もこの言葉をもじり、母の日のカード上の「母」の字を消し、「出産者おめでとう!」とツイッターに投稿。今年ジェンダーレスに配慮した法案が提出されたときにも、共和党からは下院民主党を嘲笑する動きがあった。
同日付米国『MSN』(Newsweek引用)は「母を“出産者”と言う女性議員に批判」との見出しで以下のように報道している。
母の日の週末に向け、民主党のコリ・ブッシュ下院議員(ミズーリ州選出)が女性を“出産者”と呼び、ネット上では賛否両論となっている。今月6日ブッシュ議員は議会演説で、「シングルマザー、看護師、活動家である議員として私は今日ここに立っているが、黒人の母や赤ん坊たちを守り、黒人の“出産者”たちと命を守ることを使命としている。」と述べた。その後もツイートでこの言葉を繰り返した。
ネット上では「出産者の日おめでとう」という投稿や、“女性”は反フェミニズムで不適切、ジェンダーレスな言葉には社会から権利を奪われたLGBTも含まれると擁護する声がある一方で、軽蔑的で、女性を子を産む役割としてしか考えていない言葉だとの批判もある。
共和党のナンシー・メース議員は、左派は差別意識が高く、女性だけがもつ権利まで奪おうとする、と批判、米国のユージン・グ医師は、「トランスジェンダーの生物学上の男性が妊娠し出産。包括的なだけでなく、科学的だ。性とジェンダーが2分化している」と皮肉った。また、極左は出産せず養子縁組をした人を母と呼ばないのか、との皮肉の声もあった。
閉じる
その他の最新記事