マスコミ、米EPA水質汚濁公聴会から追い出される(2018/05/23)
『ボストン・グローブ』紙によると、AP通信、CNN、E&Eニュースの記者らは、飲み水中の発がん性汚染物質に関する公聴会を取材することができなかった。
報道によると、AP通信の記者は公聴会に参加しようとしたが、「招待者された」報道機関のみに開かれているとして、警備員に建物から文字どおりつまみ出された。
この公聴会にはEPAのスコット・プルイット長官が出席した他、「一握りの」他の報道機関の記者も参加していた。...
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『ボストン・グローブ』紙によると、AP通信、CNN、E&Eニュースの記者らは、飲み水中の発がん性汚染物質に関する公聴会を取材することができなかった。
報道によると、AP通信の記者は公聴会に参加しようとしたが、「招待者された」報道機関のみに開かれているとして、警備員に建物から文字どおりつまみ出された。
この公聴会にはEPAのスコット・プルイット長官が出席した他、「一握りの」他の報道機関の記者も参加していた。
AP通信社サリー・バズビー編集長は次のように声明で述べた。「AP通信を含む報道機関が本日の会合を取材することを、EPAが選択的に禁止したことは、憂慮すべきことであり、国民の知る権利に直接的な脅威である。公共の利益のために公聴会を取材しようとしているジャーナリストが、強制的に排除されたことにとりわけがっかりしている。」
EPA広報担当のジャハン・ウィルコックス氏は、公聴会を取材する記者の招待状リストに非掲載の記者のための席がないと説明した。公聴会の一部は生配信された。
約200人が出席したこの公聴会は、全国の水道で危険な水準にまで達している汚染物質のを取り上げた。
飲み水からパーフルオロオクタンスルホン酸などの「危険な」化学物質が基準を超えて見つかり、「国家優先事項」として規制に乗り出すことが発表された。この物質はテフロン加工フライパン、汚れのつきにくい家具やじゅうたん、油分を吸収するデリバリーピザの箱、消火剤などに使用されているが、甲状腺疾患、妊娠時の問題やいくつかの癌との関連がわかっている。
声明でCNNは、EPAが従前どおり自由な記者会見を約束することを望み、今回記者が公聴会に入場することを「何度か」試みたことを明らかにした。
政治ニュースを扱う『ザ・ヒル』紙の記事によると、公聴会の第二部ではすべての記者の取材が許された。
調査結果の発表が政府都合により遅延したことについて、国際環境NGOのフレンズ・オブ・ジ・アースは「プルイット長官は、アメリカ人の汚染よりもジャーナリストを心配している」とツイートした。
事件は、トランプ政権とマスコミとの間の最新の戦いとみなすことができる。トランプ大統領は一貫してメディアを「フェイクニュース」と呼び、2016年の大統領選開始以来、さまざまな否定的な報道を批判している。
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プーチン大統領再選祝福の電話が漏洩騒動に転じる(2018/03/22)
米トランプ大統領が、ロシア大統領選で再選したロシアのプーチン大統領に祝福の電話をかけたことに批判の声が上がっているが、さらにはホワイトハウス内の情報漏洩騒動に移行している、と22日、
『AP通信』『AFP通信』らが伝えている。内部捜査や次に大統領に解雇されるのは誰かとの憶測へと発展している。
著しく重大な時期にしばしば情報が流出するホワイトハウスだが、ロシア大統領再選を祝福しないようメモで大統領が事前に助言されていたとの噂が浮上したことを受け、声明で、大統領メモを報道陣に漏洩させるのは「クビの対象となる犯罪であり、違法かもしれない」と述べた。
プーチン大統領への電話の要点をまとめた中に「祝福しないこと」も盛り込まれていた、と上級行政担当職は21日、AP通信社に対し、匿名を条件に話した。...
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著しく重大な時期にしばしば情報が流出するホワイトハウスだが、ロシア大統領再選を祝福しないようメモで大統領が事前に助言されていたとの噂が浮上したことを受け、声明で、大統領メモを報道陣に漏洩させるのは「クビの対象となる犯罪であり、違法かもしれない」と述べた。
プーチン大統領への電話の要点をまとめた中に「祝福しないこと」も盛り込まれていた、と上級行政担当職は21日、AP通信社に対し、匿名を条件に話した。別の関係者2名は、メモは選ばれた職員のみが閲覧可能であり、国家安全保障担当補佐官であるH.R.マクマスター氏の側近が起草している、と匿名を条件に述べた。現在漏洩についての内部調査が行われているとは述べたが、それ以上の詳細は語らなかった。
トランプ大統領はこれら事前の助言にもかかわらず、電話会談ではプーチン大統領に再選の祝意を伝えた。21日の自身のツイッターで、オバマ大統領も2012年に同様に電話で再選を祝したことを挙げ、自らの判断を擁護した。「ロシア(及び他国)と友好関係にあることは悪いことではなく良いことだ。」また、ロシアは北朝鮮からの「来る軍事競争問題を解決するのに役に立つ」と付け加えた。
漏洩を謀った者の解雇もあり得るとのホワイトハウスの21日の発言は、異例の脅しであり、当局の漏洩に対する位置付けの重さを示す。トランプ大統領とジョン・ケリー首席補佐官は、メモを目にすることができるのは限られた人間であるため、漏洩したことについて共に怒りを露わにしていると言う。
大統領は、漏洩したのは自分を辱め、間接的に攻撃したい「闇の国家」の仕業だろうと話している、と当局及び大統領の考えを知っている外部アドバイザーは語る。
トランプ大統領は、プーチン大統領との強い個人的関係を維持することが、米ロ関係を改善するとし、ロシア大統領への対応にあたっては自身の直感を信頼していると同盟国に伝えた。
口頭での説明を好むトランプが、20日の電話以前に国家安全保障チームが作成した話合い内容の要点メモを読んだかどうかは不明である。というのもマクマスター補佐官はホワイトハウス内で電話の前に大統領に直接説明している。この出来事により、外交政策トップのマクマスター氏の任期に疑念が投げかけられた。トランプ大統領は、3月中旬にマクマスター氏の更迭を考えているが、タイミングや後継者は決まっていない。
トランプ大統領が祝福の電話をかけたことは、祝福しないよう助言をされたことが判明する以前に、共和党員からも激しい批判を受けた。「アメリカの大統領は、見せかけの選挙に勝った独裁者を祝福することで、自由な世界を導くわけではないはずだ」と、上院軍事委員会の議長を務めているジョン・マケイン上院議員は述べた。
今回の電話会談は、トランプ大統領がプーチン大統領を公に批判することに気乗りしないことを示す最新のバロメーターだ。米政府は、米国大統領選へのロシアの干渉や英国での元スパイへの殺人未遂事件への関与を今回話題に出さなかったことを明らかにした。しかし21日の仏マクロン大統領との電話会談では、元スパイへの襲撃事件について触れている。
トランプ大統領は、「近い将来」、軍拡競争やその他の問題について議論するためにロシアと会談を行うかもしれないとも述べた。その際ウクライナ、シリア、北朝鮮問題についても議論する可能性が高いとした。
ロシアは、今月、元二重スパイのセルゲイ・スカリプラル氏とその娘が神経ガスで襲撃された事件をめぐって英国がロシアに抗議して以来、世界からも非難されているが、関与を否定している。米大統領選への介入やその他の「悪意あるサイバー攻撃」に対処して対ロ制裁を発動し、緊張が高まる中、今回の電話会談が行われた。
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